When the Music's Over

音樂の話とゲームの話

bandcamp daily: May, 2021

はてなブログを始めてからそろそろ 3 年が經たうとしてゐるのだが、はてな運営からメールが來ることは稀で、 來たとしても「1 年前のこの記事を振り返ってみませんか?」とかいふ、何が目的なのかよくわからんメールばかりなのだが、 今日(日付の上では昨日)、久々にメールが來たと思ったら、それこそほぼ 3 年前の記事にはてなスターが 3 つついたよ!といふお知らせだった。

で、確認してみたんだけど…。

「ディスカホリックによる音楽夜話」 の hiroshi-gong さんやんけ!!!!!

おれは hiroshi-gong さんのブログの讀者ではなく、それは hiroshi-gong さんがかなりロック寄りの人だからなんだけど、 知らなかったバンドについてググったら hiroshi-gong さんのトコしか日本語の記事は引っかからなかった、みたいなことは何度もあったので、 ブログの存在は知ってたし、なんならちょいちょい參考にさせてもらってました。 そんな人からはてなスターもらへた上に、ふと氣づいたら讀者になってくださってもゐる!  こんな讀み辛いブログなのに…。すみません! ありがたうございます! 應援してます!

ちなみにスターもらったのは The Tower Recordings について書いたときのやつ。 タワレコ、最高ですよねえ~。

といったところで、bandcamp 5 月分のまとめ、やります。ちなみに、現在 8 月 3 日分までメモ書きしてあります。IZ Band がほしくてたまらないんだけど、送料で困り果ててるところ。

5 月 3 日の特集記事は The Best Video Game Music on Bandcamp: March/April 2021 FTL のサントラやってた Ben PruntySubnautica Below Zero のサントラもやってたとは知らなかった。Subnautica は違ふ人だったのに。まあ、Below Zero のはうは買ふ豫定もないのであんま興味ありませんが。

もう 1 つ氣になったのは RetroShooti, Vol. I のサントラ。何がってこのジャケだよ!

Nick Drake やん! Bryter Layter やん! 音樂は全然アシッド・フォークぢゃないみたいですけど。殘念。

5 月 5 日の特集は The Best Ambient Music on Bandcamp: April 2021。 アンビエントは大體スルーなんだけど(どれもこれも變はり映えしないから)、Lea Bertucci の A Visible Length of Light だけはなかなかよかった。

ただ、この人もさうだし、Sarah Davachi もさうだけど、曲が短い。最近はかういふので 40 分とかやらなくなったんですかね。 最低でも 20 分ぐらゐないと氣分がでろっとしてこないし、なんとなくポップな感じがして、いまいち買ふ氣になれないんだよなあ。 ドローンはアホみたいに長いはうが樂しい。

5 月 6 日の label profile はアルゼンチンの HiedraH Club de Baile の紹介。 アルゼンチンといへば、個人的には vlubä なんだけど(かつて CD-R で出まくってゐたわけわからんアルバムが bandcamp で多量に聽けるすごい時代になってしまった)、このレーベルはクラブ・ミュージックばっかり出してるレーベル。

中でも面白かったのはコンピ Bichote​-​k Bailable vol. 2 で、 獨特のリズム感によるダンス・ミュージックがいろいろ入ってゐて實に痛快。 日頃、もっと面白いリズムはないのか?と思ひながら音樂を探してゐるおれにはドンピシャ。もっとかういふコンピたくさん出してほしい。

5 月 7 日の album of the day は、McKinley Dixon のデビュー・アルバム For My Mama and Anyone Who Look Like Her の紹介(これ以前にもアルバムあるのに、なんでデビュー作扱ひされてるのかよくわからないが、レコード出るのが初めてだからかな?)。 これ、1 曲目から惚れ込んで、すぐさまレコード買ってしまった。juno で。

以前に比べると格段にヒップホップを聽くやうになったのだが、といってヒップホップ音痴が治ったわけではなく、 買ふのはどうしても、かういふソウル寄りのやつとか、clipping. みたいにあからさまに尖ったやつとかになってしまふ。 あれなんですよ、單にバックトラックちゃんと作ってくれよって話なんですよ。 このアルバムはバックトラックはめちゃしっかりしてるし、リズムも面白い。そりゃあ買っちゃひますよ。

ちなみに、2018 年のアルバム The Importance of Self Belief はなんと Name Your Price で買へるので、そちらもおすすめ。

5 月 11 日の特集は The Mutant Mythology of the i8i Collective と題した映像作家 i8i の特集。 映像作家の特集なので、それほど音樂に統一性があるわけでもないし、PV ってアルバム全曲のものを作ったりもしないから、 紹介されてるのがシングルだの EP だのばっかりだったりもして、いまいちなものばっかりだったんだけど、 Münki の n​*​gga_n_d_snw​.​wav だけは氣に入った。 なんでって、ノイズでヒップホップだから。

ただのノイズを聽く氣にはあんまりならないし(善し惡しの判斷が困難、といふか面倒)、ただのヒップホップを聽く氣にもならないんだけど、 兩方合はさったら別ですよ、ワハハ。Name Your Price なのもヨシ。

5 月 13 日は 6 月に新譜を出す Loraine James。 新譜のタイトルは Reflection

こんなゴリゴリの idm にヴォーカル載るのか!といふ衝撃。たまらねえ~。

ヴォーカルなしの曲もいいんだけど、ヴォーカル入ってるはうが現代的で實にすばらしい。 idm ってここまで來たんだ!と、勝手に明るい未来を見てしまふ。 でも、かうやってどんどん音樂が洗練されていく樣をリアルタイムで聽けるのって、すごく仕合せなことぢゃないですか?

5 月 14 日は Seven Essential Releases の日。 面白かったのは Giant Claw の Mirror Guide だが、これも買ふかと云はれると微妙なライン。買はないだらうなあ。同じ系統の Loraine James がすばらしすぎた。

5 月 14 日の Shortlist は The Shortlist, April 2021: Avant-Pop, Psychedelic Rock, Electro & More。 よかったのは Ixa の Mkultraviolet。 パンチの弱いヒップホップって珍しい。

このぼんやりとした感じを生じさせてゐる原因は何なのか。ドラムの音が全體的に弱いのはもちろん大きいだらうが、 別にちゃんとドラムの音が入ってる曲もあるのに、その曲もやっぱりぼんやりしてゐる。 入ってゐる音の量が少なかったり、間が長かったり、けっこういろんな要素でぼんやり感が釀成されてゐるのが面白い。

同じく 5 月 14 日の Seven Essential Releases でよかったのは Rosali の No Medium

何がいいって、ギターのサイケさ。最高。

音樂自體はよくある最近のフォーク・ロックでしかないのに、ギターの音がとにかくサイケ。 なんでこんなおれの好みを突く音出してくんの?

曲ではなく、音でフェティシズムをかきたててきたアルバム。曲はもう、ほんと普通で、どこにでもありさうな曲なのに、音が卑怯すぎる。 70 年代のサイケ・ロックが好きなら買はずにをられない傑作。

5 月 17 日の特集は Deeper Listening: An Introduction to Drone Composition。 持ってるやつばっかり!

5 月 20 日の features は Erika de Casier Sensational 發賣にあたってのインタヴュー。 これはまあ、普通に素適な現代ソウルでしたね。やっぱり、どうせポップス聽くならこれぐらゐ凝ったやつ聽きたい。 音のバランスとか、入れる音のチョイスとか、細やかな氣配りが見事。現代ポップスの質の高さを堪能できる。

5 月 21 日の seven essential releases はあたりがたくさん。

まづは Murcof の The Alias Sessions

Murcof、いいですよね。嫌味にならない程度の荘厳さを持ったテクノを作ることにかけて、Murcof 以上の人ってゐないんぢゃないか。 これの前って The Versailles Sessions だから、なんと 13 年ぶり!

正直、Murcof のことは忘れかけてゐたので、ここで見て驚いた。復活してくれて何より。またちょいちょいアルバム出してほしいもんです。 何年かに 1 枚でいいから。作るの大變さうだし。

ほかには、Jaimie Branch の FLY or DIE LIVE。 これはまあ、International Anthem からリリースのお知らせが來たと同時に買ひました。Fly or DieFly or Die II も色つきレコード買ひ逃してるから、今度こそはと思って…。 やっぱり、新譜のチェックって怠っちゃだめですよ。このブログを始めた頃は新譜のチェックサボりまくってたからなあ。ほしかったアルバム、いっぱいあるよ、くそ…。

Contour の Love Suite もなかなかよい。チルなソウル。 とはいへ、買ふかどうかは微妙なライン。バックトラックは面白いんだけど、歌に惹かれるものがないんだよな~。

5 月 25 日の features は Anna Webber の新作 Idiom の紹介。

これはもうめちゃくちゃよかった。今まで知らなかったことを悔いたレヴェル。

中身は、作曲と即興のライン上を漂ふジャズで、このライン取りが實に華麗。 といって難解なわけでもなく、ジャズとして普通にカッコいい。 ジャズってあんまり作曲能力で勝負してゐる人はゐないので(いま流行りの、いろんなジャンルを跨いだやうなジャズは別)、 かうも鮮やかな曲を作る人がゐるなんて想像もしてなかった。いいもの紹介してくれるよ、bandcamp は。ありがたやありがたや。

5 月 26 日の album of the day は Allison Russell のデビュー作 Outside Child の紹介。 いやでも、おれは全く知らなかったんだけど、この人、ググったらユニバーサルと契約してんですね。bandcamp daily でわざわざ採りあげるまでもないやうな…。 ちょっと古い感じはあるけど、ひねりのない王道のポップス。凝ったところとかがあるわけでもなく、すっと心に入ってくる感じ。なんとなく The Rolling Stones 思ひ出してしまったほど。別に似てないんだけど。

同じく 5 月 26 日の label profile は Trouble in Mind レーベルの紹介。 ロックは古いので充分、と思ってゐるので、これも見たときは「なんだロックか」って感じで適當に聽き流すつもりでしかなかったのだが、そんなおれにだっていくらかの弱點はあり、Trouble in Mind はズバッとそこをついてきた。

Sunwatchers の Oh Yeah? はインストもの(Sunwatchers は hiroshi-gong さんがたっぷり書いてた記憶があるので、そっち讀んでください)、 Lithics の Tower of Age はポスト・パンクで、 Writhing Squares の Chart for the Solution は宇宙音とサックスがふんだんに入ったクラウトだし、Matchess の Huizkol に到ってはドローンといふか、パルスものだ。 幅廣すぎでせう。

まあ、知らない音樂があったわけぢゃないから、どれも買ってないんですけど。どれかひとつなら、Writhing Squares かな。

5 月 27 日の features は Vernacular 特集。 正直、Vernacular って誰だよ?って思ひつつ開いたんですけど、Mourning [A] BLKstar の R. A. Washington が過去に參加してたジャズ・バンドなのか! 

The Little Bird が唯一のアルバムで、 CD-R でしかリリースされてなかったやつが遂にカセットでリイシューされたよ!って話らしい。なんでカセットだけなの…。CD-R よりはいいけど…。 Albert Ayler と Sonny Sharrock が合はさったやうなドロドロしたジャズ。R. A. Washington がこんなのやってたとは。

まあでも、これ買ふなら Mourning [A] BLKstar 揃へるかな。

5 月 27 日の album of the day は Spectacular Diagnostics の Natural Mechanics

Jet Set で買へるらしいんだけど検索しても出てこないのはどういふわけだ(5 月に検索したときもだし、未だに出てこない!)。ほしいんですけど!

中身は基本的にヒップホップなんだけど(インストもある)、宇宙音入りまくりでサイケなのが非常にいいし、どの曲も短いのにヴァリエーション豊か。 お洒落なジャズっぽかったりもするのに、大體宇宙音で臺無しなのが實におれ好み。

くっそー、Jet Set さん、早く仕入れてくださいよ。bandcamp では帶つきのやつ賣り切れになってますよ。頼みますよ、ホント。

5 月 28 日の album of the day は、なんと BBE からリリースされる David Bowie のカヴァー・アルバム、Modern Love

BBE はおれにとってジャズの發掘/再發レーベルなんだけど、こんなもんも出すのね。でも、David Bowie は元曲が好きすぎてだめだあ。

5 月 28 日の seven essential releasesで氣になったのは AKAI SOLO & Navy Blue の True Sky

これまたチルいヒップホップ。ただ、アルバムそのものより、ページの上部にある英譯されたマンガの一コマであらう You are one hundred years early!! が氣になって仕方ない。百年早いって、逐語譯して通じるんですかね…。

もう 1 枚、Morbo の ¿A quién le echamos la culpa? は、突然段ボールを想起させる。パンクに分類されるだらうことはわかるんだけど、チャカチャカした感じと、實は日本語なのでは?と疑ひたくなるヴォーカルがなんとも云へず突段っぽいのだ。このバンド、なんと 20 年も活動してゐるのに、これが 2nd らしい。こんなわけわからんアルバムなのに、日本では punk and destroyRecord Shop Base の 2 店舗に入荷してゐるのだから驚き。さういへば、Base で Kito Mizukumi Rouber いろいろ買はうと思ってるのに、未だに買ってないな…。

とまあ、こんなところで 5 月分は終はり!