When the Music's Over

音樂の話とゲームの話

Crossing Souls #2

自分で書いたものだといふのに、前囘の記事やたら好意的でちょっと驚いてしまった。

はい、Crossing Souls、クリアしました。 ので、感想をば。

いや、まあ、出だしで察してくれたと思ふが、 前に書いたやうな、歩いてるだけで樂しい、 といふ感覺はなくなってしまった。

理由は單純で、全實績を取るために最初から何度かやり直したためだ。 このゲーム、アイテム蒐集實績があって、 まあ實はその實績、 どうもバグってゐてワンプレイですべて取り尽くさなくても解除されてしまふのだが、 アイテムをきちんと取れてゐない状態のセーブデータを殘すのが嫌で、 ついつい最初からやり直しまくってゐたら、 そもそもやる氣がなくなってしまった。

そんなわけで、昨年 11 月末にプレイしておきながら、 今の今まで放置してゐたわけだが、 久しぶりにやってもやっぱりだりーわ。

何が嫌だったかって、ジャンプだ。 2D アクションだから仕方ないのだが、 Y 軸と Z 軸がごっちゃになってゐて、 縱方向と高さ方向がわかりにくいくせに、 けっこうシビアなジャンプアクションを要求されるプラットフォームがよくあり、 落ちるとライフが減るのでイライラしてしまふのだ。 最終章に出てくるボスの一人でプラットフォームアクションを要求してきたのは許さんからな。

chapter は全部で 8 つあるのだが、 chapter 2 ぐらゐからストーリーが暗くなり、 最後まで明るくならないのもきつかった。 しかも途中まではやってゐたから、 このあとも暗いイベントあるんだよなあ、 と暗澹たる氣持ちで進める羽目になった。 いやさあ、80 年代が舞臺で子どもが主役なんだからもっと能天氣な明るい話にしてくれよ!

一應ネタバレは控へておくが、 なかなか救いのないストーリーだった。 最後に安易なハッピーエンドにしない邊りは好印象だったが、 おじさん、さういふ硬派さは要らないんだよなあ…。 ちょいちょい插入されるアニメもよくできてるし、 キャラも魅力的なんだから、 もっと莫迦っぽいストーリーでよかったのよ?

そんな魅力的なキャラも、 アクション面では魅力を失ってしまふのだから參る。 紅一點のチャーリーはほぼ活躍する場面がないし、 黒人 & デブ枠のビッグジョーは囘避の代はりに實裝されてゐるアクションが完全に死産。 弟は攻撃手段を持たないぼんくら。 5 人しかキャラいないのに、使へない行動多すぎだろ!  ビッグジョーは攻撃力が拔きんでてるから出番あるけど、 チャーリーは最初から最後までほぼ使はなかった。 ヒロインなのに…。

とはいへ、おれのやうな蒐集物は一周ですべて完璧に取り、 全キャラにアクション面での特徴を持たせろ! などと云ふうるさい人間でなければ、 普通に樂しく遊べる良ゲー。

随所に見られる 80 年代の小ネタ、 よくできたアニメとドット絵、 決して簡單ではないアクション、 濃密なストーリーと子どもらしさを活かしたうまいキャラ造形などなど、 ゲームとしてよい部分はたくさんあるし、 それらはどれもゲームの構成要素として重要なものばかりだ (まあ、小ネタはなくてもいいけど)。

だから、もし 80 年代にそれなりの思ひ入れがあるなら、 セールで買っても損はない。 5 ~ 6 時間でサクッとクリアできるはずだ。 とにかく、氛圍氣はべらぼうにいい。

逆に、おれのやうに全實績とらないと氣が濟まないどころか、 一周ですべての要素を押さえ尽くさないとヤダ! といふやうな厄介な人間にはおすすめしない。 どれだけ氛圍氣がよからうと、 何度もやり直すと飽きちゃうからね。

よくも惡くも、氛圍氣とストーリー重視のゲームだった。 アクション部分は改善の余地あり(ジャンプさへ改善してくれれば充分)。

それはつまり、一周すれば充分といふことであって、 輕く遊びたい人にはいいだらう。 おれは何周もできるアクションゲームが好きなので、 ちょっと好みとは違った。 總合的に見ればいいゲームだったけどね。