When the Music's Over

音樂の話とゲームの話

bandcamp daily: April, 2021

bandcamp daily のまとめをやるぞ!と決めたくせに、 7 月になってもまだ 3 月分までしかまとめ記事を書けてゐない。 それどころか、bandcamp daily のチェックすらおざなりになりつつある。 いや、一應、ほとんどすべての記事を見てはゐるのだが、 毎日となると仕事みたいになって厭だし、 そもそも daily と謳ってる割に更新のない日がちょこちょこあるので、 ついついチェックをサボってしまふのだ。 今日も、たまってた分チェックするか!と思ったら、なんと半月もチェックをサボってゐたことが發覺してしまった。 己の怠惰さに呆れるばかりだが、まあ怠惰なのは今に始まったことでもなし、 その報ひは己の人生でたっぷり受けてゐてこれなのだから、これからも改まることはあるまい。

しかし、3 月分とまとめると多くなるから、といふ理由で分割したはずなのに、 改めて見ると 4 月分で心を惹かれたものはかなり少ない。

なんたって、メモしてある最初の記事は 4 月 12 日付の A Guide to the Extensive Musical Legacy of Mills College と題された Mills College の特集記事なのだが、 なんでこれをメモしてあるかって、ほとんど持ってるやつだからなのだ。 多量に持ってゐるくせに、Mills College がどんなところなのかはよくわかってゐないのだが、 どうも、おれが好んで買ってゐるアーティストたちが教鞭を執ってゐたやうですね。

この記事に列擧されてゐるもののうち、知らなかったもので、更に感嘆したのは "Blue" Gene Tyranny の Trust in Rock

いやもう、さすが Unseen World! 聽き始めてしばらくは、「なんだ、別に普通のロックぢゃん」と思ってゐたのだが、 最初の曲から 20 分もあるのだ。 20 分あるやうな曲調ぢゃないのに。

と思ってゐたら、いつの間にか、その普通のロックがミニマル・ミュージックに変貌していく。 でも、ホントにミニマルになるわけではない。普通のロックの儘、ミニマル化していくのだ。

これにはたまげましたね。こんな作り方をされたミニマルがあったとは。 どうせならレコードでほしいんだけど、送料が高すぎる…。 CD なら meditations で安く手に入るしなあ。

4 月 16 日の特集記事The Shortlist, March 2021: Gentle Jazz, Chill Rap, Lo-Fi Soul & Moreからよかったのはデビュー・アルバム 2 つ。

1 つ目は Figmore の Jumbo Street

ローファイなソウル。でもこれ、改めて聽くとどうってことないな。 なんでわざわざメモしておいたんだ。當事の自分に問ひたい。

もう 1 つは Korea Town Acid の Metamorphosis

ヒップホップ不感症のおれが珍しく氣に入ったアルバム。 まあ、ラップ入ってる曲の割合がそんなに高くないから氣に入っただけかもしれない。

4 月 23 日の特集 Essential Releases: Afrobeat, Avant-Garde Rap, Ambient Folk and More で紹介された Pink Siifu の Negro Deluxe は、その名の通り昨年リリースされた Negro のデラックス版。 なんと曲數が倍に膨れ上がってゐる。 フィジカルでのプレスがないのは寂しいけど、去年のやつ買ってなければ斷然お得。 去年のやつ買ってたとしても、まあ $14 ならそれほど痛手ではないかな。

4 月 27 日は今年 2 月に亡くなってしまった Ghédalia Tazartès の特集記事。 Tazartès はずっとクオリティ落とさず作品を作り續けてくれた人なので、亡くなってしまったのは悲しい。 しかし、この記事を見るまで知らなかったんだけど、旧譜はどれもこれも CD やレコードとジャケ違ふのね。

同じく 4 月 27 日の特集 The Best Experimental Music on Bandcamp: April 2021 で氣になったのは 2 つ。

1 つ目。Charmaine Lee の KNVF

すばらしい。最高。かういふのを求めてたんだ。

bandcamp の experimental 枠で紹介されるやつって、experimental とされてゐる割に、大人しいものが多いといふか、 いまいちピンと來ないのが多いんだけど、 これは懷かしい感じで實にいい。experimental として紹介されてゐるものに懷かしいは褒め言葉にならんだらうが。

でも、このアルバムは、例へば昔の大友良英が好きな人とかにはたまらんのではないか。 ターンテーブルものとかのあれですよ。

聲が入ってゐるのも個人的には評價ポイントで、昔からヴォイス・パフォーマンスもの大好きなんですよ、私。 最近、かういふ方向のやつちっとも聽いてなかったから、今でもかういふのがちゃんとリリースされること自體が喜ばしい。 單純におれがちっとも追へてゐないだけ、って話かもしれないが。

もう 1 つは Prolaps の Ultra Cycle Pt. 1: Vernal Birth

vol. 2 も出てて、それは 6 月の bandcamp daily で紹介されてゐたので、そっちも改めて紹介することになるかもしれない(未聽)。 かういふ、高速のぐちゃぐちゃなテクノ大好き。 もっとたくさん下品な音を入れてほしい。 そしておれの腦を切り裂いてほしい。 おれは腦味噌をズタズタに陵辱されたいんだ。

4 月 28 日の The Best Jazz on Bandcamp: April 2021 でよかったのは Malnoia の Hello Future

弦樂とジャズの融合、と bandcamp の解説文にはあるが、まあその通り。 それ以上のものがあるわけではないし、普段は軟弱と切り捨てる感じの音樂なんだが、 なんとなく氣に入ってしまった。やっぱバスクラ入ってるからかな。

4 月 28 日の album of the dayDawn Richards の Second Line のレヴュー。

あまりにジャケがダサいので、あんまり聽く氣になれなかったのだが、 ジャケだけで敬遠するのももったいないので聽いてみたら、いやあ、いいぢゃないですか。

EDM のタグがついてるけど、おれからしたら、こりゃあハウスだ。 確かに歌入ってるけど、普通にハウスとして聽ける。 ラップもあるが、全く氣にならない。 ハウスだけでなく、ソウルとしていい曲が入ってるのも嬉しい。 あとはジャケさへよければ…。 いや、でも逆にレコードで買ふ氣になれないから、ありがたいかもしれないな。 International Anthem のレコードとか、ジャケはかっこいいわ色ついてるわ bandcamp 限定だわで、おれから無駄な送料を吸ひまくってるもんな。くそ。 もっとジャケダサくして色も黒だけにしてくれ!