When the Music's Over

音樂の話とゲームの話

Bytepath

Steam の大型セールはここ數年すっかり割引率が澁くなってしまったので、 大型セールのときは逆にあまりゲームを買はなくなってしまったのだが、 そんなおれが唯一このセールで買ったゲームを紹介する (あ、ガンジョンは相變らずやりまくってますよ。 あと 1 つで全實績解除なので、それが終はったら最後に 1 つ記事を書く豫定)。

その名は Bytepath。なんと 75% オフで 51 圓である。

このゲームのストアページにある紹介文には、このやうに書かれてゐる。
Expect BYTEPATH to be a mix of Bit Blaster XL and Path of Exile

なるほどさう云はれれば、名前も Bit Blaster XL と Path of Exile を合はせたやうなものになってゐる。

で、中身はといふと、確かに Bit Blaster XL + Path of Exile としか云ひやうがない。 寧ろ、その 2 つをほぼ丸パクリしてゐるレベルなのだが、 その 2 つがジャンル的にかぶるものではないため、獨自のゲームとして成立してゐるのが面白い。

殘念ながら、Bit Blaster XL はやったことがないので (これもセールで 50 圓)、 レヴューや動畫などからの推測になるが、 どう見ても Bytepath と同じプレイ感覺を持つゲームだ。 敵との接触、被彈、畫面枠との接触の 3 つがダメージ要因で、 パワーアップアイテムには彈藥の概念があり、 敵を倒すと彈藥がドロップする、といふところまでまるっきり同じ。 Bytepath 持ってたらやる必要なくね?と思ってしまって買ってゐない。

PoE 要素は形からありやうまで丸パクリのパッシヴスキルツリー、 Class や Ascendancy に相當する class の 2 つ。 ツリーで取得できるノードは最大 100 個(最初は 80 個だが、周囘することで最大値が増えていく)。 class はなんと 9 つも取れる。

で、このツリーと class を組み合はせてビルドを構築し (機體が 9 種類あるので、そちらも考慮に入れる必要あり)、 シューティングゲームをやるのだが、 これが實に面白いのだ。

Path of Exile プレイヤーなら大抵は知ってゐる Path of Building といふツールがある。 これは、スキルおよびパッシヴスキルツリーや装備を入力することで、 そのキャラのライフや dps といった樣々な數値を出してくれる、 PoE をプレイする上でほぼ必須とも云へるツールだ。

どれぐらゐ必須かといふと、PoE プレイヤーが冗談交じりに「PoE のエンドコンテンツは Path of Building」と嘯くほどなのだが、 この Bytepath といふゲームは、まさにその、Path of Building でビルドを考へる樂しみを具現化したやうなゲームなのである。

PoE といふゲームは、ビルドを考へ、 そのビルドを實現する過程と完成したビルドで敵を蹂躙するところに樂しみがあるわけだが、 ビルドを實現する過程といふのは、明確な終はりがない。 裝備品は、上を見るとキリがないからだ。 そして、それこそがハクスラと呼ばれるジャンルのゲームが、 膨大なプレイ時間を要する所以でもある。

しかし、Bytepath に裝備品の概念はない。 最初のうちこそスキルポイントを稼ぐのに苦労するし、 PoE とは違ってスキルツリーをリセットすると、 それまでに使ったスキルポイントは返却されないので、 複數のビルドを試すハードルは高いやうに思へるが、 極まってくると一度のプレイで 100 ポイントぐらゐ稼げたりするので、 慣れてしまへば大した手間ではない。

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150 萬點を突破し、スキルポイントも 104 稼いだ例

そして、その手輕さこそが、Bytepath の最大の魅力だと思ふ。 Path of Building では數値を見てニヤニヤすることしかできず、 實際にその装備を揃へようとするとけっこうな時間が必要だが、 Bytepath にそんな苦労はほとんどない。 一旦強いビルドが作れれば、 それでスキルポイントを荒稼ぎして新たなビルドがすぐ試せる。

PoE だって、最初のキャラでカレンシーを稼げば 2 キャラ目からはすぐビルドを試せはするが、 それでも act 10 まで走り拔けるのに數時間はかかる。 その點、Bytepath はスキルポイントさへあれば、振り直すだけで新たなビルドが即試せてしまふ。 ツリーをポチポチするだけでいいのだから、これはまさに Path of Building の手輕さだ。

シューティングゲームとはいふものの、 自分でやるべきことは敵を避けてアイテムを取ることぐらゐで、 彈は勝手に発射されるので連打などする必要はない。 使ふのは上下左右の 4 キーだけ(コントローラーでもできる)。 つまり、シューティングの技倆を求められる部分はほぼない。

このゲームに求められるものは唯一つ、ビルド構築能力である。 ビルドが強ければスコアが稼げる。 それだけの、實に單純なゲームなのだ。

だからこそ、PoE をパクったどでかいパッシヴツリーが生きるのであり、 このゲームを底の淺いもので終はらせずにゐる。

ただ、上に大した手間ではないと書いたが、 やはりツリーや class をリセットしたときに使ったポイントが返ってこないのは痛い。 これが返却されるシステムなら、リプレイ性は更に向上しただらう。 スキルポイントを稼ぐのはただの作業で面白みはないのだから、 この部分だけは改善してほしかった。

でも、フォーラムを見ると「このゲームは賣上が惡かったからもうアップデートはできないんだ」 といふ開發者の悲しい言葉が書かれてゐたので、改善は望めさうもない。

だからみんな Bytepath を買はう! 51 圓以上の價値は絶對にあるぞ! 正直、定價の 205 圓でも元取れると思ふ。