When the Music's Over

音樂の話とゲームの話

Games I played in 2018

2018 年に聽いた中でよかったものを書くかも、といふ話を友人にしたのだが、 音樂ではなくゲームのはうで書くことにした。 おれのやってゐるゲームはスチマーにとっては有名だらうが、 さうでない人たちにとってはまるで有名ではないので、 さういふ人たちに紹介する場はいくらあってもいいかな、と思ってゐたのである。 まあ、さういふ讀者が一人増えたから、といふのが直接的な動機だが。

全くの餘談だが、おれは自分が聽いてゐる音樂も、 ちょっと音樂に詳しい人にとってはメジャーなものばかりだよな、と信じてゐる。 まあ、プレス枚数を見るとさうでもなささうではあるが…。


Environmental Station Alpha

閑話休題。 さて、おれにとって 2018 年を象徴するゲームはといへば、 Environmental Station Alpha(以下、esa)をおいてない。

發賣されたのは 2015 年なので、別に 2018 年の新作ゲームといふわけではない。 ちゃうど昨年の今ごろだったか、steam で新しい友人ができ、 その友人が猛烈にプッシュしてきたゲームだったのだ。

いやー、ハマりましたね。 どれぐらゐハマったかといふと、 全文日本語譯日本語攻略ガイドだけでなく、 ボスラッシュ攻略ガイド、RTA ガイド(翻譯)と 4 つもガイドを書き上げてしまったほど。 このブログのプロフィール画像に使ってゐるのだって、esa のアイコンである。

ジャンルはメトロイドヴァニアだが、キャッスルヴァニア部分ある?と 問ひたくなるほどにメトロイド。

メトロイドヴァニアの面白さは、探索要素にかかってゐると思ふ。 基本ルートは存在するが、ちょっとしたテクニックを使ふことでショートカットができ、 先々でとるはずのパワーアップアイテムなんかを先取りできたりする樂しさ。 最初に訪れた段階では意図のわからない部屋が、あとになって明らかになる謎解き。 さういったものが、メトロイドヴァニアの肝である。

esa はさうした部分が練りに練られてをり、最初のエンディングを見た時点では、 ほとんどが謎の儘である (セーブデータに探索度のやうな数値が表示されるのだが、 最初のエンディングを見ただけでは 100% に達しない――ちなみに最大で 203% である)。

難易度上昇も緩やかで、一部そりゃ無理だろ、と云ひたくなるやうなものもあるが、 何度もやってゐるとできるやうになるのだから不思議なものだ (一例として、床や壁に触れただけで死ぬため、無限ジャンプで切り抜ける必要のある部屋があるのだが、 初見では死にまくったその部屋も、今や失敗するはうが稀、といふレベルになった)。

おれは、このゲームを隅から隅まで舐めつくした。 日本でおれよりこのゲームに詳しいやつはゐまい、といふほどにやった。 それだけの面白さが詰まったゲームだったからだ。

グラフィックのショボさで敬遠する人もゐるが、騙されたと思ってやってみてほしい。 メトロイドクローンの中では、これが最高峰だとおれは思ふ。


Risk of Rain

遊びまくったといへば、じきに 2 が出るらしい Risk of Rain も今さらではあるがたっぷりやった。

ローグライク、といふことになってゐるが、ローグライク要素はそれほど強くない。 敵を倒し、金を集め、その金でアイテムをとって自キャラを強化しクリアを目指す、 といふのが基本的な流れである。 出るアイテムがランダムだったり、マップにほんの少しのランダム性があったりはするが、 それはそこまで大きくない。

このゲームの最大の特徴は、時間が經てば經つほど、敵が強くなる といふことだ。 自キャラを強化するためにはアイテムを取ることが必要で、 そのためには敵を倒さなくてはならないのだが、 のんびり敵を倒してゐると、どんどん敵ばかり強化され、自キャラの強化が追ひつかない。 そのバランスを見極めて、自キャラを強化しなくてはならない。

最初のうちは取得できるアイテムも完全にランダムなため、容赦なく死にまくる。 セーブ、などといふ概念はなく、死ねば最初からやり直しである。

ただ、ローグライクと違ふのは、アンロック条件さへ解除すれば、 アンロックしたものは次からも使へる、といふ點だ。 さうして、死にまくりながら、使へるキャラや取得できるアイテムを増やすことに励んでゐると、 だんだんコツが摑めてくる。

さうなってからが、Risk of Rain の本番である。

Risk of Rain では、同じアイテムを複数所持することができる。 例へば、宝箱のやうな設置物を開けたときに敵を攻撃する花火が出る、 といふアイテムがある。 これは、1 つとっただけではカスみたいなアイテムだが、 複数取ると、宝箱を開けただけで畫面中に花火が飛び出し (終盤では処理落ちするレベルで花火が出る)、 畫面内の敵を殲滅し尽くすすさまじい兵器になる。

このビルドで遊んだときは、自分では攻撃しないといふ縛りで遊んでゐたのだが、 花火で攻撃するには宝箱を開けなくてはならないので、 宝箱を召喚できるアイテムを取得し、そのクールダウンをとにかく下げる、 といふ方向で育てた。

そんな感じで、「誰が使ふんだよ、こんなの」と思ふやうなアイテムでも、 うまく組み合はせることで無類の強さを誇るやうになるのが非常に樂しい。

ゲームをプレイすればするほどアンロックされるものは増えるが、 かといってゲームが樂になるのかといへばそんなことはなく、 ゲームの難易度を上げるアイテムもアンロックされるので、 ばんばん縛り要素を追加して遊べるのも魅力だ。

シンプルながら、リプレイ性に富んだゲームで、 モンスター図鑑といふやりこみ要素もあったため、これまた遊び倒したwiki がいまいちだったので初心者向けガイドも書いた)。


RunGunJumpGun

アクションで鬼畜だったのは、RunGunJumpGun。 鬼畜すぎて未だに最後までやってゐない。

先に esa で床や壁に触れただけで死ぬ部屋があると書いたが、 このゲームはその部屋のバリエーションを變へて何度もやらされる感じ。 あまりに鬼畜すぎて笑ってしまふので、アクションが得意な友だちにもあげ、 その友だちの苦しみっぷりを見てゲラゲラ笑はせてもらった (かつて公開されてゐたトレイラーが非公開になってゐるのはなぜなんだぜ)。

使ふボタンはたった 2 つといふシンプルさながら、アホみたいにむずい。 ただクリアするだけでも青息吐息だが、ステージ上には緑の玉が配置されてをり、 それを全てとらないと開放されないステージがある。 esa と違ひ、ダメージを受けるのは 1 度だけ許されてゐるのだが、 ノーダメで全てクリアしないととれない實績がある。 となると、實績厨のおれとしては、緑の玉をコンプして ノーダメでクリアすることを強いられるのだが、 気が狂ひさうになるぐらゐむずいのである。 なんたって、最高で 200 囘ぐらゐ同じステージで死んでゐる。

なのに、繰り返しやってしまふのだ。 一ステージが短く、すぐにやり直しできることも リプレイに拍車をかけるが、 死んだときの悔しさと面白さの鹽梅が絶妙である。 死ぬと悔しいに決まってゐるのだが、 一方で「それはあかんやろ、ウハハハハ、クソが」 みたいな笑ひも喚起するのだ。 實にうまいバランスだと思ふ。 まあ、2 面のボーナスステージをノーダメでクリアするのが あまりにきつすぎてそこで積んぢゃってますが。

switch でも出てますよ!!!!(特定個人に向けたメッセージ)


Kenshi

early access もので遊んだのは KenshiFactorio の 2 つ。

Kenshi はニコニコ動画で話題になったため、 日本ではかなりの知名度を得たやうだが、 おれがこのゲームを知ったのはそれよりもだいぶ前で、 友人が唐突に「これ面白さう」とリンクを寄越したのである。慧眼だ。

で、その頃からずっと早くセールになれセールになれと祈り續けてゐたのだが、 これが全然セールしないのである。 それが、6 月に 20% オフになったので、これを逃してはならん!とやうやく購入に至った。

最初にプレイしたときは驚いた。 こっちがクソ弱なのである。 道を歩いてゐると盗賊に襲はれるのだが、 盗賊なんて雑魚ぢゃないですか、普通のゲームでは。 もうボッコボコにやられんの。 だからコソコソ見つからないやうに行動するんだが、 よく見てみると、その盗賊どもは野犬に襲はれて殺されまくったりしてるわけ。 世紀末怖すぎだろ!

https://steamuserimages-a.akamaihd.net/ugc/949580065049417867/7F94AAA77FE1AF623733146D611925E7D9473FBB/

と、そんな北斗の拳もかくやたる世界で生き延びるゲームなのだが、 レベルの上昇具合が緩やかといふのか、 盗賊をボコれるレベルぐらゐまではすぐ成長するが (戦闘はほぼオートだが、武術レベルを上げると飛び蹴りするやうになったりと藝が細かい)、 さうするとまた上位の盗賊だの忍者集団だのが現れ、 それを殺せるやうになると今度はレイシスト騎士団が現れ、 レイシスト騎士団をボコれるやうになるとアイアンスパイダーに四肢切断される、といふ有樣。

とにかくどんどん上位の敵が出てくるのだが、 そいつらを倒すために拠点を作り、 仲間を雇用し(これまた最初はクソ雑魚)、 採掘し、研究を進め、武器や防具を作成し、 ときには麻薬を賣りさばいて金を稼ぐ。 さういった繰り返しで、自分の集団を強くしていく過程がとても樂しい。

仲間が強くなれば探索できる場所も増え、探索が進めばできることも増える。 移動が常に徒歩なので、そこそこ廣大な Kenshi の世界を隅から隅まで巡るには けっこうな時間がかかる。 おれが購入した頃はまだマップの全域が開放されてはゐなかったが、 去る 12 月に遂に正式リリースとともにマップ全域が開放された。

正式リリース直前ぐらゐから、正式リリースが來るまで寢かせておかう、 と思ってそれ以来未だにプレイしてゐないが、今年また遊びたいゲームの 1 つである。


Factorio

Factorio は、一言で云ってしまへば、 ロケットを打ち上げるために、ひたすら研究を進める といふゲームなのだが、研究を進めるための材料を工場で制作するために、 いかに効率的なラインを構築するかといふことに否が應でも注力させられる。

が、やってゐるうちに、最終目標であったロケットの打ち上げはおまけになる。 どうすればラインがすっきりするか、どう配置すれば機能的か、 そんなことばかりを考へるやうになり、一分でいくつロケットを飛ばせるか、 といふ領域になってくる。 もちろん、ゲームとしてはとっくにクリアされた状態だ。

動畫を検索する、といふ当たり前の方法でも他人の工場を見ることはできるが、 Factorio にはブループリントといふ機能があり、 なんとこれは他人の工場・ラインを自分のゲームにまるまるコピーできてしまふ。 他人の發想を氣輕に試せる、といふのは非常にでかい。 初心者のうちは考へ附かないやうなことでも、 他人の完成品をコピーしてきてためつすがめつすることで理解を深められる。 そしてそれが、自分の工場を洗練する。

と、かう書けばわかるとほり、これは終はりのないゲームである。 やり始めるといつの間にか空が明るくなってゐる、といふのを何度も經驗してゐるので、 たまにしかやらないのだが、やり始めるといつもとまらなくなってしまふ。 危険なゲームである。


Dungeon of the Endless

Dungeon of the Endless も面白かった。

未知の惑星に宇宙船が不時着して閉じ込められてしまったため、 最上階へと進み、宇宙船から脱出する、といふのが目的のゲームである。

ローグライク + タワーディフェンスのやうな紹介をされてゐることが多いのだが、 個人的にこれはターン制のストラテジだと思ってゐる。 デベロッパの Amplitude Studios は Endless シリーズをほかにも出してゐるのだが、 Endless SpaceEndless Legend もゴリゴリのストラテジである。 さういふデベロッパの作ったゲームなのだから、 ストラテジ要素が強くて当たり前なのだ。

ターン制であるといふのは、部屋を開けるといふ動作が 1 ターンに相当するからだ。 部屋を開けることで設備に應じたリソースが蓄積され、敵の出現判定がなされる。 その敵を倒し、設備の設置などこちらの行動を終へたところで、また部屋を開ける。 完全にターン制ストラテジぢゃないですか。

ローグライクと云はれることもあるやうに、 ダンジョン(といふか宇宙船)の構造はランダムだし、 出てくるアイテムもランダム。

ゲームの肝となるのは灯りで、灯りの點いてゐる部屋からは敵が出ない。 だから、敵と遭はずに安全に進めるには灯りをマメに燈せばいいのだが、 もちろん電力には限りがあるため、どこを點けてどこを消すかの取捨選擇を迫られる。 さうして、限られたリソースをやりくりし、敵の群れを潛りぬけてゴールを目指すわけだ。

使用キャラによって得意分野が違ふため、さうした部分でも戦略的にならざるを得ない。 トレイラーではめちゃくちゃスピーディーに進めてゐるが、 實際に自分でやってみると、考へなくてはならないことが多く、 一部屋開けるたびにうんうん唸ることになるので、いざ始めるとかなり時間がかかる。

マルチでもできるので、役割分担してやいのやいの進めるのが樂しい。 ちなみに、難易度は too easy と easy しかない。つまり、easy とはいふものの…。


Kingsway

最後はやはりガイドを書くまでやってしまったゲーム、Kingsway を紹介して終はらう。

ゲームをグラフィックで敬遠する層には絶對に選ばれないゲームだが、 これも騙されたと思ってプレイしてほしいゲームの 1 つ。

中身はローグライクで、畫面左側から迫ってくる闇に追ひつかれないやうにしつつ、 自キャラを強化し、ラスボスを倒すのが一應の目的となる。

が、この特殊すぎるガワがゲームに大きな特徴を与えている。

動畫を見ればわかるとほり、とにかくクリッククリッククリック、と 畫面クリックを強要されるゲームなのだが、 狭い畫面に窓が重なったり、窓が搖れ動いたりと、 思ったやうにクリックができないのである。

ゲームの難易度を決める要因といふのはいろいろある。 しかし、わざと不便な UI を用意することで難易度を調整する、 といふ試みをしたのはこのゲームぐらゐではないか。

古臭いグラフィックも、この古臭い UI にマッチしてゐて、 昔からパソコンを使ってゐる人はそれだけでも樂しめるだらう。 それでゐて、ゲームバランスはしっかり計算されてゐて、 ローグライクと云はれるだけのバラエティに富んだ育て方ができるし、 油斷するとすぐ死ぬシビアさもある。

安っぽいゲームだし、實際に値段も安いが、値段以上に遊べることは保証する。


2018 年に遊んだゲームで思ひ出深かったのはこれぐらゐ。 今年遊びたいゲームは For the King(遊びたすぎて買って配りまくってゐるが、未だに誰も遊んでくれない)、 Kenshi の續き、Into the Breach(もらったのにやってない)あたり。 Tangledeep ももらったからやりたい。 なんか switch 版がえらく好調らしいね。

未發賣のものでは、ToeJam & Earl: Back in the Groove!(はよ出せ)、 Risk of Rain 2Katana ZERO、 セールが來たら買ひたいのは Sunset OverdriveReturn of the Obra Dinn の 2 つ。

積んでる中だと Undertale だの RimWorld だの Oxygen not Included だの Kerbal Space Program だのを崩したくはあるけど、 一年ぢゃ無理だよなあ。

Battle Chef BrigadeDead CellsHaydeeHollow KnightHylicsLISAMy Time at PortiaSynthetikWestardo もやりたい。

Epic でもらった SubnauticaAxiom Verge もやんなきゃ。

やりたいゲームだらけだあ。 と云ひつつ、今日も今日とて Path of ExileSolar Settlers を起動するおれなのであった。