When the Music's Over

音樂の話とゲームの話

bandcamp daily: December, 2021

せっかくリアルタイムでチェックできるやうに追ひついたのに、 最初の 2 日がつまんないのばかりですぐチェックをやめてしまった 12 月だが、 まづは 12 月 3 日の best electronic から。

まあ、どれもつまんなかったんですけどね。 Luke Vibert の名前を見て、おお懷かしいなあと思ったら、 相變はらず元氣にアシッドやってて安心したぐらゐ。

12 月 6 日の album of the dayBen LaMar Gay の Open Arms to Open Us

これは International Anthem からメール來てすぐに試聽して、 1 曲目の懷かしいシカゴ音響派っぽさに惹かれてすぐレコード買っちゃったんだけど、 發賣日を過ぎても bandcamp daily で全く紹介されないから寂しく思ってゐたのだ。 いやー、album of the day で取り上げてもらへるなんて、よかったね。

12 月 9 日の resonance は Image and the Style That You're Used to と題された、Digital Underground の記事。

もうそもそも Digital Underground って名前がダサいし、ジャケもダサいし、音樂も古臭い。 と思ったらこれ、1990 年のアルバムと 1993 年のアルバムなのね。そりゃ古いわ。 なのに、やたら心惹かれるものがある。 なんでだ?と思ってたが、あれぢゃん、Parliament からやたらサンプリングされてるからぢゃん!  道理で、P ファンクの空氣が漂ってると思ったよ。

調べてみたら、この Digital Underground はヒップホップが好きなら誰でも知ってるやうな有名グループのやうだ。 なんたって一時期 2pac が在籍してたこともあるし、 そもそもデビュー・アルバムからのセカンド・シングル The Humpty Dance は超有名曲らしい。 知らなくてすみません。ヒップホップ初心者なので…。

なんで急にこんな古いグループの特集をしたのかと思ったら、 今年、メイン MC だった Shock G が亡くなったからっぽい。 さすがに今さら買はうとは思はないが、 昔なら「これも教養だ」と買ってただらうな。

12 月 13 日からはどこでも年末恆例である、今年よかったものリストが公開され始めた。 「去年から順位つけるのやめたよ! 理由は去年書いたよ!」とのことで、 長々と順位付けをやめた理由が書いてあるんだけど、要約すれば「數値化して音樂を比較するのって不毛だからやめます」って話。 その程度のこと、そんな長々と書かんでも…。 順位や點數をつけることで評價に相對性を持ち込むのは、それはそれでメリットあると思ふけど、 まあ bandcamp は批評サイトぢゃないからね。

結局、年末までに公開されたリストは以下。 どれも今年 daily bandcamp で紹介された作品から選ばれてるっぽいので、個別の感想は省略。 各自、氣になるリストはチェックされたし。

12 月 13 日の album of the day は、 Bola Seti の Samba in Seattle: Live in the Penthouse 1966-1968 の紹介。 ギターでのサンバを聽きたければ、取り敢へずこれ買っときゃいいよってぐらゐのすばらしいアルバムで、 タイトル通り 1966 年から 1968 年にシアトルの Penthouse って會場で行はれたライヴの發掘音源なんだけど、 録音状態も音質もバッチリで、Bola Seti の流麗かつ清涼なギターをたっぷり堪能できてしまふ。 ジャケもいいし、デジタルで買っても豪華ブックレットは pdf でついてくる。至れり盡せりですよ。

12 月 16 日の album of the day で取り上げられてゐる Ehiorobo の Joltjacket は 音樂そのものより賣り方に笑ってしまった。 USB、トラックスーツジャケット、T シャツ、トラックスーツパンツ、タンクトップ、バンダナの豪華バンドル、 トラックスーツジャケットとトラックスーツパンツに USB と T シャツつきのスポーツセット、 USB と T シャツだけの基本セット。もちろんアパレルは單品でも買へる!

どんだけアパレル賣りたいんだよ。

音樂は昔ドリルンベースとか呼ばれてた頃の Aphex Twin みたいな曲があるかと思ったら しっとりしたソウルナンバーがあったり、オルタナロックみたいな曲があったりと、 節操なくいろんなのが入ってて、けっこう好み。 それだけに賣り方に困惑する。 USB だけでも $30 は高いなあ。

12 月 17 日の album of the dayMichael Hurley の新譜 The Time of the Foxgloves の紹介。 Michael Hurley といへばフォーク界では名を知られた人で、 近年は Mississippi RecordsFeeding Tube Records(どっちも好きなレーベル)から 自宅録音されたものをちょこちょこリリースしてゐたが、 今囘のこれは完全新録で、新録のスタジオ・アルバムとしては 12 年ぶりらしい。

今月始めの最後となる bandcamp friday で Mississippi Records の作品は新譜も含めて全部が name your price になってゐたので、 いいやつは全部 $1 突っ込むぞと思って片っ端から聽いたのだが、 やっぱり、今さら古いブルーズとかフォークとかを聽くのってつまんないんですよ。 よっぽどのものでないと、昔たくさん聽いたからいいか、ってなってしまふ。

その點、新録のこれはいいですね。 音樂的に昔のやつと大きな差があるわけぢゃないんだけど、 音作りとか音質が全然違ふ。 そして、それだけで聽きやすさは壓倒的な差になる。 古臭さはかなりの程度拂拭されて、素直に曲に耳を傾けることができるやうになる。

昔のブルーズやカントリーの人たちはもうほぼ亡くなってるから、 新録なんてのはもちろん絶望的だけど、そんな中、かういふアルバムがリリースされるのはとても喜ばしいことだ。

以降の bandcamp daily は全部今年のベストになってしまった。 基本的にこれまでに紹介されたアルバムばかりなので、書くことは特になし!  今の時點(12/27)で 24 日分までしか更新されてゐないが、 恐らくスタッフは休暇に入ってゐて、これ以上の更新はないか、あっても新たなベストだらう。 といふわけで、今月は少なめだけど、もうアップしてしまひます (リストに追加があったら更新します)。

今年は新譜をけっこう買ったので、今年のベストみたいなのもアップするつもり。 年末にな!