When the Music's Over

音樂の話とゲームの話

Green Hell

ここしばらく、Green Hell といふゲームを友人と遊んでゐた。 ジャングルの中でサバイバルするゲームで、タイトルはそのことを表してゐる。

もともとサバイバルゲームは大好きで、 これは 2019 年 12 月にもらったので、そのときも同じ友人と遊んだのだが、 途中で行き詰まったか飽きたかして、放置してゐた。

ただ、このゲームは精力的にアップデートが續けられてゐるのは知ってゐたから、 機會があればまた遊びたいと思ってゐて、 ちょうど Palworld を遊び終へたので、 なら次はこれやるか!と久々に起動したのである。

いやあ、もう、めちゃくちゃ面白かったですね。

とにかく、サバイバルゲームとしての出來がすばらしい。 大抵のサバイバルゲームは SF 要素(ゾンビは特に多い)やファンタジー要素が入ってゐて、 現實とは明確に別の世界で生き延びるので、 死の原因も、逆に生き延びる方法も、それほどリアルなわけではない。

しかし、このゲームは舞臺がジャングルである。 死の要因は感染症だったり餓死だったり毒だったり肉食動物だったりと、かなりリアル。 地圖だって、序盤で手に入りこそするが、現在地が表示されたりはせず、 いちいち GPS と照し合はせなくてはならない。

もうホント死ぬ。死んで、死んで、死にまくる。 サバイバルできねえ~。

しかも、ゲームの都合上當然なのだが、主人公はろくにサバイバルに必要なものを持ってゐない(ライターすらない!)。 だから、ふとした油斷で簡單に死ぬ。 セーブも儘ならない。 以下にこのゲームをやってゐてよくあることを記す。

  • 水を飮む→寄生蟲に感染
  • 適當にその邊のものを食べる→食中毒になり、ゲロ吐いて體力激減
  • その邊で寝る→體内に蟲が入り込む
  • 迂闊に歩く→ガラガラヘビや蠍、蜘蛛から毒を頂戴する
  • 迂闊に歩く→肉食動物(ジャガーピューマ、ワニ!)に襲はれる
  • 迂闊に歩く→迷子になって餓死
  • 傷を負ふ→汚れた手で処置したために感染症にかかる

めちゃくちゃ細かくないですか? でも、云はれてみればそりゃ死ぬよ、と思はされることばかり。 だっておまへ、汚い手で傷口觸っちゃあねえ。だめだろ。

しかもこのゲーム、正氣度なんてのもあって、 上に書いた寄生蟲、蟲に加へ、蛭もゐるのだが、 こいつらはこちらの正氣度をじりじりと削ってくる。 正氣度が減りすぎると、幻聽、幻覺に惱まされることになり、 ゲームをやる上でもかなりストレスになるが、 なんと幻覺として出てきた原住民に攻撃されて死んだりするのだ。 思ひ込みで死ぬなよ!!

デバフを全部受ける實績を解除したときのゲロを吐いてる樣子。左下のアイコンは左から不眠症、榮養不足、蛭・蟲・傷など體の異状、汚れ、毒、發熱、寄生蟲、食中毒を表す

もちろん、上記したことはどれも對策がある。

  • 水→煮沸して飮む
  • 食べ物→調理して食べる
  • 睡眠→葉っぱでいいので、ベッドを用意して寝る
  • 敵對生物→ちゃんと唸り聲やカサカサ音が聞こえる

毒、食中毒、發熱、傷、正氣度の減少などもきちんと對策があり、 それらを知ってゐて備へがあれば、滅多に死ななくなる。 ゲームを始めた頃は似た景色ばかりで憶えられなかった道も、 (GPS に頼る部分はあるが)いつの間にか憶えてしまふ。 武器である弓矢も、慣れるまでは全く役立たずだが、 慣れれば頼もしすぎる武器に變貌。

しかし、それはあくまで慣れた人の話。 慣れないうちは火を起こすことすら一苦勞で (なんたって、火起こしは木をキコキコやる原住民式だ!)、 これほど普通に生きることが大變だと思ひ知らされるサバイバルゲームはなかなかない。

そして、適度な愼重さを身につけてしまへば、 あれだけ過酷だったジャングルが、 生きていける資源がたっぷりあるヌルい環境に思へてくるのが見事。 一度死んだら終はり、といふ難易度 Green Hell でクリアする實績もあるのだが、 正直ゲームに慣れてれば餘裕で、2 日で一發クリアしてしまったほど。

現在は一人で實績解除のために追加ストーリーをやってゐるが、 これはミニゲーム的なものが過剰でいまいち。 ストーリーなしのサバイバルモードもあるのだが、 こちらは逆に必要な資源が多すぎてあまりに大變。 結局、ストーリーのバランスが最もよかった。

ストーリー自體はひたすら暗く、グッドエンドも、ほんとにグッドか?と疑ひたくなるやうなものだが、 ゲームを進める推進力としてはよかったので問題なし。 そもそも、おれはゲームのストーリーなんてほぼ氣にしないし (だって、やりたいのはゲームであって、お話を讀みたいのではないのだ)、 なんならストーリーは友人がゴリゴリ進めてくれて、 おれはサバイブできる環境を整へることに夢中だったので…。

とにかく、サバイバルゲームとしてはかなり上質で、文字通りサバイバルを味はへる名作である。 だって、マゴットセラピーで傷を治すサバイバルゲーム、やったことあります?  そんな傑作が、なんと今ならスプリングセールで PC 版は半額!  Switch 版なんてたった 250 圓だ(かなり長くアップデートされてないっぽいのでおすすめはしないけど…)。 買ふっきゃないよ。