When the Music's Over

好きな音楽の紹介がほとんど

Crossing Souls #2

自分で書いたものだといふのに、前囘の記事やたら好意的でちょっと驚いてしまった。

はい、Crossing Souls、クリアしました。 ので、感想をば。

いや、まあ、出だしで察してくれたと思ふが、 前に書いたやうな、歩いてるだけで樂しい、 といふ感覺はなくなってしまった。

理由は單純で、全實績を取るために最初から何度かやり直したためだ。 このゲーム、アイテム蒐集實績があって、 まあ實はその實績、 どうもバグってゐてワンプレイですべて取り尽くさなくても解除されてしまふのだが、 アイテムをきちんと取れてゐない状態のセーブデータを殘すのが嫌で、 ついつい最初からやり直しまくってゐたら、 そもそもやる氣がなくなってしまった。

そんなわけで、昨年 11 月末にプレイしておきながら、 今の今まで放置してゐたわけだが、 久しぶりにやってもやっぱりだりーわ。

何が嫌だったかって、ジャンプだ。 2D アクションだから仕方ないのだが、 Y 軸と Z 軸がごっちゃになってゐて、 縱方向と高さ方向がわかりにくいくせに、 けっこうシビアなジャンプアクションを要求されるプラットフォームがよくあり、 落ちるとライフが減るのでイライラしてしまふのだ。 最終章に出てくるボスの一人でプラットフォームアクションを要求してきたのは許さんからな。

Chapter は全部で 8 つあるのだが、 Chapter 2 ぐらいからストーリーが暗くなり、 最後まで明るくならないのもきつかった。 しかも途中まではやってゐたから、 このあとも暗いイベントあるんだよなあ、 と暗澹たる氣持ちで進める羽目になった。 いやさあ、80 年代が舞臺で子どもが主役なんだからもっと能天氣な明るい話にしてくれよ!

一應ネタバレは控へておくが、 なかなか救いのないストーリーだった。 最後に安易なハッピーエンドにしない邊りは好印象だったが、 おじさん、さういふ硬派さは要らないんだよなあ…。 ちょいちょい插入されるアニメもよくできてるし、 キャラも魅力的なんだから、 もっと莫迦っぽいストーリーでよかったのよ?

そんな魅力的なキャラも、 アクション面では魅力を失ってしまふのだから參る。 紅一點のチャーリーはほぼ活躍する場面がないし、 黒人 & デブ枠のビッグジョーは囘避の代はりに實裝されてゐるアクションが完全に死産。 弟は攻撃手段を持たないぼんくら。 5 人しかキャラいないのに、使へない行動多すぎだろ!  ビッグジョーは攻撃力が拔きんでてるから出番あるけど、 チャーリーは最初から最後までほぼ使はなかった。 ヒロインなのに…。

とはいへ、おれのやうな蒐集物は一周ですべて完璧に取り、 全キャラにアクション面での特徴を持たせろ! などと云ふうるさい人間でなければ、 普通に樂しく遊べる良ゲー。

随所に見られる 80 年代の小ネタ、 よくできたアニメとドット絵、 決して簡單ではないアクション、 濃密なストーリーと子どもらしさを活かしたうまいキャラ造形などなど、 ゲームとしてよい部分はたくさんあるし、 それらはどれもゲームの構成要素として重要なものばかりだ (まあ、小ネタはなくてもいいけど)。

だから、もし 80 年代にそれなりの思ひ入れがあるなら、 セールで買っても損はない。 5 ~ 6 時間でサクッとクリアできるはずだ。 とにかく、氛圍氣はべらぼうにいい。

逆に、おれのやうに全實績とらないと氣が濟まないどころか、 一周ですべての要素を押さえ尽くさないとヤダ! といふやうな厄介な人間にはおすすめしない。 どれだけ氛圍氣がよからうと、 何度もやり直すと飽きちゃうからね。

よくも惡くも、氛圍氣とストーリー重視のゲームだった。 アクション部分は改善の余地あり(ジャンプさへ改善してくれれば充分)。

それはつまり、一周すれば充分といふことであって、 輕く遊びたい人にはいいだらう。 おれは何周もできるアクションゲームが好きなので、 ちょっと好みとは違った。 總合的に見ればいいゲームだったけどね。

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Can

海外での評価は知らないが、日本では Can の最高傑作といへば Future Days だとされることが多いやうに感じる。 が、昔からおれは全く贊成できない。 初めて聽いたときから今まで、 Future Days がおれの中で特別な位置を占めてゐたことはない。

といふのも、 Future Days が、Can の中では實に落ち着きに滿ちたアルバムだからである。 極めてアンビエント色が強いのだ。

といっても、おれがアンビエントをあまり好まないから Future Days はいまいちだ、と云ってゐるわけではない。 Future Days には、Can の大きな魅力の一つが決定的に不足してゐるのだ。

それは、Jaki Liebezeit のドラムである。

かういふ、ぐるぐるタカトコと民族的・呪術的なリズムを、 機械のごとき正確さで刻み續けるのが Jaki Liebezeit の、 そして Can の音樂の大きな魅力であるとおれは思ってゐる。 なのに、 Future Days にはかうした Jaki のドラムが聽ける曲は 1 つもないのだ (最後の曲で辛うじて聽けなくもない、といった程度)。 そんなアルバムの、どこが最高傑作なのか。 Jaki のドラムを無視するとか、パラッパラッパーかよ *1

そんなおれが Can の最高傑作と考へてゐるのは、 Tago MagoEge Bamyasi の 2 作である。

2 枚組であるにも關らずだれることなく長尺の曲を存分に味ははせてくれる Tago Mago後に彼らのレーベル名ともなる代表曲 Spoon を始めとしたキャッチーな曲をコンパクトに詰め込んだ Ege Bamyasi のどちらが優れてゐるか、といふのはなかなかに難しい問ひだ。

例へば、 Tago Mago に收録されてゐる Oh Yeah といふ投げやりなタイトルを持つ曲。

この曲で、Jaki のドラムはほとんど同じフレーズの繰り返しである。 パターン自體もタムを使はない實に單純なものだ。 それなのにこのグルーヴ。ダモさんもノリノリである。 アルバムでは 7 分半で終はってしまふが、 上に舉げたライヴ版はなんと 18 分もある。 Michael Karoli のギターもスタジオ版とは違ってグイグイ來る。 惜しむらくは Holger Czukay の弾いてゐるベース音がほぼ聞こえないこと。

YouTube でコメント欄を見ると、 Jaki についてのコメントが評価を集めてゐることがわかる。 複雑なことをしてゐるわけではなく、 誰でも叩けさうな、 Jaki 自身の言葉を借りるならば monotonous なリズムなのに、 多くの人が、これは Jaki にしか生み出せないグルーヴであることを感じ取ってゐる。 いやあ、といふかね、これを聽いてグルーヴを感じないなら、 リズムに關しては全くのインポテンツだと思ったはうがいいよ。 それぐらい、このドラムはすごい。

Jaki のタカトコドラムといへば、これまた Tago Mago 收録の Halleluwah が有名なわけだが、個人的には Ege Bamyasi Spoon を推したい。 Jaki のドラムのみならず、 チープなドラムマシンを含め、 曲の構成要素すべてがかっこよくて息が詰まる。 たった 3 分の曲だからいいが、 これがもし 10 分ぐらいあったら呼吸困難で死んでしまひさうだ。

しかし、この曲はなんでこんなにかっこいいのだらうか。 使はれてゐる音は間抜けな響きのものも多く、 これらをバラバラにしてしまふとかっこよさは雲散霧消してしまふとしか思へない。 なのに、實際にそれらを合はせたものを聽くと、摩訶不思議なかっこよさが立ち上ってくるのだ。

Can に限らず、クラウトロックと大雑把に呼ばれるドイツのロックは、 さうしたわけのわからないかっこよさを持ってゐるバンドが少なくない。 Faust なんかはその最たる例だし、 Can とは違った意味で革命的なリズムを生んだ Neu! なんかもさうだ。

そんな中で、Can の大きな特質と云へるのは、 知性的といふか、クールさである。 Neu! のかっこよさは「おれにはこれしかないんだ!  だからこれがいちばんいいんだ!!」といふやうなもので、 知性なんてものはない。ハンマービートがあるだけだ(大好きです)。 Faust に知性がないとは云はないが、 彼らはひねくれ者集団であることを前に出しすぎてゐて、 そこが少し下品である(大好きですよ)。

Can はさうした氣負ひとは無縁だ。 そもそも、Can のメンバーでロックを聽いてゐたのは Michael Karoli ぐらいのもので、 Jaki Liebezeit は Can 以前にジャズドラマーとして活動してゐたし、 Holger Czukay と Irmin Schmidt は Stockhausen の下で學んでゐた。 そんなメンバーがロックバンドをやったのだから、 ほかのバンドとは違った、一歩退いた目線があったのだと思ふ。 だからこそ、Can は實驗的でありつつも商業的にまずまずの成功を收めることができたのではないか。

そんな Can のメンバーも Irmin Schmidt を殘してみな鬼籍に入ってしまった。 仕方ないこととはいへ、悲しい。

ちなみに、Can のメンバーでは Jaki 一押しのおれだが、 ソロアルバムを一番聽いたのは Holger Czukay である。 Boat Woman Song があるからね…。 ソロ全部この路線でやってくれればよかったのになあ。

Ege Bamyasi (Reis)

Ege Bamyasi (Reis)

Tago Mago: 40th Anniversary Edition

Tago Mago: 40th Anniversary Edition

The Singles

The Singles

Canaxis

Canaxis

*1:パラッパラッパーといふゲームで Can の曲がサンプリング的に使はれてゐるが(最初の動畫のやつ)、 使はれたのはキーボード部分だけで、Jaki の特徴的なドラムは全く使はれてゐない。

Hylics

Hylics といふ 300 圓の安いゲームがあって、 だいぶ前に友だちから教へてもらって、 半額セールやってたときに買ってをいたんだけど、 La-Mulana が終はったのでやってみた。 ちなみに、こんなゲームだ。

で、まあ、その動畫がほぼすべてである。 初囘プレイでも僅か 4 時間でクリアできてしまったし、 別にもう一周やるやうなやりこみ要素もない *1

氛圍氣ゲー、と云っていいのかどうかはわからないが、 この氛圍氣が好きぢゃないと、特に面白くないだらうことは確かだ。

おれ?  おれはもちろん、最高に樂しみましたよ。 だってこんなどサイケなゲーム、面白くないわけがないだろ!!!

シュールな畫面もすばらしいが、 このゲームの肝はなんたって音樂である。 聽いてて不安になるレベルのサイケ。 いやあ、最高ですね!!!!!!

しかもなんとこのサントラ、soundcloud で無料公開されてゐる。

soundcloud.com

サービスよすぎる!!!!  しかも 58 曲もある!!!!  明らかにゲーム内で使はれてないやつまである!!!! 最高かよ!!!

ゲームなくてもずっと聽いてられるから、 bandcamp で flac が買へるやうにしてほしいなあ。 soundcloud は UI があんまり好きぢゃないから聽く氣しないよ。

肝心のゲーム性はどうなんだって?  いや、別に、その、世界觀以外に特筆すべきことはないです…。 JRPG を意識して作られたらしいけど、 DQ1 よりマップ狭いからね。 レベルの概念もないし、倒した敵は復活しない。 でも、別にそれで充分ラスボス倒せちゃう。

だって強化要素、3 つしかないもん。 敵から出るお金を貯めて装備を買ふ、 紙コップをゲットしてたまに見つかる謎の水を飲む(最大 MP 上昇)、 テレビを見て呪文を習得する。これだけ (3 人目のキャラはもう 1 つ強化手段あるけど)。 デスペナもなし(寧ろ死なないと取れないものすらある)。

ちなみに、最大 MP を上昇させる手段は謎の水しかないので、 仲間が 4 人揃ってから飲むやうにしたはうがいい。 でないと最後に憶える呪文、唱へられないやつができちゃうから。

しかし、mightiness(攻撃力に相當)以外のステはなんのために存在してるんだ。 だいたい、texture(手觸り?)、jollity(陽氣さ)、 cooking(料理力)、guts(ガッツ)、philology(文獻學)ってなんだよ!  意味わかるの guts しかねーぢゃねーか!  しかもそれすら何に使はれてるのか謎と來てゐる。

HP? おまえ、HP が何の略か知ってるか?  さう、hit point だ。 つまりあの數値は、どれだけ hit されても平氣か、といふ數値なわけだ。 だからおまえが防具を買ったときに、 最大 hit point が上昇するだけでも當然だよなあ~。 といふのが Hylics の防具である。

攻撃方法は全員指パッチン。 素晴らしきヒィッツカラルドかな?  斧や剣やガントレット(武器です)を装備してるはずなんだが…。

英語でしかプレイできないが、 特に讀まなくても進めるのに苦労はしない。 といふか、おれもほぼ讀んでない。 アイテムも呪文も使へば効果わかるし。 マシンスペックだって全然要らないぞ!

といふわけで、氣になった人は買ってプレイしてあげてほしい。 なんでかっつーと、なんと 2 が製作中で寄付を受け付けてるから。

ちょっと立體的になってるのが小癪だ。たまらん。 いやもうこれはアートですよアート。

普段のおれなら、アートだからってゲーム性が低いのはうんぬん、 と文句を云ふところだが、 ゲーム性以外の部分が好みすぎて何も云へない。 ずりいよ~。サイケは卑怯だよ~。

さて、次は何をやらうか。 ついさっきやうやく $5 まで下がった Enter the Gungeon を買ったからそれやってもいいんだけど、 La-Mulana でアクションやりまくったからアクション要素がないやつやりたい。 あー、でも、もうすぐ終はりってトコで放置しちゃってる Crossing Souls も片付けたいな。 惱ましい。

まあ、それより問題なのは、最近ほとんど音樂の記事を書いてないことなんだけど。 音樂は聽きまくってるけど、これについて書きたい!ってのがないんだよなあ。

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*1:詳しく知りたければ、ピクシブ百科事典を讀むといい。 なぜかめちゃくちゃ詳しく書いてあるから。

I have obliterated La-Mulana !

やうやく La-Mulana の全實績を解除した。いやー、疲れた。 La-Mulana 漬けの一週間だった。

そもそも、6 年前に買って、地獄聖堂がしんどさうでやめて以来、 いつかは實績ちゃんと取りたいなあと思ひつつも放置してた La-Mulana を今さらやったのは、 去年できた友人が大の La-Mulana 好きだったからである。 なんと、その友人ですら、ムーブルクとの會話實績が取れてゐなかったのだ (好きすぎてしゃべりに行きまくってたらあと 1 つになった、といふのもすごいが)。

それまで、La-Mulana はおれの中ではもう終はって、やらないだらうゲームになってゐた。 だって 6 年も前のゲームですよ。 しかもアクションが一番きついところで積んじゃったから、 恐らく崩すことはないだらうなあ、と。

でも、6 年も前のゲームなのに、實績を取るためのチャートが未だにない、 といふのはガイドを書くのが好きなおれとしては、 ちょっと氣にかかることではあったのだ。

もちろん、これまでずっとさういったチャートが作られなかったのは、 そもそも普通の攻略チャートすら誰も書いてゐない、 といふのが原因だらうと思ふ。

La-Mulana は遺跡に隠された謎を追ふゲームだが、 きっちりこの順番で解かなくてはならない、といふやうなものは存在しないし (メトロイドヴァニアだからね)、 フィールドも廣いので、けっこう自由に探索できてしまふ。 さうしたゲームの特性をみんながよく知ってゐるからこそ、 攻略チャートのやうなものはほぼ作られてゐない (RTA チャートは當然あるけど)。

會話實績については、 「ポイントおよび特定の状況がトリガーになること」と 「そのポイントは何をすれば増えるか」といふ 2 つは判明してゐてガイドもあるが、 後者の調整はかなりシビアで、意識せずにやると簡單に逃してしまふ。

だから、自分でこの實績を取るためには、そこそこ綿密なチャートが必要で、 どうせ自分のためにチャート作るなら、ガイドとして公開してしまはう、 と思ったわけだ (まあ冷静に考へれば、一周で取らうとせず、何周かすればいいだけなのだが、 さすがに實績取るためだけに途中で放置されたデータ、 なんてものをいくつも作りたくはなかった)。

いやあ、やってよかった。本當に樂しかった。

自分の實績のためだけなら、まあ適當にプレイしちゃっていいんだけど、 ガイドを書くといふのが目標になってゐたから、 最初から何度も何度もやり直したし、細かい検証もたくさんした。 豫想してゐた通り、地獄聖堂では穴に落とされまくり、初囘クリアには 2 時間以上を要した。 仕掛けは豫め調べて行ったのに、だ。

改めてやって思ったのは、前の記事にも書いたけど、音樂がいいこと。 前に絶贊した Hotline Miami の音樂は、 純粋に音樂だけ聽いてもすばらしい曲が多かったのだが (音樂が本業のアーティストばかり起用してゐるのだから當然)、 La-Mulana はさうではなく、ゲームにぴったり、といふ意味ですばらしい。

別に音樂的にいまいち、といふわけではない。 そもそも、おれはゲーム音樂や映畫音樂といふのは、 純粋な音樂とは全く別物だと思ってゐる。 音樂が音樂だけで世界を構築しているのに對して、 ゲーム音樂や映畫音樂はゲームや映畫と一體で存在してゐるからだ。

例へば、この曲。

これは、單體で聽けば、まあ、なんてことはない曲だ。 でも、La-Mulana プレイヤーにとって、 これは Start を押したあと最初に聽く音樂であり、 冒険の始まりを告げる、わくわく感に溢れた曲なのである (Start を押す前にも 2 曲聽ける)。

實際、おれはこの曲を、曲單體で聽かうとはちっとも思はない。 この曲が流れるときには、やっぱり「ピュイッピー」と ウザかはいい長老からのメールを受信する音がなくては物足りない。 やむなく再生するときはゲームフォルダにあったメール受信音をわざわざ一緒に再生してしまふほどだ。

ゲーム音樂や、映畫音樂といふのは、さういふ、 プレイヤー自身の特定の記憶や體驗と密接に結びついてゐる。 普通の音樂だって、個人的な記憶や體驗と結びついてゐることはある。 でも、ゲーム音樂や映畫音樂は、 皆が似たやうな記憶・經驗とともに心に植え付けられるし、 それを前提として、さうした體驗に適した音樂が用意されてゐる。 つまり、ある情景を成立させる一つの要素なのであって、 獨立した存在ではないし、獨立したものとして語るのは不充分だと思ふ。

巨人墓場といふステージの曲 Giant's Cry を聽くと、おれはすぐ鬱陶しい氷の魔術師のテレポート音と魔法射出音を思ひ出してしまふし、 産声の碑のステージ曲 Song of Curry は迷ひまくって頭がおかしくなりさうだった苦労を追憶させる (音樂がループを多用してるのもあって尚さら)。 逆に、月光聖殿のやうに音樂がスリラーぢゃねえかと思ってたら、 入るたびにポーズを變へる Michael Jackson の壁畫が見つかるステージなんかもある。 空の水源の音樂は完全にロックマンだ (オリジナル版は AshGuine といふゲームのテーマ曲のパロディだったらしいが)。

そのやうに、ゲーム音樂といふのは、プレイヤーの感情を増幅させる。 ハラハラする場面、ウキウキする場面、思はず身構へてしまふ場面や、大きな感動を生む場面。 さうしたシーンを彩るのがゲーム音樂や映畫音樂の役割であって、 La-Mulana の音樂は、さういふところがすごくよくできてゐる。

もちろん、音樂以外の要素だって充実してゐる。 ゲームのメインである謎解きは多量かつ齒應へに滿ちたものばかりで欲張りすぎと云っていいレベルだし、 高度なアクションを要求されるステージや、 苦労させられるボスたち、 探索可能な廣大なエリアといった、 メトロイドヴァニアに必要なものは、どれも高レベルでまとまってゐる。

メインでない部分も凝ってゐる。 背景に關しては前にも書いたが、 NPC との會話もユーモラスで、惡意に滿ちたトラップ群でささくれだった心を癒やしてくれるし (「もう 5000 年待て」とか、好き)、 實績にもなってゐる、調べられる背景に盛り込まれた、ゲームにはほぼ無關係な考古學情報も多量だ。

廣すぎてどこに何があったか忘れてしまふマップや、 理不盡とも云はれる一部の謎解き、 獨特すぎるジャンプの擧動など、 文句をつけられさうな部分だってないわけぢゃない。

でも、慣れればそれは些細なことだ。 ヌルいゲームがやりたいなら、ヌルいゲームをやればよろしい。 自分の思ひ通りにキャラが動いてくれないなんて、アクションではよくあることだ。 さういふのを乗り越えられるほど上達できるプレイ時間を費やさせてくれる面白さを、 La-Mulana は持ってゐるから安心し給へ。

ま、謎解きに關してはほぼ完全に忘れてゐたのでカンニングしまくりましたけどね。 最初にやったときにさんざん惱んだからもういいやって。 昔やったときもちょいちょいカンニングしましたけど。 「理不盡だ!」っつって怒るより精神衛生上ずっといいでせう。 パズルゲームぢゃないんだし。

アクション部分だって、他人のを見て効率のいい動きを學んでから練習するはうが無駄にならなくていい。 實際、地獄聖堂 27 番目の部屋(石碑の中にドラキュエツがゐるところ)はめちゃくちゃ苦手だったのだが、 動畫を見てジャンプの仕方を憶えたら餘裕になった。 まあ、さっき書いたやうに、豫習してても油斷すればハマる罠にはハマるけどね。

何にせよ、諦めてゐた全實績解除を達成できたのは非常に嬉しい。 地獄聖堂は Wii では DLC 扱ひだったわけで、 さう考へると投げた時點で一通りゲームはクリアしてゐたのだから、 さういふ状態から、再度プレイして全實績解除まで行く日が來るとは思ってなかった (そもそも、今のパソコンにはインストールすらしてゐなかった)。

それが可能だったのは、La-Mulana の面白さと、 La-Mulana 好きの友人に出逢へたのが大きい。 おれのガイドは、それらへの恩返しだ。 ありがたうありがたう。

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La-Mulana

La-Mulana っていふゲームがあるんですね。 メトロイドヴァニアな遺跡探索ゲーム。 半年ほど前に 2 が出たんだけど、 La-Mulana そのものが最初に出たのは 2004 年だか 2005 年だか、その邊りのはず。 當時はパソコンのみのフリーウェアで、 MSX をバリバリに意識した作品だった。

その完成版が出たのは 2006 年だけど、 2011 年に Wii 版が、2013 年 4 月には steam 版がリリースされたんだ。 ばっちりリメイクされて。

セール待ちばかりで新作をほぼ買はない我だが、 La-Mulana は steam で出た頃から心を惹かれてゐて、 結局、8 月末には買ったらしい。 $5.1 だったみたいだから、リリースから半年經ってないのに 66% オフだったのかな?

ともかく、買って、案の定ドハマリしたんだよ。 メトロイドヴァニアといふことにはなってるんだけど、 謎解きがえげつないんだ。 そんなヒントでわかるわけねーだろ!とか もうそんなの憶えてないよ!とか、さういふのばっかり。 随所に仕掛けられたトラップも惡意に滿ち滿ちてゐて、 ちょっと氣を抜くと穴に落ちてだいぶ時間を無駄にさせられたりするわけ。

なのに、樂しいんだよ。 「こんなトコに罠仕掛けやがって! ばっかぢゃねーの! わははははは」 なんて笑ひながらプレイしてゐた。 いや、一人でやってて、そんなこと聲に出しませんよ。 でも、「クッソwwwwwwww」みたいな聲はつい出ちゃう。 匙加減がちょうどいいんだらうね。 バカスカ死ぬんだけど、「さうだよな、さう來るよな、さういふゲームだもん、知ってた」 みたいな氣持ちになるだけで、滅多にイライラすることはない (もちろん全くイライラしないわけではないけれども)。

で、steam 版が出たから、實績が追加されたんだけど、 取得率が低いやつは、軒竝み凄まじい条件なんだよ。 マップがかなり廣くて、 初囘クリアに 20 ~ 30 時間は平氣でかかるゲームだから、 謎解きや順路を憶えた上で、 ボスや殺意むんむんフィールド地獄聖堂をさくっと切り拔ける技倆も必要になる。

まあ、ただ面白いゲームだから、何度もやってればそれなりに上達する。 全く無理、といふ感じではないんだ。

ところが、ある NPC との會話をすべて聞く、といふ實績が 2 つもあって、 これはかなり複雑なので、きちんと計劃を立ててやらないと大抵はミスる。 システムは明らかになってるんだけど、計算するのはかなりめんどくさい。 でも、いつかは取りたいなあ、と思ひつつ、 とはいへやりたいゲームは次から次へと出てくるわけで、 やらずにいるうちに、2 が出てしまったわけだ。

例によってセール待ちだから 2 はまだ買ってないんだけど、 ふと氣が向いたので、その實績をとるためのチャートづくりを始めた。

いやあ、一週間ぐらいかかってしまった。 久しぶりにやったけど、やっぱり面白いねえ。 音樂も實にいい。 すべからくゲーム音樂はかうであってほしい、とまで云ふと云ひすぎかな。 グラフィックスも凝ってる。 古臭いと思ふ人もだってゐるだらうけど、 床や壁が繰り返しで單調にならないやうに工夫されてたりするんだよね。

お蔭で、すっかり忘れてしまった謎解きも、途中で投げてゐた地獄聖堂も、 なんやかんやでクリアして、實績もちゃんととれた (全實績とれたわけぢゃないので、もうちょっとやるけど)。

その成果がこれだ。 steamcommunity.com

日本語より英語のはうが情報が揃ってゐるので、 それらを參考にしてたら英語で書く羽目になってしまった (日本語譯してもいいけど超めんどくさいし、古いゲームだからあんまりやる氣はない――追記:結局すぐ譯しました)。 あまり縁のない google spreadsheet まで使って。

しかも、別に縛りプレイしやうと思ったわけぢゃないのに、 會話をすべて聞くためには縛るしかなくなっちゃって、 結果的にえらく取得アイテムが限られるプレイになってしまった。 いやまあいいんだけどさ、ノーマルでやったし (竝行してハードモードでも進めてたけど、 實績条件を勘違ひしててクリアしたのに一からやり直さなくてはならないと發覺したのは内緒だ)。

もう 2 が出てだいぶ經つし、今さら 1 の實績とか云はれてもねえ、 と大抵の人は思ふんだらうけど、いいぢゃん。 作りたかったんだもん。 2 が面白かったから 1 もやってみやう、なんて人だってゐるかもしれないしさ。 何にせよ、けっこうな作業をやり終へたので滿足ですわ。

じゃあ我、寢ますね。

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