When the Music's Over

音樂の話とゲームの話

Barotrauma

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No Man's Sky の大型アップデートが來たので、 そっちをやるぞと思ってはゐつつもやめられないゲームがある。 この Barotrauma だ。

どんなゲームかと問はれると、答へるのが難しい。 潛水艦クルーになり、基地へ寄港しながら先を目指すゲームではあるのだが、 なんといふジャンルに該當するのかがわからないのだ。 シミュレーションとは違ふし、サバイバルといふわけでもない。 どちらの要素もあるが、探索がメインのやうな氣もする。

實際のゲーム畫面はこんな感じである。

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かういふ 2D 畫面で、クルーを操作しながら、ミッションをこなし、次の基地へ向かふ。それがすべて。

ちなみに舞臺は木星の衛星エウロパで、 實際どうなのかは知らないが、このゲームでは氷に被はれた世界であり、 基地もまた氷の下に作られてゐるため、太陽を拝むことはない。 潛水艦が舞臺のゲームではあるが、潛水艦を降りても、暗く陰鬱だし、基地の外へ出ることもできない。

ミッションは海の底に沈むアーティファクトの囘收、人類を脅かす巨大魚や海賊との戰鬪、 人物や貨物の輸送などいろいろある。 アーティファクトの囘收は船外活動が必要で、 そのミッションがなくとも、貴重な物資を手に入れるために船外活動を行ふことはある。

で、このゲーム、やたら難しい。

潛水艦は公式で用意されてゐるのだが、これがもう、どれもこれも評判がよくない。 そのため、多くのプレイヤーは steam ワークショップに公開されてゐる潛水艦を MOD として導入することになる。 が、コアなプレイヤーは、ゲームに付屬してゐる潛水艦エディタを用ゐ、自前で潛水艦を用意する。 このエディタ、なんと潛水艦だけでなく、自キャラや敵といったものまでエディットできてしまひ、 使ひこなせれば、ゲームのかなりの部分が弄れるやうだ。 實際、エディタを 24 時間使ふ、なんて實績もある。

ゲームとしては、とにかく壊れやすい潛水艦のメンテナンスに氣を配り、 襲ひくる敵を殲滅し、目的地に辿り着くだけなのだが、 どれも思ったやうにうまくはいかないため、毎囘ひいこら云ひながらクリアする羽目になる。

なのに、これが滅法樂しいのだ。

そもそも、ゲーム内容が複雜なため、 最初はできることがほとんどない。 チュートリアルは不親切だし、程度の低い機械飜譯は何を云ひたいのかわからないことがしょっちゅう。 日本語の情報もあまり充實してゐないし、 なんならメインメニューには「気圧障害 wiki」と書いてあるほどで (氣壓障害とは、このゲーム Barotrauma の譯語だが、 そこ譯されちゃったらわけわかんないんだよなあ)、 とにかく、何をどうしていいのかさっぱりわからない。

それが、やればやるほど知識が増えていき、できることも増える。 金で解決するしかないと思ってゐた問題も、金で解決できるものばかりでないことがわかったり、 金で解決できないものは自力で解決できることがわかったりする。

そして、さうやって知識が増えれば増えるほど、やっぱりわからないことも増えていく。 アーリーアクセスの癖に、やたら奥が深いゲームなのだ。

それを四苦八苦しながら、友だちとクリアしていくのは、とても面白い。 ソロでもできなくはないバランスのやうだが、これは友だちとやるのが絶對にいい。

今日なんて、治療のためにフェンタニルといふ鎭痛劑を使ったら、 これが阿片系の藥で、ばっちり阿片の離脱症状になり、 なんと幻覺・幻聽に襲はれた。 潛水艦の中で火災が發生したので慌てて消火活動に勤しんだのだが、 友人は「いや、火事なんて起こってないから」と涼しい顏。 なに云ってんだ!と消火器を抱へてバタバタしてゐたのだが、 實際は離脱症状の所爲でおれにだけ見えてゐた幻覺だったといふオチ。

いやあ、ビビりましたね。まさか、ゲームの中で、自分の頭だけがおかしくなった状態を經驗するとは思はなかった (阿片系の鎭痛劑を使ったら、ナロキソンで離脱症状を緩和しなくてはならないらしい──知らんがな!)。

そんな感じで、いろんなことが細かく設定してあり、落ち着きのない潛水艦生活を堪能できる。 閉所恐怖症のケがあるおれは、現實でこんなこと絶對にごめんだが、ゲームなら笑って見てゐられる。 週末には discord で毎囘ゲームを開催してくれる日本人の方もゐる。 バグはあるし AI もバカで、飜譯はひどいものだが、それを補ってあまりある面白さがある。 これだけ書いてて、面白さの 1/100 も傳はってないなと感じるので、 この駄文でもし興味を持った人がゐるなら、是非買って、やってみてほしい。 ちょっと知識がつくまで遊べば、そのあとはずぶずぶとこのゲームの虜になるはずだ。

Caterina Barbieri: Fantas Variations

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ちょうど 1 年ほど前に出たアルバムを今さら取り上げてすみません。 發賣されてそんなに經たないうちからずっと聽いてはゐたんだけど、 最近とみにこのアルバムいいな、と思ふやうになったので。

無料で聽ける音樂が溢れてゐる所爲で、 ちょっと試聽してだめならすぐ飛ばすといった判斷を下される厳しい世界を戰ひぬく音樂ばかりになってしまったが、 やっぱり何度も何度も聽いてよさが傳はってくるアルバムは長く樂しめていいですよ。 そもそも、何度も何度も同じものを聽く人が減ってるんでせうけど (ちなみに、最近やっとよさがわかるやうになったアルバムは Kanye West の My Beautiful Dark Twisted Fantasy。今さら!)。

さっきアルバムと書いたけど、これはちょっと特殊なアルバムだ。 タイトルにある variations は、大抵は「變奏曲」と譯される語だが、 これは平たく云へば、Caterina Barbieri の Fantas といふ曲のリミックス・アルバムである。 もとの曲は、2019 年に發賣された Ecstatic Computation の 1 曲目に入ってゐる。

おれは普段、リミックス・アルバムを買はない。 そもそも、リミックスといふのが好きではないのである。

なんでって、理由は單純で、 リミックスと云っておきながら、ほとんどのものは元の曲をネタにして、擔當者が音を附け加へまくってゐて、 元の曲は臺無しになるし、擔當者のオリジナルでもないから、そのリミックス擔當者のよさが十全に發揮されるわけでもない。 結果、どっちにとっても得のない、無價値な作品ばかりが量産されることになることが多い。

だといふのに、この Fantas Variations はどれもこれもすばらしい。 元の曲がそれほど主張の強い曲でないからなのか、 それともリミキサーたちの腕前が優れてゐるのか、原因はわからないが、 普段リミックス・アルバムなんて出さない mego から出てゐるのも納得のすばらしさ。 ともかくこのよさを傳へたいので、全曲解説する。 *1

1 曲目を擔當する Evelyn Saylor は、購入できる作品がこのアルバムのこの曲しかないやうな人で、 普段はダンスのための音樂や映畫音樂、インスタレーション作品のやうな、 音樂だけで完結しない作品ばかり作ってゐるやうだ。 この曲は、まるで Meredith Monk のやうな美しいコーラス・ワークを樂しめる作品で、 どうも公式サイトの works を見ても現代音樂っぽい曲が多そう。 買へる形で作品出してください。

2 曲目を擔當する Bendik Giske はサックス奏者だが、 ジャズやクラシックではなく、アンビエントに分類されるやうな曲を一人でやってゐる。 サックスのキーを叩く音を打樂器的に使ふのも特徴のひとつと云へるだらう。 この曲は、サックス奏者かつミニマル・ミュージックの大家である Terry Riley の初期作品 (Dorian Reeds とか Poppy Nogood とか)を思はせるものになってゐるが (Terry Riley、いま日本在住らしいですよね)、 それでゐてきっちり元の Fantas であるのが見事。 最初に聽いたときは、「Terry Riley やんけ!」としか思はなかったが、 聽けば聽くほど Fantas が滲みでてきて唸らされる。

3 曲目のリミキサー Kali Malone は最近のドローン界隈だと Sarah Davachi と竝ぶ期待の新星なので、 知ってゐる人も多いのではなからうか。 Fantas のオリジナルが收録された Ecstatic Computation と同じ年にリリースされた パイプオルガンによるドローンアルバム The Sacrificial Code は いろんなところで絶贊されてゐたし、 その 2 年前の Velocity of Sleep も再發されるたびに賣り切れてる印象。 おれ個人的にとっては、Sarah Davachi はポップすぎるし、 Kali Malone はサイケさが全くなくてどちらも買ふほど好きにはなれないアーティストなのだが、 このリミックスは文句なし。 やってることはいつもの Kali Malone なのにこんなにいいのは Fantas の旋律のよさゆゑか?  使用樂器がオルガンなのも、Kali Malone といふよりなんか Philip Glass っぽくなってるし。 このトラックがアルバム通して一番好き。

Meredith Monk っぽいアレンジ、Terry Riley っぽいアレンジ、Philip Glass っぽいアレンジときてエレキギターがきたら、 そりゃ Steve Reich っぽいアレンジになるよな、といふ豫想を全く裏切らない 4 曲目のリミックスを擔當するのは Walter Zanetti。 Paganini やってたりするので、どうもクラシック・ギターが本業の人らしく、 Caterina Barbieri のギターの先生でもあるとのこと。 ソロ名義のアルバムなんかは皆無で、演奏者の一人として参加したアルバムがいくつか見つかる程度。 そんな人から、なんでこんな Steve Reich っぽいアレンジが生まれたのかはわからないが、 わざわざ聲をかけたぐらゐなんだから、さういふ嗜好の人なのかもしれない。

と、なんだか古いミニマル・ミュージックの回顧展みたいな趣だった流れをぶち壊してくれるのが 5 曲目。 擔當者は Jay Mitta で、彼はこのブログでも何度か名前を出したウガンダの Nyege Nyege からアルバムを 1 枚出してるだけ。 Nyege Nyege なので、もちろんシンゲリで、このトラックのタイトルも Singeli Fantas とわかりやすい。 いきなりのシンゲリに面喰らひはするが、おれはシンゲリ大好きなので素直に嬉しいし、 がっつりシンゲリを載せられても Fantas の根幹が搖いでゐないのもすごい。曲の強度が生半可ぢゃねえぜ。 強烈なインパクトがあるので、このアルバムのことを思ひ浮かべると頭の中で流れ始めるのは大抵これ。

で、そのシンゲリが強すぎて、Fantas Hardcore といふタイトルの割に、 ハードなのはほんの少しだけで全體的に落ち着いた音量になってゐるため、 アルバム中かなり印象が薄い 6 曲目の擔當者は Baseck。 普段はもっとインダストリアル・テクノとでもいふやうな、ハードな曲をやってるくせに、 Fantas に喰はれたのか、これは信じられないほど大人しい。 いつもみたいなバキバキでビキビキな自分を前面に出してくれてよかったのになあ。

7 曲目はもうタイトルからずるくて、Fantas Resynthesized for 808 and 202 といふ。 これはどちらもローランドから出てゐるもので、正確には誰もが知る名機 TR-808 と DJ-202 のことだ。 DJ-202 は 5 年前の製品だから現役なのは當然だが、 DJ-202 にも搭載されてゐる TR-808 は 40 年も前の製品なのに、今でも世界中で愛されてゐるなんて、もはや奇跡のやうなマシンだ。 今の時代でもチープさや古臭さなんかはなく、安定した音を聽かせてくれる。 このトラックを擔當した Carlo Maria は Caterina Barbieri とのデュオ Punctum でも活動してゐる人で、 ソロ作品は主にポーランドの Brutaż からリリースされてゐる。 普段の作品は取り立てて云ふこともないテクノ/ハウス系なので、愛用の樂器を使った素直なアレンジなんでせう。 一番リミックスらしいリミックスではないか。 すごさはないが、安心できるトラック。

最後の 8 曲目を擔當するのは、アンビエント作家 Kara-Lis Coverdale。 アンビエントにもいろいろあるが、Kara-Lis Coverdale はクラシック寄りと云へばいいか。 といっても、ポスト・クラシカルみたいな感じではなく、電子音もしっかり使ふ、 まあ、特には珍しくないやつ。 でも、このアレンジはピアノがうまく元の曲にフィットしてゐる。 元の曲の音はもはや殘ってをらず、リミックスといふよりカヴァー。 終盤の、單にピアノで演奏しただけだったものから廣がりさうなところで終はってしまふのが殘念。

なほ、アルバムを買はないと聽けないが、實際のアルバムには最後に Caterina Barbieri 自身による Perennial Fantas が收められてゐる (Includes hidden bonus track exclusive to Bandcamp. と書かれてゐるが、レコードにもちょっとした仕掛けのあとに入ってゐる)。

これは、オリジナルの Fantas のテンポを落とし、 ミニマルな電子音もなくして靄の中にゐるやうな音になったアレンジ。 テンポは下がってゐるが、曲の長さ自體はオリジナルより少し短く、8 分弱ほどしかない。 オリジナルよりこっちのはうが好きかも。

と、アルバム通して聽くと、すべて同じ曲であるのに、途中で飽きたりすることもない。 それはやはり、元曲である Fantas が各作家の色でうまく後ろに隠される程度の曲であることが大きいのだらう。 卑近な喩へで云へば、 Fantas はあくまで米であって、 その上にいろんなものが乘った丼ものを次から次へと提供されているやうな、そんなアルバムなのだ。

さういった扱ひに耐える曲は、なかなかあるものではない。 そのポテンシャルを見拔いてこのアルバムを企劃したのが mego なのか Barbieri 本人なのかは知らないが、 よくぞやってくれた、と感謝を捧げたい。 世のリミックス・アルバムもこれ見習ってくださいね。

*1:恐らく、この作品についてリミックスといふ言葉が使はれてゐないのは意圖的なものだらうが、どうせ世に出囘ってゐるリミックス作品はこのアルバムのやうにがっつり再構築してゐるものばかりなので、おれは敢へてすべてリミックス扱ひさせてもらふ。

HMV

bandcamp daily のチェックがめんどくさくてサボりまくってゐるので、買ひ物の話を書きます。

今、HMV で 5 點買ふと 40% オフのマルチバイセールをやってるんですよ。 あれっていっつもやってるんだと思ってたけど違ふんですね。 HMV で買はないから知らなかった(高いんだもん)。

HMV のバナー

そんな、ほぼ利用したことのない HMV でなんで買ひ物する氣になったかってーと、 Celibidache のボックスが安かったから。これなんですけど。

これ、大抵の場合は最安値の Amazon でも、10000 圓をぎりぎり切るぐらゐの値段までしか落ちた履歴がないし、 なんなら今は在庫がない。 よそは 10000 圓オーバーなのに、HMV はまとめ買ひすることでなんと 7781 圓! 安い!!!

しかも、どう見ても國内盤なのだが、なぜか輸入盤扱ひ。 オリジナルの輸入盤に帯つけただけです、みたいな風情なのに國内プレスだし、 わけわからん。まあ、お蔭で安く買へるんだけど。

收録曲も實にいい。 特に嬉しいのは Stravinsky の Petrushka と Benedetti Michelangeli を迎へた Beethoven のピアノ協奏曲第 5 番。 14 枚組なのにどれも 73、74 年の演奏だってのも樂しみ。

Celibidache の演奏は 79 年以降、つまりミュンヘンの指揮者に就任してからはどんどんテンポが遅くなっていったが (それはそれで味はひ深くてすばらしい)、 その前の Celibidache って勢ひあって印象がかなり違ふので、 この頃の Celibidache をまとめて聽けるのはかなりありがたい。 Respighi の Pini di Roma なんか聲あげてるらしいし。

と、そんな感じで、去年、クラシックをまるで買はなかったのもあって、見れば見るほどこのボックスがほしくなってしまって、 HMV にも金を落としてやるか!と殘り 4 點を見繕ひ始めたんだけど、これがかなり大變だった。

第一の難點は、そもそも CD でほしいと思ふものがほとんどないこと。 CD ってデータ買ふのとあんまり差ないし、なんならデータで買ったはうがハイレゾだったりするし、 コレクション目的以外でなんかメリットあんの?と思って普段はレコードばかり買ってゐるので、 ほしい CD がパッと思ひつかないのである。 ボックス買ふだけで我が家の CD 枚數は 14 枚も増えるのに、マルチバイでは 1 點扱ひ。 恐ろしいシステムである。

しかも、單品の CD は、それこそ最初に書いた通り、Amazon で買ったはうが安い。 マルチバイで 40% 引きになってすら、Amazon のはうが安かったりするんだからひどい。 だから HMV 使はねーんだよ!

結局、クラシックのボックスを買ふのが一番お得感があるので、 Celibidache のほかに 2 つもボックスを買ふ羽目になってしまった。 これね。

Szell は Celibidache の次に好きな指揮者といってもいい人で、 演奏の鋭さとかブレなさで Szell を上囘る指揮者をおれは知らない。 ほんとにほしいのはもちろん↓なんだけど、なかなか安くならない(し、もともと高い)。 まあ、中身は被ってないし、いづれ買ふものなのでこの機會に、といった感じ。

Kleiber は、もう買ふしかないよ、こんなの。 息子 Carlos ではなく、お父さん Erich のはうのボックスが出るだけでもありがたいのに、 オリジナル・ジャケット仕樣!

クラシックのアルバムって、ジャケで買ふ氣の失せるものがけっこうある。 特に、Erich Kleiber みたいな昔の人のアルバムだと顕著で、 必要最低限の文字と、本人の、あるいは曲のイメージに沿った適當な繪だけの味氣ない手拔きジャケが實に多いのだ。 さういふのって、中身もリマスターとかされてゐるはずもなく、 取り敢へずリリースだけはした、みたいな編集盤ばかり。そんなのほしくねえ…。

そんなわけで、Erich Kleiber 指揮による演奏はこれまで聽いたことがなかったのだが、 これなら安心して買へる! しかもたった 5676 圓。安い!

とかってポンポン買ってたら、5 點で 20000 圓になってゐた。 セールだから買ったはずなのにめっちゃ金使はされとる…。

しかも、こんだけ樂しみにしてるのに、届くのは 6 月 3 日。二ヶ月後!  なんでって、注文した中の 1 つが 6 月發賣だから。 こんだけ買って、バラバラに配達させると送料がかかるのだ。 まとめて發送にしたところで、ローソン受け取りでなければやっぱり送料がかかる。 たった 220 圓とはいへ、無料で濟ませられるものは無料で濟ませたい。 しかし、220 圓のために樂しみを二ヶ月も延期して、 その間に死んぢゃったりしたらやだなあ…。 これだから HMV で買ふ氣しないんだよ。

まあ、注文して届いてないレコードはこれだけぢゃないんですけどね! 特に Eden Ahbez どうなってんだ。 bandcamp でリリースが非公開になっちゃったの、怪しさしかねえぞ。

しかし、おかしいな。最初は meditations で Alga Marghen から出た Ferrari とか Palestine を買ふつもりだったんだよ。 なんで違ふもの買ってんだ…。 セールが輸入盤限定だったから先月出た Celibidache のリスボンのやつ (Celibidache ファンなら誰もが知ってゐる傳説の名演)もスルーしてしまったし。 まあ、これはすぐになくなったりしないからいいけど…。

お金、いくらあっても足りませんね。

fountain pens

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記事書くのサボりまくっててすみません。 サボってる上に、bandcamp 關係ない話を書きます。

いや、bandcamp daily のチェックってすごく面倒なんですよ。 チェック自體は面倒ぢゃないんだけど、 記事にすることを考へると、いちいちどれがよかったかメモして、 よかったやつにはコメント考へて、ってなると、チェックするのが億劫になる。 本末轉倒もいいとこ。

あと、最初の畫像にも書いた通り、 レコード 4 枚で 3 萬もする La Monte Young の新譜を買ってしまった上、 再發ものとかでほしいものが山積してゐるので、 bandcamp をチェックしてほしいもの増やしてる場合ぢゃない、といふのもある。 まあ、記事にまとめてないやつをブラウザのタブに保存しまくってゐて、 タブいくつ開いてんだ、みたいな状況だから早くまとめたくはあるんだけど…。

閑話休題。

皆さん、普段遣ひの文房具はなんですか。 私は、萬年筆を使ってをります。

もともと、字を書くといふ行爲が好きなのと、 仕事柄、パソコンよりも自筆で文字を書くことが多いので、 文房具は昔からあれも違ふ、これも違ふといろいろ選び續けてきたのだが、 數年前に萬年筆に落ち着いた。

といふのも、おれはドバドバとインクの出るペンが好きで、 ボールペンといふのが昔から嫌ひだったのだ。 あのペン、インクは最低限しか出ないし、最後にインク溜まりができる。 それが、おれにとっては美しくないことこの上ない。

で、インクがドバドバ出る氣持ちいいペンを探し求めてゐたのだが、 結局、萬年筆が一番、といふ結論になった。

とはいへ、お高い萬年筆を使ってゐるわけではない。 なんせおれは電車の中でも字を書きまくってゐるので、 ちょこちょこ落とすんですよ、萬年筆を。 そんな雜な扱ひをするのに、何萬もするやうなペンは使へない。

そんなわけだから、おれは專ら、パイロットのプレラといふ安い萬年筆を愛用してゐる。 ペン先はもちろんカリグラフィ用のものにしてゐる。 樂しく字を書きたいのだったらこれしかない。

この萬年筆のいいところはいくつもある。

まづ、なんたって安い。3000 圓ぐらゐで買へてしまふ。 PILOT の萬年筆には、もっとべら棒に安いカクノといふシリーズ(1000 圓しない)、 少しお安いライティブ、プレラと同價格帯のコクーンなどがあり、 もちろんどれも惡くはないのだが、この中からプレラを選ぶ理由を以下に述べよう。

第一に、プレラはどれもこれも透明である(透明でないやつも出てるけど)。

これは、おれのやうにバリバリ字を書く人間には非常に重要で、 インクの殘量が目に見えてわかる。 萬年筆の何が困るってインク切れを起こすことで、 おれは、黒インク(正確には黒ではないが、これはあとで書く)の入った萬年筆にコクーンを採用してゐるのだが (前の職場を辭めるときに、名前の入ったものを頂戴してしまったので、ありがたく使はせて頂いてゐる)、 インク切れのタイミングがわからないので、職場でいきなりインクが出なくなったりする。

日々、同じところへ勤める仕事ならいいのだが、 おれの場合、日によって行く場所が變はるため、インク壺を職場に常備しておくわけにはいかない。 となると、出先でインクが切れるのは非常に困るわけだ。 プレラにはその心配がない(まあ、慣れてくれば書き心地でそろそろインクが切れさうだ、とわかるやうになるが)。

もちろん、上に擧げたプレラ以外の萬年筆にも透明軸のものがないわけではない。 しかし、透明軸は透明軸で 1 種類しかないのだ。 その點、プレラは透明軸だけどキャップとペンのお尻の部分の色が選べる。 おれは複數の色のペンを使ふので、透明軸でありながら、ペンの色を選べるのは嬉しい。

第二に、コンバータが優秀であった。 萬年筆を使はない人には馴染みのないものかもしれないが、 コンバータといふのはインクをためる部分のことだ。

プレラのコンバータには、廃番である CON-50 が採用されてゐた。 これが非常によい。

現在、PILOT のコンバータを買はうとすると、選擇肢は CON-40 か CON-70 しかない。 この 2 つの違ひは、要するに大きさの違ひであり、CON-70 のはうが CON-40 より大きい(ので、値段も高い)。 が、CON-40 はあまりいい製品ではない。 インクをうまいこと吸ひ上げてくれないんですよね…。 インクの入る部分に常に空氣が殘るので、インクを入れるたびにすごく殘念な氣持ちになる。 CON-70 は CON-40 と違ってプッシュ式でインクもしっかり入るが、CON-40 の倍ぐらゐの値段がする。 しかもでかくて太いので、あまり小さい萬年筆だと入らない恐れがある(まあ、どれも大丈夫だとは思ふが)。

その點、CON-50 はしっかりインクも入るし、プッシュ式ではなく吸入式だが、特に問題を感じたこともない。 なんでこれを廃番にしてしまったんだ、と PILOT に文句を云ひたくなるレヴェル。 まあ、廃番になったのに伴って、今や新しくプレラ買ふと CON-40 が入ってるんですけどね…。ああ。

第三に、上にも書いた通り、プレラはコンバータを採用してゐる。 上に擧げたお安い萬年筆、カクノ、ライティブ、コクーンは、 どれもコンバータ式ではなく、カートリッジ式である。 いちいちインク壺から吸ふのではなく、 豫めインクの入ったカートリッジをぶすっとペン軸に差し込む方式ですね。

カートリッジ式だとだめ!ってことはないんだが、 やっぱり、インク壺からインクを吸はせる行爲は、萬年筆を使ふ上で大きな樂しみのひとつだ。

それに、PILOT からは色とりどりのインクが發賣されてゐるのだ。

先ほど、おれが使ってゐるインクは正確には黒ではないと書いたのもそれで、 おれは黒の代はりに色彩雫の深海を使ってゐる。 萬年筆特有の、所謂ブルーブラックに似た色だが、 ブルーブラックよりは少し薄い。

これ以外に、青として紺碧、赤の代はりにおれの大好きなオレンジとして冬柿の 2 つも我が家に常備されてゐる。

かういふ、微妙な違ひのあるインクを選べるのは、コンバータならではだ。 カートリッジもいくつか色を選べはするが、 ブルーブラック、黒、青、赤といった、定番の色しかない。 燃えるやうな赤、涼やかな緑、爽やかな青、熟した紫といった色は選べないのだ。 普段のちょっとした文字を書くときに凝った色が使へるってのは、なかなか贅澤ですよ。

第四に、ペン先が選べる。 この價格帯の萬年筆で、カリグラフィ用のペン先があるのは、プレラだけだ。 せっかく萬年筆で書くのだから、 細字とか太字とかぢゃあ味氣なくないですか。 プレラならカリグラフィで遊べてしまふ。 インクのドバドバ感が違ふ。

第五に、プレラは他の萬年筆に比べて、少し短い。 まあ、これは好みなので、利點と感じる人もゐれば、缺點と感じる人もゐるだらう。 おれは手がでかいので、この短さはあまり利點になってゐないのだが、 書くとき以外は邪魔にならなくていい。 コクーン 3 本をスーツの胸ポケットに入れると嵩張るもんね。

以上、頼まれてもないのに勝手に書いた販促だが、 いやあ、やっぱりねえ、字を書くのって樂しいですよ。 おれはレコードを海外からよく買ふので、 海外の人の文字もちょこちょこ目にしてゐるが、 欧米人ってほんと字に無頓着。 中國人がどうなのかは知らないが、 義務教育の過程で習字なんてのがある日本人は、 字のうまい人の割合が多いやうに感じる(まあ、統計データとかあるわけぢゃないですけど)。

おれは、昔から自分の字、つまり筆蹟をいじるのが好きで、 今でも、この字はもっとうまく書けないものか、と考へることがよくある。 字の綺麗な人を見つけると、文通を申し込みたくなるほどだ(さすがに申し込んだことないけど)。 筆蹟って、いろんな個性があって、見てるだけで樂しいし。

その對象はアルファベットにも及んでゐて、 最初に貼った畫像、a と g は日本では少數派の書き方である(g はたぶん欧米圏でも少數派)。 實はこれ、大學生のときにジミヘンの筆蹟を眞似て身に着けたもの。 夏休みだったかに、暇さへあればノートに a と g ばかり書いて練習した記憶がある。 日本語の文字も、小學生だった頃とは全く違ひ、 いつだったか忘れたが、これも夏休みかなんかに練習したので、 休み明けに級友に「なんで字こんな變はってんねん」と云はれた記憶がある (大阪生まれの大阪育ちなので、級友は皆、大阪辯である)。

今でも、文字をたくさん書く仕事に就いてゐるが、文字を書くのは本當に樂しい。 そんな樂しみを堪能できる道具の一つが、萬年筆である。 どうです、皆さんも使ってみませんか。

Jimi Hendrix

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自覺してゐる惡癖のひとつに、「己の中で結論が出てゐる話を他人に疑問の形でふる」といふのがある。 素直に結論だけ話せばいいのに、話のとっかかりとして、つい「××ってどう思ふ?」みたいに訊いてしまふのだ。 でも、その疑問は形だけで、己の中で既に結論を出してゐることだから、 相手がなんと云ったところで、結局は自分の考へをひけらかしたいだけなのである。 惡癖だとわかってゐるのだが、ついやってしまふ。

ジミヘンこと Jimi Hendrix についてもさうで、 友人と「ジミヘンのすごさについて話さうぜ」と約束してゐるのだが、 これもおれの中では既に結論が出てゐる話で、 この約束がいつ果たされるのかはさっぱりわからないが (なんたって、「飯喰はう」と云って 10 年以上食べずにゐたら、友人はロンドン勤務になってしまった!)、 惡癖とわかってゐることを繰り返すのも莫迦らしいし、 先にここでおれの結論を開陳してしまはう。

まあ、結論そのものは大したことぢゃない。 Jimi Hendrix がすごいのは、彼がエレクトリック・ギターといふ樂器の演奏に、 コペルニクス的轉囘を齎したからである。

そもそも、なぜ Jimi Hendrix のすごさ、なんてのを話題にしようと思ったか。 それは、Jimi Hendrix のすごさってなんなの?と思って調べても、 日本語では碌な情報が出てこないからだ。

特に嘆かはしいのは、Jimi のすごさを、演奏技術の高さと勘違ひしてゐる例があること。 これは、要するに、自身が技術偏重主義であると云ってゐるやうなもので、 正直、めちゃくちゃ見識狭いっすね、としか云へない。

だって、冷静に考へてみてほしい。 ロックギタリストでランク付けすると不動の一位になるやうな人が、 ただギターがうまいだけ? んなことある?  Jimi が亡くなってもう 50 年以上も經ってるのに、それよりうまい人が今まで出てきてないの?  それとも、Jimi よりうまい人はいっぱいゐるのに、不動の一位なの? ありえんでせう。

中には、唄ひながらあんなギター彈けない、と云ふ人もゐて、これには笑ってしまった。 だって、Jimi が唄ひながら彈いてゐるのは、大抵の場合リフか、自分で唄ってゐるメロディそのものである。 自分が彈いてゐるフレーズをその儘唄ふ人は Jimi 以外にもゐる。 ギタリストには詳しくないが、Glenn Gould や Keith Jarrett のやうにピアニストなら珍しくない。 まさかピアノでは簡單だがギターでは難しい、なんてこともあるまい。 Miles Davis が自身のバンドを電化した際、ギタリストに「ジミヘンのやうに彈け」と要求したのは有名だが、 なんですか、Miles Davis がまさか彈きながら唄ふことを望んでたとでも云ふんですか。 電化してすぐ Keith Jarrett をキーボードに迎へたのも、 共演した人物の中で Keith Jarrett を最も高く評價してゐるのも、 彼が唄ひながら彈ける人だったからだってんですか。んな莫迦な。

とまあ、ちょっと腦味噌を働かせることがができれば、Jimi の評價が技術を理由とするのでないことはわかる。 なのになぜ、Jimi のすごさがいまいち理解されてゐないのか。

それは、先にも書いた通り、Jimi の功績がコペルニクス的轉囘だからである。

コペルニクスの偉大さは地動説を唱へたことにあるわけだが、 現代の世の中で地動説を唱へても、偉大だとは看做されない。 地動説はもはや當然のものであり、天動説を唱へるはうがアホ呼ばはりされる世の中だからだ。

Jimi がやったことは、それと同じだ。 現代のエレクトリック・ギターによる演奏は、Jimi によって確立されたと云ってよい。 ただ、エレクトリック・ギターの演奏方法における天動説がどのやうなものだったのかを知る人がほとんどゐないため、 Jimi の功績はわかりにくくなってしまってゐるのだ。

今、エレクトリック・ギターの演奏方法における天動説といふ言葉を使ったが、 實際に天動説に相當するものがあるわけではない。 Jimi がその奏法を確立するまで、 エレクトリック・ギターといふ樂器は、ただ大きな音が出せるギターでしかなかったのだ。 元祖ロックンローラー Chuck Berry の演奏をご覧いただきたい。

これは Jimi Hendrix が歿したあとの演奏だが、 Chuck Berry の演奏も、ソロを彈く Keith Richards の演奏も、だいぶかはいいものだ。 この二人の演奏に、エレクトリック・ギターでなければできないことはほとんどない。

翻って、最初に貼った Jimi の演奏を見てほしい。

わかりやすいのは 1 分 15 秒ぐらゐからの演奏で、 なんと、Jimi は弦を彈いてゐない。 全く彈いてゐないわけではないが、 大部分はトレモロアームと指板を抑える動作だけで、音を變化させてゐるのがわかる。

これは、微細な弦の振動の變化を増幅するピックアップが備へつけられたエレクトリック・ギターでなければ不可能な演奏である。

あるいは、終盤 3 分の演奏。 これはフィードバックと呼ばれる演奏技法だが、 フィードバックといふのは要するにハウリングのことだ。 スピーカーから出た音をマイクが拾ひ、その音がスピーカーに轉送されて再びマイクが拾ふ、 といふ無限ループによって生じるノイズであり、 それと同じ現象がギターのピックアップとスピーカーの間で生じてゐるだけだ。

だから、これは紛れもなくノイズであり、普通なら避けるべき音である。 しかし、Jimi はそれを積極的に自身の音樂の一部とした。 Lou Reed は音樂を「人間によってオーガナイズされた音」と定義してゐたが、 その定義に從へば、Jimi がフィードバックといふノイズを音樂にしたのである。 Lou Reed が Metal Machine Music なんて一大フィードバック繪卷を作れたのも、 Jimi がフィードバックをオーガナイズしてくれたからなのだ。

フィードバックのやうに派手なものだけではなく、 日本ではライトハンド奏法ばかりが有名なタッピング、 日本ではチョーキングと呼ばれることの多いベンディング(あるいは單にベンド)といったお馴染みのテクニックも、 一般的にしたのはやはり Jimi である。

それらの技術は、別に Jimi によって發明されたわけではない。 Jimi が使ふよりずっと前から存在してはゐたのだが、 それらすべてを貪欲に取り込み、 ちょっとした賑やかしではなくエレクトリック・ギターならではの奏法として大胆に使ひまくったのは Jimi が初めてであった。

Jimi の演奏は、謂はゞエレクトリック・ギター演奏の博覽會であった。 エレクトリック・ギターが、單に大きな音が出せるギターではなく、 アクースティック・ギターとは別の、エレクトリック・ギターといふ樂器であることを示した。 それが、Jimi Hendrix といふギタリストの、偉大な點なのだ。

だから、Jimi のすごさは、今 Jimi のアルバムだけを聽いても全くわからない。 Jimi の演奏は、今では當たり前の演奏でしかないからだ。 でも、それは今さら地動説を學ぶことに意味がないのと同じだ。 そして、だからこそ、Jimi の偉大さは今でも全く損なはれず、不動の一位なのである。

とまあ、これがおれの考へる Jimi Hendrix のすごさだ。 英語でググれば、同じやうなことを書いた記事はいくらでも見つかるので、 特に間違った主張でもあるまい。 皆さん、明日から知った風な顏して語りまくっていいですよ。

No Man's Sky #3

あまりに No Man's Sky のプレイ日記を書かないので、 あんだけ云っといてやってねーのかよ、と思はれた方もいらっしゃるかもしれないが、 正直プレイ日記を書く時間があるならゲームしてゐたい、ぐらゐにはやりまくってゐる。

ただまあ、あまりに書かずにゐると、 書きたいことが溜まって處理しきれなくなるので、 この邊りで一旦やったことを書いておかう。

とはいへ、やってゐたことはほぼ 2 つに集約される。 「嚴選」と「共同探檢」だ。

共同探檢は 2021 年の大型アップデートで開催されたイベントで、 その期間限定復刻版が今だけ遊べる、といふ話は既に書いた。 前囘書いたときは 1 が終はっただけだったが、現時點で最後の探檢 4 が遊べる状態で、 おれはもう早々に完了させてしまった。

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一番上のデータが最新の探檢 4。一番下が 2、眞ん中が 3 で、 下から 2 つ目の「ノーマル」になってしまってゐるデータが探檢 1 である。

かうして見ると、時間がかかったのは探檢 1 だけで、 あとは 5 ~ 6 時間でクリアしてしまった。 探檢 1 やったときとは知識量が全然違ふからね。 目標を見てすぐ何すればいいかわかるやうになると、すぐ終はる。 まあ、探檢 3 と 4 はわかってゐても手間なことが多く、だいぶ時間を無駄にしたが。

もう 1 つの目標であった嚴選も、やうやく一段落した。

前囘の記事を書いた際、 S クラスのマルチツールを入手するために象形文字を憶える必要がある、と書いたのだが、 これだけぢゃ何のことかわからんだらうので、ちょっと詳しく説明しておかう。

第一に、この No Man's Sky といふゲームは、 ほとんど無限といっていいほど多くの星がある。 規模としては、銀河>星系>惑星(や衞星)となってゐるが、 入手できるアイテムは基本的に星系に依存してゐる。

そして、どの星系でいいアイテムが入手できるか、といった情報は、 reddit や YouTube を漁ればそれなりに出てくる。

のだが、無限といっていいほど存在する星系の中から、 どうやって目當ての星系に到達するのか、といふ問題がある。 普通にギャラクシーマップを開いてワープを繰り返したところで、 目當ての星系に行くことは、ほぼ無理である。 なんたって、銀河は 70 萬光年とかの單位の廣さを持つが、 一度にワープできるのは、がんばってもせいぜい 1000 光年ぐらゐ (その程度のワープでも、ワープ用と割り切った装備を宇宙船に積む必要がある)。 直線距離で 700 囘ワープして、やっと直径 1 本なぞれる程度。

そんなわけで、各星系には「ポータル」と呼ばれる瞬間移動装置が用意されてゐる。 ポータルのアドレスは、16 種類の象形文字 × 12 文字で表されるので、 reddit なり YouTube なりに公開されてゐるポータルのアドレスをメモし、 そのアドレスをポータルに入力すれば目當ての星系にワープできる、といふわけ。

が、この文字、最初から使へるわけではないのだ。 16 種の象形文字をすべて憶えるには、メインミッションをほぼクリア寸前まで進めるか、 宇宙ステーションにたまにゐるトラベラーから屍體の位置を教へてもらひ、 その屍體から象形文字を學ぶしかない。

そんなわけで、メインミッションを進める必要があったんですね。 結局、かなり大變ではあったがメインミッションをクリアし、 すべての象形文字を學んでポータルは自在に使へるやうになったし、 自分が使ふためのポータルの近くに基地も作った。

さうして、最初にゲットしたのがこれだ。

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No Man's Sky に限らず、 クラフト系のゲームでは、素材を囘收するためのつるはしや斧、 敵を倒すための武器といったアイテムがある。 このゲームでは、さうした用途を一手に引き受けるアイテムがあり、 その名をマルチツールといふのだが(そのまんま!)、 これは、そのマルチツールの一番上等な S クラスのやつである (最初に持ってるのは C クラス)。

ワープできるやうになったこの時點でのおれの所持金は、 上のスクショでもわかる通り、480 萬ユニットほどである。 で、この S クラスマルチツールのお値段はなんと 750 萬。 買へねえ!!!

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仕方ないから金策しましたよ。 コバルト法と呼ばれるしょぼい方法で。 なにかってーと、酸素とイオン化コバルトさへあれば、 イオン化コバルトがばんばん増えるので、それを賣って稼ぐって方法。

まあ、樂ではあるんだけど、 時給はしょぼいし、今はもっと手間なく稼げるので、もうやらない (なんたって、今は毎日ログインするたびに 7000 萬ぐらゐ稼げてしまふ)。

ただ、100 萬單位ならこれでも充分で、 おれはこのコバルト法でマルチツール代を捻出した。

マルチツール選びに使ったのは、 10 S-Class Multitool Locations in No Man's Sky 2021とかいふ YouTube の動畫。 マルチツールは 3 つまで持てるので、 さっき貼った、見た目がゴツくてあまりかはいくないエイリアン型マルチツールは戰鬪用にし、 普段使ひのマルチツールは水玉模樣のやつにした。 どちらも 750 萬だったから、これだけで 1500 萬が飛んでいったが、 まあアップグレードする必要はもうないし、 スロット擴張の必要もなく、ナノマシンを節約できたと考へればよし。

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マルチツールが終はり、次に入手したのは貨物船だ。

このゲームの貨物船はとても便利で、 貨物船内部に基地が作れるし、 貨物船そのものをどでかい倉庫として使ふこともできる (しかも宇宙船と違ひ、どこにゐてもアイテムを轉送できる!)。 おまけに自身のフリゲート艦隊を編成し、冒険に送り出すことも (まあ、できるのは送り出して報告を待つだけですが)。 正直、貨物船なしのプレイは縛りプレイと云っていいほどきつく、 できればさっさと入手したいものではあるのだが…。

實は、貨物船自體はけっこう簡單に手に入る。 ワープのたびにランダムで無料の貨物船をもらへるイベントが發生するからだ。

でもこれ、無料なのは自分が貨物船を持ってゐない状態のときだけ。 つまり、ただで嚴選したければ助けるたびに斷り續けるしかないので、 いつになっても貨物船が所持できないといふ羽目になる。

まあ、そのイベントでもらへる船は 2 度目の發生以降はお高い大型貨物船になるので、 取り敢へずそれもらっといて、目當ての貨物船を見つけたらそれと交換って形にすれば、 こちらが拂ふ必要があるのは差額だけ、 大型でない貨物船はべらぼうに安いので實質ただ!

だから普通は大型貨物船をもらひ、目當ての貨物船と交換するのだが、 貨物船ってね、便利すぎるんですよ…。 一度手に入れたら、手放すのめんどくさくなるなと思ったので、 無料でもらへるのは全スルー。 普通の貨物船は、S クラスでもコバルト法で稼げる程度の金額で買へるので、 普通にお金貯めて目當てのやつを買ひました。 それがこちら。

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これは reddit の NMSCoordinateExchange といふ subreddit の中にある、 Freighter/Euclid の投稿内から見つけた Black & White System Freighters で紹介されてゐたものの 1 つ。 入手後に塗り替へられる色も込みで紹介されてゐるのは、 なんと入手後の色變更では最初の色に戻せないからである。

貨物船の嚴選はマルチツールの嚴選と異なり、 行けば必ず S クラスといふわけではない。 星系で固定なのは見た目だけで、 クラスは C ~ S のどれが出るかわからない。 S クラスが出る確率は確か 2% ほどなので、 何度も何度もその星系へ足を運び、 貨物船に乘ってはクラスを確認する、といふ作業が必要になる。

で、まあおれもワープ前にセーブして貨物船確認→リロードの作業を繰り返しまくった。 マルチツールよりだいぶ苦勞したが、まあ 1 日で見つかったからよかったよかった。

で、この貨物船は大型貨物船ではないので(大型貨物船はデザインが 2 種類しかないのでつまんなくて却下した)、 アイテムスロットの擴張に多量の貨物隔壁囘收作業を行はなくてはならない。

貨物隔壁は遺棄された貨物船でしか入手できず、 この遺棄された貨物船は、基本的に緊急放送受信機を使はないと見つからない。

で、この緊急放送受信機は、入手がちょっと面倒なのだ。 なんたって入手方法はたった 2 つで、 宇宙ステーションのスクラップ業者から買ふ (毎日 1 つ目 500 萬、同日だと 2 つ目以降は 1000 萬單位で値上がりし、 3000 萬で頭打ちするらしい)か、 週に一度、スペースアノマリーにゐるヘリオスから無料でもらふかしかない。

まあ、毎日 500 萬なんて、今なら全く平氣だが、 當事はめんどくさかったので、グリッチに手を染めてしまひました…。

方法は簡單。 緊急放送受信機を入手し、それを使ったら、 エクソスーツ内のパーソナル精製機に入れ、 その儘、遺棄貨物船をクリア(宇宙ステーションでの報告まで終はらせる)。 すると、その時點で本來なら消滅してゐる緊急放送受信機が、 パーソナル精製機の中に殘ってゐるので、それを取り出して再利用するだけ。 つまり、1 つの緊急放送受信機が何度でも使へてしまふ。

まあ、無限にできるとはいへ、同じ作業を繰り返すのはしんどいし、 星系によって内部に多少の違ひはあれど、進行もほぼ同じなので最後のはうは死んだ目でやってゐた。 でもこれ、貨物隔壁だけぢゃなく、貨物船の装備アップグレードでも必要な作業なんだよなあ。 それはもう、氣が向いたときでいいや…。

さて、貨物船を入手したら、次は宇宙船である。

宇宙船は 6 隻まで持てるのだが、 共同探檢 1 でもらったゴールデンベクターが S クラスでそれにすっかり慣れてしまったため、 あまり必要とはしてゐなかった。 アイテムスロットの擴張もめんどくさいし…。

でも、探檢 2 で最初にもらった宇宙船がかはいく、 これはほしいなと思ったので、それに似たやつはゲットした。 これだ。

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どうです? オレンジ色(おれの最も好きな色)でかはいくないっすか?  これは wiki に從って、YouTube で 1st wave exotic を検索した結果からゲットした。 アイテムスロット擴張だとか、 テクノロジーモジュール揃へるのだとかはのんびりやるつもり。

ついでにもう 1 つ、イカ型の宇宙船も入手しておいた。

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こいつの入手にはけっこう苦勞させられた。 イカだから白いのがいいな、と思って YouTube で紹介されてゐる白いイカ型宇宙船の出るステーション巡りをしたのだが、 どれもこれも、ほんのり青みがかってたり黄ばんでたりで、綺麗な白ではなかったのだ。

結局、 YouTube を「no man's sky squid」で検索して見つけた墜落船 (もともとは reddit で紹介されてゐたものらしい)に落ち着いた。 綺麗な白で滿足。 しかも、このために金を貯めておいたのだが、墜落船だったので無料で手に入ってしまった。

さて、ここまできたら、最後は基地だ。

5ch のスレを見たりなんかすると、 多くの人が基地に求めるのは景觀のやうだ。 まあ、やっぱり植物が赤い惑星なんかは目に痛いし、 しょっちゅう嵐が吹き荒れる環境もきつい。 地球と同じく緑と水の多い惑星を探してしまふのはわかる。

でも、さういふ惑星は、ある程度妥協すればそこそこ見つかる。 なんでもかんでも條件を滿たす、みたいな惑星だと嚴しいが、 その邊はおれはあまり氣にしないので (せっかく見つけても、アップデートで惑星環境が變はっちゃふことあるらしいし…)。

それより、せっかく基地を置くのなら、 名前が氣に入ったところにしたい!

No Man's Sky の星系や惑星の名前は自動生成なので、 ランダムでめちゃくちゃな、わけのわからない名前がついてゐる *1でも、せっかくメインの基地にするなら、例へば自分の名前なんかになってる星系がよくないですか?

一應、星系の名前は發見者が變更することもできるのだが、 殘念ながら、現在のところ No Man's Sky は日本語入力を受け付けないため、 自分の氣に入った名前の星系を日本語で見つけるには、自動生成されたものの中から根氣よく探すしかない。 しかも、星系の名前は片假名系と平假名系があり、 平假名系のはうがなんとなくかはいいし、日本的だ。 他人に變更されるのを防ぐことを考へれば、自分が第一發見者になる必要もある。

更に云ふなら、銀河は 255 個存在するが、 どうせなら初期銀河のユークリッド銀河ではなく、 2 つ目の銀河ヒルベルト次元がいい (ユークリッドやヒルベルトなんて偉大な數學者の名前があるってことは、 オイラー次元とかゲーデル銀河なんてのもあるのかと思ったが、 どうやらなささう)。 なんでって、やっぱかう、數學といふ學問が好きな人間としては、 昔のユークリッドより、現代數學の父ヒルベルトを選びたいぢゃないですか。

といふことで、ヒルベルト次元で平假名系の星系を探しまくること 1 日 (たった 1 日で見つかったのは本當に幸運だと思ふ)、 遂に見つけてしまひましたよ、おれの終の棲家となるべき星系を!!!

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わが友人の仇名を冠したこの星系しかない!!!

正直、自分の名前がついた星系を發見してしまった場合、 自慢するにも晒すわけにもいかないし困るな、と思ってゐたのだが、 友人なら構ふまい。 ありふれた苗字だし、これで特定できるものなどほとんどない。 いや、まあ、おれの苗字だってありふれてゐるので、別にいいんだけど。

いやでも、ちゃんと目當てのヒルベルト次元で見つかったのは本當に嬉しい。 これでこの星系にクソみたいな惑星しかなかったら困るなと思ってゐたが、 水が多く色も美しい住みやすさうな惑星があったので問題なかった。 きつい環境の惑星しかない星系もザラなので助かった。 もはやこれは運命ですわ。

といった次第で、やうやく基地建設に取りかかれるやうになったので、 ここにがっつり基地を建設し、 やっとこさ、このゲームを買った動機である據點に自作の音樂を流す、 といふ作業に邁進できさう。

まあ、その前に建築資材をゲットするために素材確保のための基地作ったりしてたんですけど。

おれの No Man's Sky はこれからだ!

*1:ところで、かういふ自動生成のことを片假名で「プロシージャル」と書くが、 綴りは procedural で、發音もプロシーヂュラルである。 du のあとの r はどこへ消えた?

best albums of 2021

今年はかなりたくさん聽いたので、去年は書かなかった、 「今年聽いた中でのベスト」を書くことにした。

今年たくさん買った理由は單純で、 bandcamp からデジタル音源を買ふことに抵抗がなくなったからだ。 おれはコレクター精神の強い人間なので、かつては何がなんでもフィジカルで持ってゐなければ氣が濟まなかったのだが、 あるとき、ふと思ってしまったんですよ(この話は何度も書いてる氣がするけど)。 「5 年先に聽くかどうかもわからんアルバムを持っておく必要はあるのか?」って。

ありませんよ、んなもん。

それに、レコードって場所をとるんですよ。 本もハードカバーが好きでハードカバーばかり家にはあるんだけど、 正直、讀み辛いですよね。全部デジタルなら、氣輕に寢轉んで讀めるのに。

讀まない本を積んで家が埋まっていくのも間拔けだが、 買ってしばらくしか聽かないレコードで家が埋まっていくのだって同樣に間拔けだ。 さう氣づいたので、デジタル音源にほとんど抵抗がなくなってしまった。

それに、デジタル音源って、いちいちパソコンに取り込まなくていいんですよ。 買ったらすぐダウンロードして聽ける。手輕すぎる!!!  しかも安い。

でも、ここに舉げたものの多くはフィジカルで買ってゐる。 それだけのよさがあったってことですね。

JPEGMafia: LP!

さて、今年はヒップホップ漬けだった、といってもいいぐらゐヒップホップを多量に聽いたんだけど、 これは單に、ヒップホップの中にもおれの好きになれるやつがあるぢゃん、ってことを發見したから。

メジャーなヒップホップって、曲の構造は單純だし(下手したら 4 小節がずっとループされる)、 音樂としてもつまんないのばっかりだし、よさが全然わかんなかったんですよね。

でも、ここ十年ぐらゐのヒップホップといふジャンルの成熟はすごいもので(なんたって今やロックより賣れてゐる)、 さうなると、いろんなものが出てくるわけ。

JPEGMafia はさうしたアンダーグラウンドなヒップホップの人としては大成功した例だと思ふ。 特に、今囘のアルバムはあまりにすばらしすぎて、今年だけでも何度聽いたかわからない。 そして、それだけ聽きまくってるのに全く飽きない。 わざわざ記事にしたぐらゐだし。

一番好きなのは ARE U HAPPY? って曲。

この曲の何がいいって、ベースが完全にダブなんですよ。 で、何を隱さう、おれはダブが苦手なんです。

ダブが苦手といふか、レゲもスカもロックステディも、とにかくジャマイカ音樂全般が理解できなくて、 今年 Lee Perry が亡くなってしまったけど、それで何かを感じることもないぐらゐ、 おれにとってダブってのはどうでもいいジャンルなんです。 Lee Perry だって、理解したいと思っていろいろ聽いたけど、どれもよさが理解できなかったんですよね。

今年、Phew が Dommune に出てたときに、 ele-king の編輯長である野田さんが、 ゲストのコニー・プランクトンにダブがどういふ音樂か説明するときに、 「スタジオを樂器として使ふ音樂」って云ってたんだけど、 もしホントにさうなら、おれはダブが苦手だったりはしない。 だってそれって、Frank Zappa だったり Tortoise だったり Jim O'Rourke だったりぢゃん。

違ふんですよ。ダブは確かにスタジオで音を加工しまくる音樂ではあるんだけど、 根っこはジャマイカ音樂なんですよね。 だから、ジャマイカ音樂がわからないおれは、ダブのよさもさっぱりわからない。 だって、どれだけ加工されてもジャマイカ音樂なんだもん。

でも、ジャマイカ要素が強くないダブならおれでも理解できるらしく、 JPEGMafia のこの曲は、まさにさうした、ベースにしかジャマイカ要素のないダブ、なんですよ。 それがいい。 昔、ストーナーの伝説的バンド Sleep のベーシストである Al Cisneros がダブのシングルを出したことがあるんだけど、 あれもよかった。ほぼストーナーだけどダブ、みたいな鹽梅だったから。 Sleep も OM も一枚も持ってないけど、その 2 枚のシングルだけは大事にしてます (同じレーベルから出た 3 枚目は全然ダブぢゃなかったから買ってないけど)。

Common: A Beautiful Revolution (pt 2)

メジャーのヒップホップでよかったのはぶっちぎりでこれ。 Seun Kuti と一緒にやるなんて反則でせうが!

Fela Kuti は息子どころかもう孫までもが活動してゐてびっくりしたのだが、 Fela の遺傳子をリアルに継いでる人たちの音樂は、 新しい方向へ行かうとしてゐるのはわかるんだけど、いまいち成功してゐない。

例へば、今年 Fela Kuti の息子および孫である Femi Kuti と Made Kuti が各々のアルバムをセットにして發表したが、 そこまですごいものでもなかった。

その點、ヒップホップとアフロビートを混ぜ合はせたこれは、 容易に新たなアフロビートの可能性を感じさせてくれた。 Common はアフロビートの要素を極限まで削ぎ落とし、 極めてシンプルな形で自身の音樂に挿入することに成功してゐる。

いいぢゃないですか。 さう、別にアフロビートを前面に押し出す必要はないんですよ。 アフロビート要素はちらっとあるだけでもかっこいいんだから、 それだけで押し切らうとせず、かうやってスパイス的に使ふだけで曲の魅力が一氣に高まる。

かつて Brian Eno は「70 年代に生まれた 3 つのビートはアフロビートとハンマービートとファンク」と云ったらしいが (NEU! のアルバムが初 CD 化されたときにさう書いてあった)、 ファンクはともかく、ハンマービートなんてジャンルとして成立せず、それでも方々で使はれてゐるのだから、 アフロビートだってその道でもいいぢゃん (まあ、Fela Kuti みたいなのも聽きたいけどさ)。

でも、さういふのって、なかなかできることではない。 Common みたいな大物だからできたことだらうし、 これが今後の契機になってくれればいいな、と思ふ。

ちなみに、Common ってこんなにかっこいいのか!と思って慌ててこれまでのアルバムも聽いたんだけど、 これ以外のは別にどうでもよかったです。 買ふものが増えなくてよかった…。

McKinley Dixon: For My Mama and Anyone Who Look Like Her

ヒップホップといへば、これもよかった。 1 曲目のリズムがへんてこで、それに惚れ込んで買った (このアルバムに收められた曲自體はかなり前に作ったものもあるやうで、 2018 年の作品 McKinley Dixon on Audiotree Live にいくらか入ってゐるし、YouTube に全篇動畫もある)。 ほかの曲は別にリズムが凝ってゐたりはしないのだけど、 4 小節だけバックトラック作ってループしとくからあとはおれの話を聽けよな!みたいなヒップホップが溢れる中、 ベースぶりぶりのバンドサウンドがバックにあるやつは光りますよね。 メロウなソウルっぽい曲が多いのもポイント。

Korea Town Acid: Metamophosis

これは bandcamp daily で知ったアルバムで、 上に擧げた 3 作品ほど特徴あるヒップホップといふわけではないのだが、 この一年、けっこう繰り返し聽いた。

分類としてはチルアウト系ヒップホップなのだらうが、 そこまであからさまにチルアウトではないこと、 インスト部分が多く(インストの曲もある)、ラップにあまり重きが置かれてゐないことあたりが、 なんとなく垂れ流すのにちょうどよかったのだと思ふ。 韓國のアーティストってほとんど買はないので、紹介しておきたかったってのもある。

(Liv).e: CWTTY+

昨年の本格的なソロデビュー作 Couldn't Wait to Tell You... を記念して發賣されたおまけ EP だが、こっちのはうが全然いい。 この輕やかなソウル! いやー、たまらん。

もちろん、ただのソウルではなく、音響的な仕掛けとか、 執拗なループとか、ぶつ切り感とか、無理矢理なメドレーとか、 現代的なところもたくさんあるが、さういふのは曲がつまんなかったらゴミでしかない。 (Liv).e(これでリヴと讀む)の曲はさうならず、自身の曲をしっかり活かす要素になってゐるのもすばらしい。

Sylvie Courvoisier & Mary Halvorson: Searching for the Disappeared Hour

ジャズでよかったのは、まづこれ。

Mary Halvorson は近年注目のジャズ・ギタリスト。 大學時代に Anthony Braxton の教へを受けてゐるので (Braxton 目當てで行ったのではなく、行った大學でたまたま Braxton が教鞭を執ってをり、 その出會ひで專攻を變へたのだとか)、 自身のバンド Code Girl でやるポップなジャズから、フリーまでお手の物である。

これはゴリゴリのフリー作品で、ピアニストである Sylvie Courvoisier との共演。 Sylvie Courvoisier もニューヨーク在住で、John Zorn の作品に參加したりもしてゐる人。

さてこのアルバム、内容は先にも述べた通り完全にフリー・ジャズなのだが、 ピアノとギターってことは、つまりリズム隊がほぼゐない状態なんですよ。 で、リズム隊のゐないフリー・ジャズって、ジャズっぽさがかなり薄くなって、 即興演奏が好きぢゃなければ聽くのが辛い作品になりがちなんですね。

でも、このアルバムはさうなってゐない。 ポップさを感じさせつつ、フリー・ジャズ好きをも滿足させる高度なアドリブに滿ちてゐて、實にモダン。 ゴリゴリのフリー・ジャズは、どうしても鹿爪らしい印象を免れない作品ばかりなのに、 これはポップさと鹿爪らしさが同居する、非常に巧みなアルバムに仕上がってゐる。 すごい。

Anna Webber: Idiom

こちらも最先端のジャズを味ははせてくれる名盤。 作曲と即興といふ對立軸は、フリー・ジャズおよびフリー・インプロヴィゼーションの世界でいつも意識され續けてゐるが、 これはそこへ果敢に切り込んだ作品。

ジャズは基本的に即興を主とする音樂なので、 作曲といへばテーマあるいはコードなりモードなりでの進行の部分だけで、 作曲と即興の兩方を意識した作品も、 多くは「即興の手法を嚴密に定義」した上での即興(手法の定義の部分が作曲要素)といったものが多い。

この作品はそれらとは異なり、 聽けばわかるが、大部分が作曲されてゐる。 即興演奏に聞こえる部分も、ドラムの入り方なんかを聽けば作曲されたものであることは明らかで、 その在り樣はジャズといふより現代音樂やプログレに近い。

ただ、それでゐてしっかりジャズらしさを殘してゐるのが本作の面白いところで、 これを聽いてゐると、ジャズだらうと全篇作曲された作品があったっていいのでは?といふ氣分になってくる。 お見事。

Rosali: No Medium

この Rosali Middleman といふミュージシャンを知ったのは今年の bandcamp daily で、 ロックのアルバムはよっぽど好みか斬新でなければスルーしてしまふのだが、 これはとにかくギターのサイケさにやられた。

曲の氛圍氣や歌はサイケではない。 ギターだって、あからさまにぐにょぐにょしたりぼんやりしたりしてゐるわけではなく、 寧ろ輪郭のくっきりした、主張の強いギターである。

でも、この音はサイケとしか云ひ樣がない。 サイケなギターと一口に云っても表現は樣々で、 かういふギターをサイケ扱ひするのは、サイケばかり聽いてる人間だけのやうな氣もするが、 サイケ好きとしては、これだってサイケなんだ!と聲を大にして云ひたい。 Matt Valentine だって、The Golden Road 名義のときとか、かういふギター彈くぢゃん。

Rosali: Chokeweed

No Medium はサイケ好き以外には「かういふのもサイケなんだ」と云はなければわからないやうな、 歌ものロック・アルバムとして普通に成立してゐたが、カセットでリリースされたこっちは説明するまでもなくどサイケ。 歌も入ってゐない、ギターのインスト作品集である。

正直、これには驚いた。 No Medium のサウンドがあまりによかったので、 もちろんこれまでにリリースされたものも聽いたんだけど、 フォーク・ロックの、シンガーソングライターなんだなって印象でしかなかったし、 No Medium ほどのサイケさはなかったから、 No Medium が特別サイケさ溢れるアルバムなんだと思ってたんです。

そこへこれ。 隅から隅までサイケ。誰に聽かせてもサイケと云はれるぐらゐ明確なサイケ。 最高ぢゃねえか。 No Medium のサイケさは、 フォーク・ロックな樂曲に合ふサウンドを選んだ結果だったのか。

いやあすごいね憎いね。 この調子で、もっともっといろんなサイケを出してもらひたい。

IZ Band: Drop by Old Heaven Books

サイケデリック・ロックといへば、これもすばらしかった。 こちらは 3 人とは思へないほど高い密度の音とグシャグシャのノイズたっぷりなので、 さっきの Rosali と同じサイケ枠で紹介していいのかって感じではあるが、 これもまたサイケである。

リーダーの马木尔(Mamer) はカザフ出身のギタリストで、 IZ Band 以外にもソロ作品を Old Heaven Books からたくさん出してゐる。

ただ、おれが心惹かれたのはこのアルバムだけで、 これ以外のアルバムって、このアルバムみたいな鬼気迫る氣魄、みたいなのがないんですわ。 特に全篇インプロの disc 2!

サイケものを買はない年はないぐらゐのサイケ好きを自認してはゐるが、 結局、買ふのはいつものよく知ってる人たちばかりで刺戟は少なくなってしまってゐたから、 かういふ、どサイケ・ジャム・セッションみたいなのをやってるバンドが久々に發掘できて嬉しかった。 これ以外のアルバムもこんななら云ふことなしだったんだけど、なかなかそこまでうまくはいかないらしい。

まあ、ほかにゐないわけでもなからうが、 ロックを積極的に聽くつもりがもうあんまりないんですよね。 目新しさが全然ないんだもん。

しかし、こんなアルバム誰も知らんだろ、ぐらゐのつもりで書いたが、 The Wire の年間ベストに舉げられてるやんけ!  ちなみにこのリスト、 George Lewis の Minds in Flux の初演なんてのもしれっとリストに入れられてゐて (リリースがあったわけではなく、BBC の Proms で演奏されただけ)、さすが侮れない。 大體は知ってて聽いたアルバムばっかりだったからほっとしましたけど。

Oren Ambarchi: Live Hubris

このアルバムは、ちょっと反則といふか、 おれが實際に好きなのは、2016 年に發表されたスタジオ版の Hubris のはうなんですね。

もちろん、ライヴならではの迫力はあったりして、ライヴ版のこっちもいいんだけど、 面子が違ふんだよ!!! ライヴのはうは、おれの大好きな Keith Fullerton Whitman がゐない!!!!!

まあ、それは 3 曲目の話であって、1 曲目と 2 曲目はこっちのライヴ版のはうが好き。 ライヴ録音とは思へないぐらゐ音がいいし、演奏もかっちりしてゐて、 スタジオ版よりゴージャスな感じがするんですよね。 ハイライトである 3 曲目は逆なんだけど…。

それにしても、このアルバムが好きすぎて、 ライヴの樣子が 2 年前に YouTube にアップされたのも知ってて何度も聽いてゐたから、 まさかそれがアルバムとして出るとは思ってなかった。

Oren はよく來日してくれるので、ライヴを見るのは難しくないが、 さすがにこの人數を日本で集めてやるのは無理だよね。 やってほしいなあ。やってくれんかなあ。

Jim O'Rourke: MMXX-07 In All Due Deference

Jim O'Rourke は多作な人なので、 昔はせっせと集めてゐたが、近年は買ってゐないアルバムもそこそこある (bandcamp でリリースされ續けてゐる steamroom シリーズは全部スルーしてゐて、 その所爲でかつて自分が缺かさず集めるやうにしてゐた LP がデジタルで簡單に手に入るやうになってゐたのも知らなかった)。

それでも、一應はリリースを氣にしてはゐて、 誰とどんな作品を出したのか、聽いて、心のウィッシュリストに入れ、 大體は優先度がどんどん下がっていって放置してしまふ。

そんなだらしないファンであるおれでも、 一聽して買ふと決めたのがこれ。 片面のみ約 20 分の 1 曲だけで、 中身も電子音によるドローンだから、 O'Rourke のファンにとっては別に珍しいものでもなんでもない。

でも、かういふ作品って、もはや音が好みかどうかだからいいの。 Ellen Fullman の long string instrument のやうな金屬製の弦樂器を思はせる細くギラついた電子音がおれの好みにピンズドなんですわ。

Phew: New Decade

モジュラーシンセによる作品をけっこうな頻度でリリースするやうになった Phew だが、 やっぱり歌なしモジュラーのみのアルバムより、歌の入ったアルバムのはうがいい。 だって、モジュラーだけの曲は別に Phew ぢゃなくても聽けるからね。 正直、Keith Fullerton Whitman 追ひかけてればほぼ滿足なんですよね。

でも、歌が入ってるなら別の話。 それはもう、モジュラーによる作品ではなく、Phew の作品だから。 このアルバムが出たときにも書いたが、 モジュラーで描かれる世界と Phew の聲の溶け合ひっぷりが凄まじい。 Phew もモジュラーの流行りに呑まれてしまったか、なんて思って敬遠してるともったいないですよ。

Luminous 'Diamond Ben' Kudler: 0n The Existence of No Break Space

電子音樂では、これもよかった。 superpang がリリース 100 作品を記念して name your price でいろんなアーティストのライヴ・トラックをリリースしてくれてゐる中の 1 つ。

派手に暴れ囘るモジュラーがなんといっても最高。 やっぱりシンセものは莫迦っぽくあってほしい。 ほかのやつはこれほど激しくないのでスルーしてゐるのだが、 これは頭の惡さが氣に入って買ってしまった。 莫迦っぽい音といへば EVOL にとどめを刺すが、 どれもアシッドに仕上げてくる EVOL と違ひ、 こっちはアシッド要素なし! リズムもなし! 潔い。

David Tudor: Monobirds

よくぞ出してくれたと喝采を贈りたい。 David Tudor ですよ? 今さら、發掘されるものがあるなんて誰が豫想したらうか。 コンピなんかでもなく、Tudor 單體で、しかも電子音樂作品がリリースされるなんて、 2013 年の The Art of David Tudor 以來。

なに? Xenakis の生誕 100 年を祝ってボックスが出た? そんなことより Tudor だ (だって Xenakis のあれ、知ってる曲しか入ってないし…)。

電子音樂はおれの好きな音樂ジャンルトップ 3 に入る、かもしれないぐらゐ大好きなジャンルなのだが、 このブログで電子音樂のことはほとんど書いてゐない。 理由は單純で、電子音樂の魅力って、まるで文章にできないんですよ。 いや、ほかの音樂ならできてんのかって云はれるとできてませんけども。

いやでも、電子音樂の言葉にできなさ加減は群を拔いてゐて、 それといふのも、おれの好きな電子音樂ってのが、 近年のものではなく、もっと狭い定義の、要するにかつて現代音樂のサブジャンルだった電子音樂だから。 Xenakis にしてもさうだけど、知らなきゃ極惡電子ノイズの垂れ流しみたいなのばっかりなんだもん (もちろん、美しい作品だってたくさんある)。

Tudor は電子音樂の中でもライヴ・エレクトロニクスを主にやってゐた人だが、 ライヴ・エレクトロニクスなんて言葉はもう完全に廃れてしまった。 今や、リアルタイムで電子音を用ゐた音樂を生成するなんて、普通のことだからだ。

ただ、現代の、コンピュータなりシンセなりを使ったライヴと、 ライヴ・エレクトロニクスとの決定的な違ひは、 ライヴ・エレクトロニクスの人たちが、當然のこととはいへ、 電子樂器を自作してゐた、といふことである。

それ故、作曲家自身の個性も音に出やすく、 Tudor もその例に漏れない (Florian Hecker による Acid in the Style of David Tudor なんてアルバムもあるぐらゐ)。

Tudor の音でおれが好きなのは、丸みを帯びた太く暴力的な音なのだが、 このアルバムにはそれがたっぷり入ってゐる。 最近の電子音樂って、どれも整頓されたお行儀のいい音ばかりだが、 Tudor の音にそんな行儀のよさは皆無。 未加工の生の電子音、と云ったら全く矛盾してゐるし間違ひだらけの表現だが、 わかってゐてもさう云ひたくなるぐらゐに生々しい。

ライヴ・エレクトロニクスのいいところは、 それが誰かの用意した音ではない、といふところ。 Tudor の機械からは Tudor の音しか出ないし、 その音をほかの誰かが出すこともない。

近年、電子音樂は巷に溢れてをり、 Phew がインタヴューで「結局、いい音って金なんですよ」と云ってゐるほど (確かにどこかで見たはずなのに、ググっても全くわからない。サンレコの記事だったと思ったけどなあ)、 電子音は誰にでも手が届くものになってゐる(金さへあればいいわけだから)。

が、Tudor の時代は金をかけても解決できなかった問題である。 それを、自らの手で解決しようとした結果がライヴ・エレクトロニクスで、 だから、あの頃の電子音樂は、今よりもっと個性的な音に滿ちてゐた。

まあ、だからといって昔のはうがいいものが多かった、と單純なことにはならず、 現代にだってすばらしい電子音樂はたくさんある。 でも、電子音樂って音の好みにかなり左右される音樂ですからね。 Tudor の音が聽けるとなりゃあ、それが最高なのは當然なんですよ、おれにとっては。

Coil: Love's Secret Domain

再發で嬉しかったのはもう一つ、Coil の Love's Secret Domain 30 周年記念盤。 なのだが、これリリース状況がややこしくて、 もともとリリースしてゐた Wax Trax! が再發した盤と ロシヤの Infinite Fog が再發した盤 の 2 つがある。

大きな差としては、Infinite Fog 盤に多量の未發表曲およびデモが追加されてゐること。 Wax Trax! 盤は收録時間の都合上、オリジナルのアナログには收録されず、 CD にのみ收録されてゐたトラックがアナログにも收録されるやうになっただけで、追加トラックはない (CD にのみの收録曲すら入ってゐない、つまりオリジナル・アナログと同じ曲數のものもある)。

細かい差としては、この 2 つの盤のマスタリングが異なること。 Infinite Fog 盤は Martin Bowes が、Wax Trax! 盤は Josh Bonati によるリマスタリングが施されてゐる。

おれは Wax Trax! 盤のリリースに氣づかなかったため、うっかり Infinite Fog 盤を買ってしまったが、 ボーナス・トラックや沒テイクを嫌ってゐるので、知ってゐれば Wax Trax! 盤のみ買って濟ませたと思ふ。 Wax Trax! 盤は未だに買ふかどうか迷ってゐるが、まあそのうち諦めて買ふだらう。 Wax Trax! のはうがマスタリングの評判もいいし… (bandcamp のものも、24bit/96kHz のハイレゾ音源であるが、bandcamp ではレコードを賣ってくれない!)。

中身自體は、もう何度となく聽いたものなので、 今さら新しい感想もないのだが、 やっぱりインダストリアルな Coil のアルバムをもっと再發してほしい、といふ思ひは強まった。 去年末にリイシューされた Musick to Play in the Dark や 來年再發豫定(もう豫約した)の Musick to Play in the Dark2 みたいなアンビエントものもいいが、 もっと初期の Scatology とか Horse Rotorvator とか Gold is the Metal とかも聽きたいんですよ!!

Greta Lindholm: Rhythm Voice

ヴォイスものでよかったやつ。 ヴォイスものにもいろいろあるが、これは Meredith Monk 系列なので、 ヴォイスものなんてものが存在することすら知らない人でも樂しめると思ふ。

Meredith Monk との違ひは、聲以外の樂器がほぼ入ってゐないこと。 Meredith Monk はピアノをはじめとした樂器の入った曲が多いので、 ヴォイスものであるとともにミニマルピアノものだったりもするが、 こちらはほぼ聲一色。 おれは樂器があってもなくても樂しめるので、これは實によかった。

Charmaine Lee: KNVF

ヴォイスものといへばこちらも。

こっちは Meredith Monk ではなく、 Area の Demetrio Stratos なんかの實驗的な系統で、 聲といふより口や喉を樂器として使ふ音樂、といった感じ。

口や喉を使った音だけでなく、電子音も用ゐられてゐるので、 かつて吉田アミがやってゐたやうな音樂に近い印象を受ける (まあ、吉田アミのやってゐたことは全く別ではあるけれども)。

電子音はかなりノイズ寄りの音選びだが、 ハーシュといふほどではなく、ちょうどいい鹽梅でかっこいい。 最後のはうの曲なんかでは聲自體も加工して電子音と綯交ぜになっていく。 見事な音遣ひですわ。

さて、 出れば大體 1/2 ぐらゐの率で買ってゐる International Anthem のアルバムを 1 枚も舉げずに終はりにするのもなんだが、 まあ今年は別に新しいものがあったってわけでもないのでここらで終はりにしたい。 いつもの面々がいつもの通りよかっただけだ。

これは別に International Anthem に限ったことではない。 ただ、おれは基本的に新しいものを聽きたくて音樂を聽き續けてゐるので、 さういふのをここで擧げる氣にはなれなかった、といふだけで、 いいアルバムはほかにもたくさんあった。 さういふのはまあ、また折に触れて紹介していきます。

では皆樣、よいお年をお迎へください。

bandcamp daily: December, 2021

せっかくリアルタイムでチェックできるやうに追ひついたのに、 最初の 2 日がつまんないのばかりですぐチェックをやめてしまった 12 月だが、 まづは 12 月 3 日の best electronic から。

まあ、どれもつまんなかったんですけどね。 Luke Vibert の名前を見て、おお懷かしいなあと思ったら、 相變はらず元氣にアシッドやってて安心したぐらゐ。

12 月 6 日の album of the dayBen LaMar Gay の Open Arms to Open Us

これは International Anthem からメール來てすぐに試聽して、 1 曲目の懷かしいシカゴ音響派っぽさに惹かれてすぐレコード買っちゃったんだけど、 發賣日を過ぎても bandcamp daily で全く紹介されないから寂しく思ってゐたのだ。 いやー、album of the day で取り上げてもらへるなんて、よかったね。

12 月 9 日の resonance は Image and the Style That You're Used to と題された、Digital Underground の記事。

もうそもそも Digital Underground って名前がダサいし、ジャケもダサいし、音樂も古臭い。 と思ったらこれ、1990 年のアルバムと 1993 年のアルバムなのね。そりゃ古いわ。 なのに、やたら心惹かれるものがある。 なんでだ?と思ってたが、あれぢゃん、Parliament からやたらサンプリングされてるからぢゃん!  道理で、P ファンクの空氣が漂ってると思ったよ。

調べてみたら、この Digital Underground はヒップホップが好きなら誰でも知ってるやうな有名グループのやうだ。 なんたって一時期 2pac が在籍してたこともあるし、 そもそもデビュー・アルバムからのセカンド・シングル The Humpty Dance は超有名曲らしい。 知らなくてすみません。ヒップホップ初心者なので…。

なんで急にこんな古いグループの特集をしたのかと思ったら、 今年、メイン MC だった Shock G が亡くなったからっぽい。 さすがに今さら買はうとは思はないが、 昔なら「これも教養だ」と買ってただらうな。

12 月 13 日からはどこでも年末恆例である、今年よかったものリストが公開され始めた。 「去年から順位つけるのやめたよ! 理由は去年書いたよ!」とのことで、 長々と順位付けをやめた理由が書いてあるんだけど、要約すれば「數値化して音樂を比較するのって不毛だからやめます」って話。 その程度のこと、そんな長々と書かんでも…。 順位や點數をつけることで評價に相對性を持ち込むのは、それはそれでメリットあると思ふけど、 まあ bandcamp は批評サイトぢゃないからね。

結局、年末までに公開されたリストは以下。 どれも今年 daily bandcamp で紹介された作品から選ばれてるっぽいので、個別の感想は省略。 各自、氣になるリストはチェックされたし。

12 月 13 日の album of the day は、 Bola Seti の Samba in Seattle: Live in the Penthouse 1966-1968 の紹介。 ギターでのサンバを聽きたければ、取り敢へずこれ買っときゃいいよってぐらゐのすばらしいアルバムで、 タイトル通り 1966 年から 1968 年にシアトルの Penthouse って會場で行はれたライヴの發掘音源なんだけど、 録音状態も音質もバッチリで、Bola Seti の流麗かつ清涼なギターをたっぷり堪能できてしまふ。 ジャケもいいし、デジタルで買っても豪華ブックレットは pdf でついてくる。至れり盡せりですよ。

12 月 16 日の album of the day で取り上げられてゐる Ehiorobo の Joltjacket は 音樂そのものより賣り方に笑ってしまった。 USB、トラックスーツジャケット、T シャツ、トラックスーツパンツ、タンクトップ、バンダナの豪華バンドル、 トラックスーツジャケットとトラックスーツパンツに USB と T シャツつきのスポーツセット、 USB と T シャツだけの基本セット。もちろんアパレルは單品でも買へる!

どんだけアパレル賣りたいんだよ。

音樂は昔ドリルンベースとか呼ばれてた頃の Aphex Twin みたいな曲があるかと思ったら しっとりしたソウルナンバーがあったり、オルタナロックみたいな曲があったりと、 節操なくいろんなのが入ってて、けっこう好み。 それだけに賣り方に困惑する。 USB だけでも $30 は高いなあ。

12 月 17 日の album of the dayMichael Hurley の新譜 The Time of the Foxgloves の紹介。 Michael Hurley といへばフォーク界では名を知られた人で、 近年は Mississippi RecordsFeeding Tube Records(どっちも好きなレーベル)から 自宅録音されたものをちょこちょこリリースしてゐたが、 今囘のこれは完全新録で、新録のスタジオ・アルバムとしては 12 年ぶりらしい。

今月始めの最後となる bandcamp friday で Mississippi Records の作品は新譜も含めて全部が name your price になってゐたので、 いいやつは全部 $1 突っ込むぞと思って片っ端から聽いたのだが、 やっぱり、今さら古いブルーズとかフォークとかを聽くのってつまんないんですよ。 よっぽどのものでないと、昔たくさん聽いたからいいか、ってなってしまふ。

その點、新録のこれはいいですね。 音樂的に昔のやつと大きな差があるわけぢゃないんだけど、 音作りとか音質が全然違ふ。 そして、それだけで聽きやすさは壓倒的な差になる。 古臭さはかなりの程度拂拭されて、素直に曲に耳を傾けることができるやうになる。

昔のブルーズやカントリーの人たちはもうほぼ亡くなってるから、 新録なんてのはもちろん絶望的だけど、そんな中、かういふアルバムがリリースされるのはとても喜ばしいことだ。

以降の bandcamp daily は全部今年のベストになってしまった。 基本的にこれまでに紹介されたアルバムばかりなので、書くことは特になし!  今の時點(12/27)で 24 日分までしか更新されてゐないが、 恐らくスタッフは休暇に入ってゐて、これ以上の更新はないか、あっても新たなベストだらう。 といふわけで、今月は少なめだけど、もうアップしてしまひます (リストに追加があったら更新します)。

今年は新譜をけっこう買ったので、今年のベストみたいなのもアップするつもり。 年末にな!

No Man's Sky #2

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自分はどうやら地面が掘れるゲームに弱いらしい。

クラフトを賣りにしてゐるゲームで地面が掘れるのは、 もちろんクラフトのための材料を入手するため。 つまり、採掘は手段であって目的ではない。當たり前だ。

ただ、なんだかわからないが、 おれはこの掘削作業がやたら好きで、 目的があってもなくてもつい掘削してしまふし、 なんなら蜿蜒と掘削作業を續けてしまったりもする。 以前、7 Days to Die をソロでやってゐたときも、 ひたすら掘削だけしてゐたことがあるぐらゐだ。

No Man's Sky もまた、地面を掘れるゲームである。 つまり、おれがこのゲームにハマるのは、必然だったと云ってよからう。

さて、そんな No Man's Sky だが、 今はちょうど、2021 年の大型アップデートであった「共同探檢」といふ要素が期間限定で復活してゐて、 全部で 4 つの探檢が、2 週間ごとに遊べるやうになってゐる。

この共同探檢は、新規データを作らないと遊べない仕樣になってゐて、 その新しいデータで、與へられたミッションをこなすことになる。 だから、そこで得たものは、他のデータに持ち越せない。 とはいへ、探檢を完了させることで得られる報酬だけは、どのデータでも受け取ることができるので、 まあ、目當てはそれだ。

いやー、しかしこれ、買って 1 週間でやるもんぢゃないですよ。 めちゃくちゃ大變だった。 といふか、今は探檢 2 が遊べる期間なのだが、 こっちはすごく簡單で、なんとたった 1 日で完了できた。 探檢 1 と 2 の順番、逆にすべきだろ…。

探檢 1 の大變さは、始めたばかりだと知らないことを要求されまくること。 例へば、探檢 1 のフェーズ 1 には「主力艦を入手」しろ、といふミッションがある。 で、ここでいふ主力艦とは實は貨物船のことで、 貨物船は、ワープを拔けた際に遭遇する貨物船救助ミッションをこなすことで無料でゲットできる。

のはいいんだけど、これ、無料でゲットできるのは初囘だけなんですね。 イベント自體は何度でも發生するんだけど、 2 囘目以降は、今持ってゐる貨物船と交換、といふ形になり、 差額が發生する場合、その差額を拂ふ必要がある。

で、最初に出會す貨物船は小型のものと決まってゐるので、 これをゲットしてしまふと、次に大型貨物船が出てきても、 べらぼうな差額を拂はない限り、その貨物船を入手することは叶はなくなる。

だから、普通は最初の貨物船は助けるだけ助けて、もらはないんですって!  さうして、貨物船未所持の状況をキープし、目當ての貨物船が出てきたときに無料でもらふ (貨物船を持ってゐなければ初囘扱ひされるので)。 そんなの知らないよ!!!!

一應、wiki に目を通してはゐたので、このことは知ってゐたのだが、 wiki には「初囘のは斷って 2 囘目以降のイベントも使って厳選しよう」って書いてあるだけなんですね。 この「斷る」方法がわかんなかったのだ。 貨物船救助を斷れるものだとばかり思ってゐたのだが、 救助を斷ることはできず、救助したあとで、貨物船をくれるって云はれたところでそれは斷れ、ってことなんですよ。 知らんがな、そんなん。

そんなわけで、おれは「しゃあねえ、これもらっとくか」と最初のしょぼい C クラス貨物船を頂戴してしまひ、 のちのち「A クラスの宇宙船を入手」といふミッションで困ることになった (まあ、そっちはお高い貨物船ではなく、普通の宇宙船でいいとわかったので、 實はそれほど難しいミッションではなかったのだが)。

そんな具合に、ある程度やってなければわからないことがいろいろあったので(農業のやりかたとか)、 まあ大變に苦勞はしたが、その分、いい勉強になった。 探檢 2 を一日で終はらせることができたのも、その經驗故だと思ふし、 そもそも共同探檢のデータをメインデータにするつもりはないから、 ここで得た教訓は、メインデータで活かせばいいのだ。

で、今できる探檢は取り敢へず終はったので、 最近はメインデータ(つまり買ったときに作ったデータ)を遊んでゐるのだが、 こっちは貨物船を厳選してゐるので未だに所持できてゐないし (かなり惱んだやつはあったが、S クラスぢゃなかったので泣く泣くスルー)、 氣前よくアップグレードモジュールをくれた共同探檢とは違って、 なかなかアップグレードモジュールの購入に踏み切れないので、 足が遅かったり武器が弱かったりもするのだが、 ミッションを急かされる共同探檢とは違ひ、 何やってもいいので、とてもやり甲斐がある。

今の目標は、S クラスのマルチツールをゲットするために、 ポータルの文字を憶えることだ (文字を憶えないとポータルが使へず、 ポータルが使へないと reddit で公開されてゐる S クラスマルチツールがゲットできる星系にワープできない)。 それが終はったら、貨物船の厳選をするつもり。 でも、基地も建てて發展させたいし、開拓地も作りたい。 それに、そもそもの目的であった、據點で音樂を鳴らすことができる装置は、 未だにどこで入手できるかすらわかってゐない(ほかのことが忙しくて調べてゐないからだけど)。

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船の形も、黒と金の色合ひもよく、おまけに A クラスだったが泣く泣くスルー

まあ、とにかくやりたいことが山積してゐて、 のんびり地面を掘ってゐる場合ではないのだが、 ついつい地面を掘って時間を無駄にし、 睡眠時間がガリガリ削れてゐる。

ところで、先日とった實績の 1 つに、「スキャナー・ダークリー」といふのがある。 ディックぢゃん! 懷かしくて思はずググってしまったが、 これ、映畫になってたんですね。 ディックの小説ってばんばん映畫化されてるな。 本人が生きてるときにしてあげればよかったのに、とは思ふが、 逆に今の技術でこそ再現できるやうな先進的な内容のものを多く書いてゐた、ってことかもしれない。 しかしこの映像、すげーかっこいいっすね。 ほとんど映畫を見ないおれだが、これは見たいな (原作はもう 20 年ぐらゐ前に讀んだきりなので、憶えてゐない。山形浩生が譯してたやつだ ──今は早川から浅倉さんの譯で出てゐるはずだけど)。

bandcamp daily: November, 2021

11 月 2 日の label profile は Peverelist が運營する livity sound の紹介。なんでも 10 周年らしい。

で、10 周年を記念して Molten Mirrors - A Decade of Livity Sound といふコンピがリリースされてゐるのだが、うーむ。 惡くはないんだけど、めちゃくちゃいいといふわけでもない。

紹介されてゐる中で唯一よかったのは、DJ Plead の Going for It。 トライバルなリズムがずるい。 こんなもんかっこいいに決まってんだよなあ。 シンセの使ひ方もうまく、EP といはず LP をリリースしてほしい。 この EP もまる 1 年前のものだし、新しいのできてないんですか。

11 月 2 日の album of the dayFrank y Sus Inquietos の 同名アルバム の紹介。

ラテンものの再發は興味ないなあ、と思ひつつも聽いてみたら、なんかこいつら、リズムの感覺がちょっとおかしい。 別に變拍子だったりするわけではないのだが、 え、そこで區切っちゃふの?みたいなところでブツブツ區切る。 普通のリズムとの違ひはほんの僅かだし、 恐らく本人たちもそれを賣りにしてはゐないだらう。 でも、その僅かな違和感が積み重なって、實に奇妙な印象を與へてくる。 かういふ普通とは違ふ秩序、好き。

11 月 2 日の best experimental は珍しくいいものが多かったが、買ってもいいなと思へるのは Robert Curgenven の Beyond Enclosures だけ。

このアルバムは、大作が竝んでゐるのも魅力のひとつだが、ドローンなのがやはり一番の魅力。 disc 1 と 3 のオルガンを主體としたドローンもいいし、2 枚目のオシレーター主體のものもいい。 どちらもおれの好きな色氣のない硬派なドローン。 やっぱドローンはこれぐらいヴォリュームないとね。

ところで、best experimental のチェック中に知ったんだけど、C.C.C.C. の 1stTest Tube FantasyAmplified Crystal II の3 作がリイシューされてたんですね。 それどころか、C.C.C.C. の専門店なんてものまである。

昔なら飛びついてたと思ふが、ノイズからは離れてしまったので、見送りかなあ。 Esplendor Geométrico の EG-140 周年記念盤 が リリースされるらしいが、これも買はない。 まあ、Esplendor Geométrico は昔からいまいち好みぢゃなくて 1 枚も買ってないんだけど。

11 月 2 日の lists は Miles Davis が The Prestige 時代のアルバム紹介 Miles Davis の有名なアルバムのほとんどは Columbia 時代のものであり、 Prestige 時代で有名なのは所謂マラソン・セッションと Bag's Groove ぐらゐのものだ。 それ以外のものもあるよって紹介なんだけど、まだまだ數が少なくて、わざわざここから聽かんでも、としか思へない内容。 初心者向けではないし、マニアは bandcamp を覗くまでもなく持ってゐるだらう。 誰に向けた記事なのかわからんなあ。一應あるから紹介しとくね、程度のものにしかなってゐない。

11 月 3 日の best contemporary classical は、ポスト・クラシカルなんかも全然ない、がっつり現代音樂の紹介だったんだけど、どれもこれもピンとこない。 好きなジャンルだったり、誰かがいいと云ってたやつだったり、さういふ外部の要素がないとピンとくるやつを見つけるのは難しい。 要するに、おれが權威主義者だってことですね。いかんなあ。

11 月 4 日付 lists のタイトル Plug and Play: Music Created For Video Game Cartridges を見たとき、 その直前の記事が植松伸夫の音樂を特集したものだったので、 まーたゲーム音樂の特集か。bandcamp daily のスタッフにゲーム好きがゐるのか? でも、やってないゲームのサントラ聽いてもなあ、とか思ってたんです。

違った。よくタイトルを見てほしい。music created for video game cartridges なのだ。 さう。ここで紹介されてゐる音樂は、どれも物理カートリッジに收録されることを前提として作られてゐる。 スーファミのカセットPC エンジンの CD-ROM2ゲームボーイのカセット(なんとエミュでも再生できるやうに、無料で zip も落とせる!)、 ゲームボーイアドバンスのカセット(なぜかカセットテープおよび VHS でも販賣)、 メガドライブのカセット3.5 インチフロッピー、 極めつけはコモドール 64 のカートリッジ

VHS、CD-ROM2、3.5 インチフロッピーあたりは、まあわからなくもない。 百歩讓って任天堂のカセットもなんとかなるかもしれない。 でも、メガドライブのカセットだのコモドール 64 のカートリッジだのは、どうやって新規に製造するんだよ!  工場が動いてゐるとは思へないんだが、ガワだけ中古のソフトから引っぺがして、中身の基盤は自作とかでいけるんだらうか。 メガドライブのやつはピンクのケースで、明らかに中古ソフトを流用した感じではないけども…。 スーファミのも赤いカートリッジ版が賣られてるしなあ(もちろん賣り切れ)。

紹介されてゐる中でもぶっちぎりでヤバいのは、最初に名前を舉げられてゐる remute。 スーファミのカセットや CD-ROM2 だけでなく、時代の遺物ミニディスクだの、 PC エンジンのカードだの、ゲームボーイのカセット、VHS、3.5 インチフロッピーなど 現代では再生するのがまづ困難な物理媒体でのリリースが山ほどある。 なにこれ、全部ハンブルクでは生産可能なの?

音樂のはうは、當然メディアに引っ張られるので、 Trominal Hello_World! なんかはゲームボーイサウンド丸出しでキュートだし、 mikeyeldey の the album for Sega Genesis は セガっぽさの表現がうまくて興味深いんだけど、 CD-ROM2 のやつとか、3.5 インチフロッピーのやつなんかは普通。

そもそも、これらは實際にカセットなりなんなりを實機に插して、 畫面を見ながら自分で操作するのも込みで樂しむものであらうから (bandcamp の記事タイトルだって、plug & play だし)、bandcamp で音だけ聽いても仕方ない。 Trominal Hello_World! だけはエミュレータ用のデータも配布されてゐるから、 實際に畫面がどんなふうになるのかも樂しめるが、ほかはさうはいかず殘念。 しかし、面白いことする人たちがゐるもんですねえ。世界は廣い。

11 月 5 日の seven essential releases は久々にちゃんと 7 枚紹介されてゐた。まあ、よかったのは 1 枚だけですけど。

その 1 枚は Cities Aviv の The Crashing Sound of How It Goes。 なにがおもろいって、ヒップホップ批評みたいになってるヒップホップなこと。 ヒップホップなんて適當にループさせときゃいいんだよ!と云はんばかりのやけっぱちな短いループの多用、 しかも曲の途中でいきなりループの材料が全く別の曲になったりもする。 ラップも、最近はリズムにかっちり合はせないスタイルがヒップだから!とでも云ひたいのか、 リズミに合はせる氣なし。 それら全部が、「ヒップホップはこの程度のものだと思はれてゐる」といふ茶化しだったり、 「でも、さうぢゃねえんだよなあ」といふ可能性の提示だったりして、實に批評的。 Fxck Rxp なんて名前のレーベルから出すだけあるな、って感じ。

ちなみに、Fxck Rxp のページから買ふより、 アーティスト本人のページから買ったはうが安いし(デジタル音源の價格)、 Fxck Rxp では聽ける曲が限られてゐるのに、本人のページだと全曲聽ける。 ってわけで、本人のはう貼っておきますね。

11 月 5 日の big ups は Courtney Barnett のお氣に入り紹介で、 うわー、ロックの人だ、どうでもいいなあと思ひつつもチェックしてゐたら、 Les Filles de Illighadad といふグループの Eghass Malan ってアルバムに聞き覺えがあったので慌ててチェック。

といっても、このグループのことを知ってゐたわけではない。 おれが知ってゐたのは、このギターである。 このギター、おれの大好きな Abba Gargando のギターと同じぢゃん!と思ったのだ *1

で、調べてみたら、やはりドンピシャ。 トゥアレグ族のギターはみんなこんならしい。まじかよ。 しかも、Les Filles de Illighadad、Abba Gargando ともに Sahel Sounds からリリースされてゐる。 え~、Sahel Sounds って今をときめく(?) Mdou Moctar が Matador に移籍する前にゐたレーベルぢゃん。 ギターヒーローに興味ないなーってんでスルーしてたけど、急いでチェックしないと…。

幸ひ、Sahel Sounds は無料のサンプラーを 3 枚も出してくれてゐるので、 まづはそれを聽いて、好きなアーティストを探さうと思ふ (3 枚のサンプラーのどれにも Abba Gargando が入ってないのが氣になるが…)。 くそー、big ups も侮れねえな。 ま、ほかに紹介されてたやつはどうでもよかったんですけどね。 唯一、Tropical Fuck Storm ってバンドがちょっと面白かったぐらゐ。 Mdou Moctar は、うーん、惡かないし、人氣あるのもわかるんだけど、おれの好みぢゃないんだよなあ。 でも、云はれてみれば確かにたまに Abba Gargando っぽいフレーズ出てくるわ。

11 月 8 日の best soul で紹介されてゐたアルバムはどれも良質だったが、 特によかったのは Kallitechnis の Because It Feels GoodBeMyFiasco の Where I Left You。 なんでって、どっちもベースが派手に動く曲があったから。 ただまあ、買ふかって云はれたら買はない。どっちも普通の音樂だし。 ストリーミングでこれ流れてきたら嬉しいだらうなって程度。 試聽が難しくなくなって買ふもののハードル上がってる氣がしたけど、 冷静に考へたら、おれが昔から贔屓にしてゐるレコ屋 SoundOhm は大抵のものを試聽させてくれてゐた。 道理で、使ふ金額が昔から變はってないはずだ…。

11 月 8 日の album of the day は New Age Doom と今年 8 月に亡くなった Lee Perry とのアルバム Lee "Scratch" Perry's Guide to the Universe の紹介。 バンド名とタイトルが表す通り、宇宙音まみれのドゥームメタルなのだが、Lee Perry の無駄遣ひにしか思へない。 もしかして、これが Lee Perry の遺作になるんですか?  まあ、おれはジャマイカの音樂のよさがほぼ理解できず、Lee Perry も何度聽いてもよさがわからなかったから別にいいんだけどさ。

11 月 8 日の scene report は an introduction to Cascadia psych と題されたカスカディア・サイケの紹介。 いや、そもそもカスカディアってなんだよ。 どうも記事によるとサンフランシスコ以北、アラスカまでのあたりまででまとまって獨立しよう!って運動らしい。 全然知らなかったそんなの。

で、サイケのメッカたるサンフランシスコを微妙に外れたカスカディアでの音樂ですが…。 まあ、うん、サイケデリック・ロックですね、としか云ひやうがない。 ジミヘンの曲からバンド名をとったと思しき Sky Cries Mary は懷かしい感じの王道サイケ・ロック、 フリーク・フォーク系の Rose City Band、 クラウトっぽさを持った Abronia、 ラリった音が多い廃人系 The Lavender Flu などなど、 なかなかヴァリエーションに富んだサイケが紹介されてゐるが、わざわざ買ふほどではないかなあ。

11 月 10 日の features は「いかにして Robin Hatch は世界最大のアナログシンセをマスターしたか」 といふインタヴュー記事。 ここでいふ世界最大のアナログシンセとは、 Malcolm Cecil と Robert Margouleff が組み上げ、 Stevie Wonder が 70 年代に入って發表した 4 枚の大名盤、 Music of My MindTalking BookInnervisionsFulfillingness’ First Finale を制作したときに使った、 TONTO (The Original New Timbral Orchestra) のことだ。

で、そのシンセを使って作られたアルバム T.O.N.T.O. が紹介されてるんだけど…。 めっちゃふつー。面白いところは特になし。がっかり。 Stevie Wonder と比べるのは酷だが、それにしたってつまんねーわ。

11 月 11 日の features は Eric Dolphy 特集。 といっても、bandcamp には Dolphy はたった 3 枚しかない

Dolphy が最高なのは云ふまでもないが、この 3 枚ならやっぱり Musical Prophet。 このアルバムのことは、前に Mingus のライヴ盤について書いたときにちらっと触れたが (ちょうど發賣直前だった)、 大友良英が「Dolphy の中では變なアルバム」と紹介してゐた ConversationsIron Man に加へ、 當時のセッションで未發表だったもの(つまり沒になったテイク)が收録されてゐる。 Dolphy のアルバムとしては、マイナーな部類の 2 枚である。 プロデューサーはジミヘンの編集盤を粗製濫造したことでも有名な Alan Douglas。 この人、ジミヘン界隈では評判惡いけど、ジャズ・プロデューサーとしては Bill Evans & Jim Hall の名盤 Undercurrent を手掛けたりもしてる人なんですよね。

發賣元はジャズの再發・發掘に定評のある Resonance Records。 このレーベルは Jack DeJohnette がゐた頃の Bill Evans Trio の發掘なんかもしてくれてゐて (Some Other TimeAnother TimeLive at Ronnie Scott's の 3 枚)、 古いジャズのファンにとっては足を向けて寝られない存在である。 これからも良質な再發と發掘、お願ひします!

11 月 11 日の lists は The Road to Radiohead's “Kid A” と題された、 Radiohead の Kid A mnesia 發賣記念記事。

リストに舉げられてゐるのは以下。

Cluster と Alice Coltrane 以外は持ってますね…。あ、Björk も Homogenic は好きぢゃないから持ってないか。 まあ、有名なアルバムばっかりだもんね。Mingus と Alice Coltrane はなんでこれなのかよくわからんけど。

11 月 11 日は best jazz の記事も。

初めに紹介されてゐる Linda Fredriksson の Juniper は、 ちょっとだけ聽いて普通だな、とスルーするつもりだったのだが、 タイトル曲のベースがなかなか面白く、じっくり聽いてみることにした。 それで氣づいたのだが、これ、We Jazz Records からのリリースだ。 We Jazz Records といへば、先月ユニオンのアウトレットで見つけた Koma Saxo を出してるレーベル。 先日も、Self Koma といふ曲がリリースされたばかり。 このレーベルのことはまだフォローしてなかったから氣づかなかった。フォローしとかう。

肝心の Linda Fredriksson は買はないだらう。 惡くはないんだけど、クレジットに modular synth だの field recordings だの moog だのと書いてあるのに、 さういふ要素がちっとも前面に出てこないんだもん。 もっとお上品さを捨ててシンセまみれにしてくれ!

續く Thiago França の The Importance of Being Espetacular は、こんなこと云ったらアホみたいだが、ブラジルっぽいお祭り感のあるジャズ。 いろんなヴォーカリストをゲストに迎へてゐたり、ジャケもかはいかったりといいアルバムなんだけど、 個人的な好みとしては、もっともっと彈けるやうな陽氣さがほしいところ。

Mary Halvorson の新譜 は ピアニスト Sylvie Courvoisier とのデュオ。 1 曲しか聽かせてもらへないが、あまりに完璧な現代ジャズっぷりに溜息が漏れる。 アヴァンギャルド・ジャズの魅力が、綺麗に拔粹されてゐる。すごい。

寡聞にして挾間美帆といふアーティストについては知らなかったのだが、 ここで紹介されてゐる新作 Imaginary Visions のわかりやすさ!  おれは普段、ジャズを聽くときに曲の善し惡しはあまり問題にしない。 そもそも、聽くのは大抵フリージャズだから、おれの好きな氛圍氣で押し切ってくれればそれでいいのだ。 でも、このアルバムはビッグ・バンドでありながら、各人のソロもうまくハマってゐるし、 それを支へる曲が實に見事だ。 レコードでほしいとまでは思はないが、いろんな人に勧めたくなってしまふアルバム。

Phelan Burgoyne の Yazgol は、Paul Motian が作曲した曲で、これまで録音されたことがなかったものを演奏した、ちょっと變はったアルバム。 何が變はってるって、Paul Motian(モチアンと表記されることが多いが、どう考へたってモーシャンで、 實際におれがニューヨークで見たときもモーシャンと紹介されてゐた)といったら全盛期の Bill Evans Trio を支へたドラマーである。 そんな人の作曲作品って、マニアックすぎる。 驚くのはピアノ曲がけっこう多いこと。 多彩な曲が入っててなかなか面白いが、まあ、買ふかって云はれたら…。

Gabriel Zucker の Leftover Beats from the Edges of Time は、ESP から出てます!と云へば事足りさうな、非常に ESP らしい奇妙なジャズ。 とはいへ、昔の ESP ほどの怪しさは全くなく、ブラッシュアップされたアヴァン・ジャズで、 綺麗にまとまってゐる。 多くのジャズ・マニアは在りし日の ESP をよく知ってゐるはずだから、この程度だとちょっと殘念に思ふかも。 まあ、ESP もモダンになったってことですね。

11 月 12 日の seven essential releases でよかったのは 1 枚。 DøøF の NCL​-​DøøFus 2 : SWAMP PHONK ってやつ。 7 枚中ヒップホップはこれだけだったのに、その 1 枚しかいいと思へるものがないとは…。ロック不感症がひどい。 でもね、氣づいちゃったんですよ。 bandcamp って、まあ他のサービスでもさうだらうけど、 アルバムとかにアクセスすると、最下部に「××が好きな人におススメ」ってのがいくつか表示されるんです。 ここに、自分の好きなアルバムが表示されないやつは、まあ外れなんですよ、やっぱり。 DøøF のこれは、Pink Siifu と McKinley Dixon が表示されてたから、まあそりゃおれにとっては當たりだよなって。

とはいへ、内容はおれがあまり聽かない、サンプリングが多用されたヒップホップ。 いやあ、でも、サンプリング對象がいいっすわ。 4 曲目とか元ネタ持ってますよ(なんだっけ?)。

11 月 12 日の shortlist は 10 月に出たいろんなデビュー作品の紹介。

Buffalo Nichols のデビュー作 は、再生した瞬間、 おっ、Jack Rose の再來か?!と期待したが、歌が入っててがっかり。ギターだけでいいのに…。

Lady Blackbird のデビュー作 Black Acid Soul は そもそもアルバムタイトルがかっこいいし、ジャケはどう見ても Black Sabbath の Master of Reality だしで期待したが、 これまた期待はずれ。アシッドどこ? Black Sabbath 要素は? ただの上品なジャズ・ヴォーカルものぢゃん…。

11 月 15 日の scene report は Inside Tokyo's Genreless Rave Underground ってことで、 東京のアーティストばかりが紹介されてるんだけど、全然知らねえ!  一番驚いたのはこれ。

こんなのが bandcamp daily で紹介されるとは…。懷深ぇ~。 ほかのもそこそこ面白かった。まあ、自分ぢゃ買はないんですけどね。

11 月 16 日の features は The Story of the First Electronic Pop Record Ever Made と題された、Tom Dissevelt & Kid Baltan による The Fascinating World of Electronic Music の紹介。

このアルバム、なんと 1959 年に發表されたアルバムなのだが、 first electronic pop record の名に恥ぢない、非常に先驅的なアルバムである。

なんたって、1959 年の電子音樂といへば、Karlheinz Stockhausen があの Kontakte を作曲してゐた時期。 つまり、電子音樂は現代音樂の最前線で、いろんな作家がこぞって自分の夢想した音をリアライズすることに血眼になってゐた頃だ。

だから、電子音樂をポップなものに使はうなんて思ってゐたのは極少數。 pop electronic music といへば、ディズニーのエレクトリカルパレードの元曲でも有名な Jean-Jacques Perrey がゐるが、 彼がその曲を書いたのは、1960 年代末だから、このアルバムはそれより 10 年も早い。

それでゐて、以後のポップな電子音樂──モンドだったりライブラリだったりと云はれるやうな音樂──のほとんどは、ここで素描されてゐる。 モンド好きなら外せない歴史的傑作。

11 月 22 日の features 1 つ目は Michael Vincent Waller の紹介

なんでも、最新作 Classic$ でモダンクラシックとトラップを融合した、 とのことなんだけど、 いや、まあ、確かに、さうとしか云へない作品ではあるよ。 でもなあ…。

ヒップホップ歴の淺いおれが云ふのは生意氣かもしれないが、 この程度のもの、別に新しさないんだよなあ…。 The Arditti Quartet と Saul Williams が共演した NGH WHT とか、 10 年前の作品ですよ。

それ以外のアルバムもいくらか紹介されてゐるが、 こちらは完全にモダンクラシック。 ジャケ寫を Phill Niblock が撮ってゐたり、 ライナーノーツを “Blue” Gene Tyranny が書いてゐたりして豪華だが、 音樂的には、まあ、ふつー。

11 月 22 日 2 つ目の features は The Rich Legacy of Philadelphia Free Jazz ってことで、フィラデルフィアのフリージャズ紹介、と云ひたいところだが、別にフリーでないものもある。

まあ、Henry Grimes とか Sunny Murray とか Sun Ra とか、 最初のはうで紹介されてゐるのは、フリージャズ好きなら知らぬ人はゐないやうな有名人。 ただまあ、Sun Ra はともかく、Henry Grimes と Sunny Murray は、 Cecil Taylor や Albert Ayler のバンドにゐた(しかも最もよく知られてゐる時期に)のがすごいんであって、 本人たちのリーダー作は別に…。

それ以外に紹介されてる中で、Khan Jamal、Arpeggio Jazz Ensemble、Byard Lancaster の 3 者は、 まあスピリチュアル・ジャズに分類してよからう。 Khan Jamal のは 1984 年のアルバムで、Byard Lancaster のは 92 年だか 95 年だかに出たやつの再發、 Arpeggio Jazz Ensemble のアルバムは今年リリースされたばかり。

スピリチュアル・ジャズらしい洒落た空氣を持ってゐるのは Khan Jamal と Arpeggio Jazz Ensemble だが、 個人的に面白かったのは Byard Lancaster。 一應、スピリチュアル・ジャズってことにしたけど、 いろんなタイプのジャズが入ってゐるのがいい。 最初と最後の曲みたいなトライバルなものもあれば、 サックスのみの曲や、お祭りっぽいもの、 もちろんスピリチュアル・ジャズも入ってゐるし、 ギターの入ったジャズ・ロックっぽい曲まである。 複數のバンドをランダム再生してゐるやうな感じがあり、ストリーミング隆盛の現代っぽさすら感じる(20 年も前のアルバムなのに!)。

最後の 2 枚は完全にフリージャズで、どちらもおれの大好きなバンド Irreversible Entanglements のメンバーによるもの。 1 枚はサックス奏者 Keir Neuringer による Ceremonies Out of the Air で、 サックス 1 本でのライヴを録音したものらしい。 Irreversible Entanglements みたいな躍動感があるわけでもなし、これは人を選びますね…。 おれは、要らないかな…。

もう 1 枚は Moor Mother の Circuit City。 まあこれ、バックも Irreversible Entanglements のメンバー全員 + αによって演奏されてゐるので、 實質 Irreversible Entanglements のアルバムみたいなもんである。 今年の頭に試聽したらめちゃくちゃよかったのですぐさまユニオンに注文した記憶があるが、 發賣日は 2020 年 9 月 25 日になってるな…。おかしい。そんな早くから聽けた憶えはないんだが…。

11 月 23 日の label profile は、オーストラリアの Longform Editions の紹介。

Longform Editions は實に bandcamp らしいレーベルで、 リリースはどれもデジタルのみ、 しかも 1 つのコンセプトを基に複數のアーティストに 1 曲づつ提供してもらひ、 それをどれも 1 つ $4(AUD) で賣るといふ形を續けてゐるレーベルだ。

コンセプトごとにジャケットが統一されてゐるので、 どれがどのシリーズなのかはすぐわかる。 人選もかなり幅廣く、Richard Youngs がゐたり、Sun Araw がゐたり、Angel Bat David がゐたりする。 11 月 22 日に紹介されてゐた Michael Vincent Waller の名前もあるし、GY!BE の Efrim Manuel Menuck もゐる。 日本人も何人かリリースしてゐるが、最新シリーズだと石橋英子の名前がある。

てか、この記事のお蔭で Longform Editions のリリースをいろいろ聽いてたんだけど、 Bitchin Bajas、Sun Ra のカヴァーアルバム出すんですね。 ジャケがウルトラかっこいいし、カセットでほしいところだが、送料がたけえ。 Drag City からのリリースだし、tobira records とかユニオンとかに入荷すれば買はう。

11 月 24 日の lists は、Black Friday 及びホリデーシーズンが近づいてきたってことで (お蔭で bandcamp からちょいちょいクーポンのお知らせが來る)、 Jazz for the Holidays

ホリデー向けのジャズってなんだよ、と思ったら、 要するにクリスマスの曲とかをやってるだけ。 つつつつまんねえ~。 いつもジャズ特集のときは、つい長々と書いてしまふのに、これは書くこと全くなし。 ほしいものもなし!

そんなことより、Black Friday のちょうど翌週の金曜が bandcamp friday なので、 レーベルの送ってきてくれるクーポンが bandcamp friday を迎へる直前に期限切れになってしまふことのはうが氣になる。 拂ふ側としては氣持ちの差でしかないが、 bandcamp にはどうせ「今すぐ買はなきゃ!」みたいなやつ買ふときにさんざん貢いでゐるのだから、 いつ買ってもいいなと思へるやつはなるべく bandcamp friday に買ってあげて、 アーティストなりレーベルなりにちょっとでも多く金が行ってほしいんですよ。 今のところ、bandcamp friday でも有効なコード送ってきたのは superpang だけだあ。

11 月最終週はろくな記事がなかったが、中でも San Francisco Ain't Dead にはがっかり。 サイケ發祥の地サン・フランシスコとあって、サイケ・ロックばかりが紹介されてゐるのだが、 どれもこれも、Galaxy 500 やりたいんだなとか、Yo La Tengo やりたいんだなとか、The Velvet Underground やりたいんだなとか、 My Bloody Valentine やりたいんだなとか、そんなのばっか。 これで ain't dead って云はれても困る。ゾンビだらけぢゃん。

しかし、best hip-hop すらいいの何もないとは…(JPEGMafia 除く)。 まあ、今月も節約するつもりだったのに週に 1 萬づつぐらゐ買ひ物してしまった感じがあるので、ほしいものが増えないのはありがたくもあるが、 おれの懷事情なんて考慮しないで、もっと面白い音樂をバカスカ紹介してくれていいのよ?

あ、11 月の bandcamp daily で全く取り上げられなかったけど、 個人的には superpang がリリース 100 枚(全部デジタルだから「枚」といふ數詞は適切ではないかもしれない)を記念して 11 月 10 日からおよそ 2 日に 1 曲の割合で無料の作品を發表し續けてゐるのは是非とも扱ってやってほしかった。 ほんとは今週末の bandcamp friday でまとめて買ふつもりだったんだけど (上に書いた通り、クーポンが發行されてゐたので)、 Black Friday に半額クーポン發行するもんだから、それにつられて買っちゃったよ。 久々に Evol なんて買ってしまった。 Evol の音樂、どれもこれもクソ(褒め言葉)みたいなやつだから普段は買はずに濟ませてるのになあ。

*1:この記事をアップしてすぐ、なぜか唐突に bandcamp にレコードの在庫が追加された。超名盤。買へ。