Spoon と云へば誰もが知る Can の名曲! ではあるけど、それは今囘は關係ない。
ここしばらく、ずっと Factorio のスプーン實績を取るためにがんばってゐたのである。 で、昨日、無事に成功。記録は 6 時間 32 分 39 秒。
そんなわけで、この實績を取るためのコツをまとめておかうと思ふ。 情報がないわけぢゃないんだけど、知りたいところが書いてないやつばっかりだったもんで。 今後、この實績に挑戰する人の役に立てれば幸ひ。
で、研究所はいくつ要るの?
最初に決めるべきことはとにかくこれだ。 研究所の數に應じてサイエンスパックを作るペースが決まり、 サイエンスパックを作るペースによって、必要な物資や土地が決まってくるので、 研究所の數を決めないことには話が進まない。
なのに、この實績について調べると、研究所はいくつがいいよ、みたいなことってまるで書かれてゐない。 だから、ここに關しては自分で計算した(といふか、google spreadsheet に計算させた)。
最終的におれが採用した數は 25 個。 うまくすれば 15 個ぐらゐでもいけるやうだが、これは必要な研究をすべて終へるのに 6 時間ほどかかる。 研究を終へたあともロケット部品を生産する必要があり、 もし工場を増設しないのであれば、研究終了からロケット發射まで 1 時間以内でやるのは不可能だ。 それでも 1 時間弱は餘裕あるぢゃん!と思ってはいけない。 なんせ、最初の研究を始めるまで(正確には、最初のラインを作るまで)にも 1 時間ぐらゐかかるのだ。 15 個では、まあ難しいだらう。
その點、25 個にしておくと、必要最低限の研究にかかる時間は 4 時間弱になる。 但し、これも數字通りにうまくいけば、の話。 どのタイミングで何がどれだけ必要か、といふ計算を豫めすべてやっておき、 それを實現できるのであれば、その時間で達成できるが、 おれがやったときは、そんな面倒な計算はやらずに本番に臨んだし、 お蔭でかなりグダって、何も研究してゐない時間なんてのが生じたりもした。 それだけグダっても、6 時間半でクリアできたのだから、 これは 25 個といふ設定が效を奏したと云へよう。
生産すべきサイエンスパックの量は?
普通にクリアを目指すだけであれば、細かく計算してラインを組む必要はない。 最惡、すべての種類のサイエンスパックの生産量が 0 でさへなければよいのであり、 それさへ實現してしまへば、あとは放置しておくだけでクリアできることはできる。
が、8 時間といふ明確な目標がある場合、さうはいかない。
具體的には、最初に決めた研究所すべてにパックが行き渡るやうな生産量を保つ必要がある。 大半の研究は 30 秒に 1 つサイエンスパックを消費することになってゐるのだが、 だったら研究所 25 個の場合、1 つの研究所が 1 分に 2 つづつ消費で 50 個/分のペースで生産するのかといふと、そんなことはない。
ぶっちゃけ、研究時間のほとんどは最後のロケットサイロの研究であり、 この研究は 1 分に 1 つづつしかサイエンスパックを消費しない。 だから、研究所の數と生産するサイエンスパックの數はイコールでよい。 なんだかんだで、それ以前の研究も、研究所は 25 個とはいかずとも、ほとんどが稼働してくれる。
マップの選定
以上のことが決まったら、次にやるべきはマップの選定である。 なんせマップが決まってゐなければ、ラインの仮組みができない。 はっきり云って、この實績はぶっつけ本番でやるべきものではない。 豫めマップを決めておいて、どこに何を置くか決めておき、 どうせならブループリントまでとっておいてから、本番に臨むべきだ。
1.0 時點でのおすすめは、「島」マップにして、島のサイズをバイターが出ないやうに調整すること。 つまり、バイターの巣をマップ外に配置し、存在するのに出てこない、といふ状態にするわけだ。 資源はもちろんマシマシにしてしまってよいが、ウランは使ってゐる暇がないので、出現させなくてよいと思ふ。
バイターが出てこなければ、必要な研究の數は大幅に減る。 そもそも、おれは個人的にバイターが嫌ひなので、だいたいいつもこの設定か、ピースフルモードで遊ぶ。
參考までに、おれの使ったマップコードも示しておかう。
>>>eNpjZICC1atW2TMwNNhzsCTnJ+YwMBwA8g44gDBXcn5BQWqRb n5RKlCdA0yYM7moNCVVNz8zByYCVpyal5pbqZuUWJwKMg2GOTKL8 vMgJiDUshaX5OelIlvFWlKUmloM1ADkNdiBNHKXFiXmZZbmIvSCA JBm9F61KlpAnYHhDisDw/96BoX//0EYyHoAVADCDIwNEJVAMShg5 EzNSS1LLMnMz+M2iDc0180szknMS2FNzslMS2NgUHBkYChwBitkY KwWWef+sGqKPSNEq54DlPEBKnIgCSbiCWP4OeCUUoExTJDMMQaDz 0gMiKUlQCugqjgcEAyIZAtYkrH37dYF349dsGP8s/LjJd+kBHtGQ 1eRdx+M1tkBJdlBXmCCE7NmgsBOmFcYYGY+sIdK3bRnPHsGBN7YM 7KCdIiACAcLIHHAm5mBUYAPyFrQAyQUZBhgTrODGSPiwJgGBt9gP nkMY1y2R/cHMCBsQIbLgYgTIAJsIdxljBCmQ78Do4M8TFYSoQSo3 4gB2Q0pCB+ehFl7GMl+NIdgRgSyP9BEVBywRAMXyMIUOPGCGe4aY HheYIfxHOY7MDKDGCBVX4BiEB4kC0GMgtACDjAJSLJg4H1x3xoAu 9yrmw==<<<
ラインの組み方
で、生産すべき數とマップが決まったら、實際にラインを組んでいくわけだが、 この計劃を立てるためになくてはならないのが、 Factorio Calculator である。
使ひ方は簡單。まづ、下のやうに、一番上のボックス(赤基盤が表示されてゐて、赤枠で圍まれてゐるところ)をクリックする。
すると、作れるアイテム一覧が表示されるので、ここから最終的に作りたいアイテムを選ぶ。
次に、そのアイテムをどれぐらゐ作りたいか入力する。 Factories と Items/minute のどちらかを指定すればいいのだが、 今囘は 1 分あたりに作るべき量が明確に決まってゐるので、 Items/minute のはうに、先ほど上で決めた値を入力する。 おれの場合なら、25 だ。
すると、下にずらっと必要な材料と、そのために使ふ機械が表示される。
ちなみに、このときに使われる機械は Settings タブで指定できる。
例へば、組立器 2 は赤サイエンスパックを作るラインでは使へない(研究が未完了だから)。 そんなときに、どの組立器を使ふか、燃料は何にするか、 爐はどれを使ふのか、原油の分解方法はどちらにするかなどが設定できる。
特に、青サイエンスパックのラインを組む際に原油はプロパンにしか分解できないので、 そこはきちんと設定しておかないと面倒なことになる。 爐も序盤は石の爐だが、中盤以降は鋼鐵の爐になる。 が、終盤で電氣爐にするかどうかは人によるだらう。 その邊りは、自分で細かく設定しよう。
さて、必要な施設がわかったら、取り敢へず數をメモしておかう。 このサイトは必要な施設數を理想的な數で出すため、小數表記が普通なのだが、 實際のゲームで 3.2 臺の爐を置く、なんてことはできないので、これらはすべて切り上げで計算する。 その上で、次に Visualize のタブをクリックする。
すると、上のやうな各資源の流れが表示される。 必要量に應じて線の太さが變はるやうになってゐてわかりやすいのだが、 紫や黄色のサイエンスパックを作る場合、このラインが複雑になりすぎて非常に見辛い。
そんなときは、左上の齒車マークを押し、Boxes and lines 表記に變へるのがおすすめ。 太さが均一の線で表示されるため、數値がぐっと見やすくなる。
ちなみに、ここに書かれてゐる數値をぴったり實現することはできない。 上にも書いた通り、施設を小數個置くことができないからだ。
だから、ここの數値は、比率だけを見ればよい。
例へば、生産された鉄板は 125/m、50/m、50/m、75/m に分かれてゐる。 これは要するに、全鉄板を 5:2:2:3 に分けろ、といふことだ。
ここで注目すべきは、125/m の先にある鐵鋼の生産。 なぜって、鐵鋼を生産する爐の數と、鉄を生産する爐の數は、基本的に 1:1 でいいからだ。
となると、鋼鐵を生産するのに必要な爐が 3.4 個と書かれてゐて、これは切り上げて 4 個用意することになるから、 そのために鉄板を作る爐も 4 個使ふことになる。
すると、もともと 8 個しかなかったもののうち、殘り 4 個しかほかに囘せなくなってしまひ、 これだと微妙に鉄が不足してしまふ。 だから、鉄板を作る爐は、實は 9 つ必要になってしまふ。 さうなると、掘削機も 10 個では足りず、12 個用意するのが無難である。 石炭のための掘削機はどうせ詰まるので、2 個でよい。
で、殘り 5 つの爐で作られた鉄板を、2:2:3 に分けなくてはならないのだが、 まあ、實際に動かすと齒車やパイプを作るための鉄板は餘る。 だから、まづその 2 つに鉄板を囘し、殘りがすべて緑基盤に届くやうにすればよい。
いやだ! おれは 2:2:3 に分けたいんだ!といふ人は、分配器を驅使してやってほしい。 分配器から出したものを再び分配器に入れる、といふテクニックを用ゐれば、大抵の比率には分けられるはず。 ググれば動畫で見つかるので、詳しくはそれを參照してほしい。
さうやって作ったラインは、ブループリントにして保存しておかう。 正直、この實績を取るために時間が一番かかるのはここだ。 本番のプレイ時間こそ 6 時間半ほどだが、 このテストプレイにはゲーム内で 15 時間ほどかかったし、 スプレッドシートに情報をまとめた時間なんかも含めれば、もっと時間はかかってゐる。
實は、そもそも一度やって最後の最後で計算違ひが發覺したため、 この作業は 2 囘やった。 だから、たぶんこれだけで 40 時間ぐらゐ使ってゐると思ふ。
何を研究するか
バイターが出ない状態でやったので、最低限の研究しかしなかった。
一應、リスト化しておく。
赤パックのみでできるもの。
- 自動化技術
- 物流学
- 高速インサータ
- 電子工学
- 鋼鐵加工
- 物流サイエンスパック(緑パック)
赤 + 緑
- 高度な爐の製作
- エンジンの開發
- 自動化技術 2
- 流体力學
- 原油處理技術
- 硫黄處理技術
- 電池の開發
- プラスチックの製造
- 發展電子工學
- 化学サイエンスパック(青パック)
- 火器の開發
- コンクリート
- モジュール
- 生産力モジュール
- 生産速度モジュール
- 鉄道技術
赤 + 緑 + 青
- 高度な爐の製作 2
- 應用原油處理技術
- 發展電子工學 2
- 生産力モジュール 2
- 生産速度モジュール 2
- 軽量骨格材
- 潤滑油
- 電気エンジンの開發
- ロボット工學
- ロケット燃料
- 製造サイエンスパック(紫)
- ユーティリティサイエンスパック(黄)
赤 + 緑 + 青 + 紫
- 生産力モジュール 3
- 生産速度モジュール 3
赤 + 緑 + 青 + 黄
- ロケット制御装置
赤 + 緑 + 青 + 紫 + 黄
- ロケットサイロ
以上である。紫パックを使ふのはたった 3 つ。 黄色に至っては最後の 2 つだけだったりする。 逆に云ふと、紫パックのラインを作ってから、 黄色パックのラインを作り終へる時間までは、餘り猶豫がない。 だから、紫パックが作れるやうになる前から、黄色パックのラインは組んでおくべきである。
その他のコツ
事前に計劃しておくべきことは以上で終はり。 factorio@jp wikiでは、もっと細かくタイムラインを作ってゐるが、 おれは全く作らなかった。 研究にかかる時間は計算濟みだし、マップもわかってゐたので。 ランダムマップでやるなら、細かく目安を決めておくはうがよからう。
以下は實際にやってみた際の注意點。
まづ、準備段階での注意點は、Factorio Calculaor の使ひ方。
あのサイトで出るのは理想的な値である。 それを達成するためには、あそこに書かれてゐる速度を實現しなくてはならない。
例へば、上に貼った畫像では、0.5 臺の組立器 2 から、銅線が合計で 1 分に 50 個作られることになってゐる。 實際に配置される組立器 2 は 1 臺で、銅線は 0.5 秒で 2 つ作成される。60 秒なら 120 個だ。
が、作るだけではだめである。あそこに書かれてゐる數値は消費されるべき數値であって、 その量を作るのは前提條件でしかない。
例へば、組立器 2 で銅線を山ほど作らうと思っても、 全く出力しなければ、8 個作った時點で製作は止まる。
だから、銅線は作ったら作っただけなるべく出すべきであり、 そのため一番いいのは、銅線を使ふ組立器 2 に直に高速インサータで出してしまふこと。 次點で高速インサータ 2 臺でベルトに出すこと。
これは齒車に關しても同樣で、かういふ多量に消費されるものは、 いかに早く出力して供給先に届けるべきかがシビアに問はれる。 まあ、これは通常プレイでも同樣ではあるから、 心掛けてゐる人にとっては、釋迦に説法かもしれない。
Factorio Calculaor を使ふ上で心得ておきたいのは、 あの計算は絶對に正しく、最終出力が達成できない状態になってゐるのであれば、 それは自分のラインのどこかに問題がある、といふことだ。 Factorio Calculaor が示した理想的な状態に近づけるにはどうすればいいのかを考へるのが、 Factorio Calculaor の使ひ方だと云ってもいい。
また、絶對にたくさん必要になるもの、 ベルトや鉄板、齒車、電子基板、インサータなどは、 それらを貯蓄するためのラインを別個に設けておくと新たなライン構築の際にあたふたせずに濟む。 もちろん、事前に數をきっちり調べて準備できるのであれば、さうした餘分なラインを作る必要はない。
ブループリントを使ふなら、小分けにしたものを使ふのがよい。 木や岩のやうな障害物があるとブループリントは設置できないのだが、 廣い範囲でブループリント化してゐると、障害物がどこにあるのか特定が難しくなる。
但し、廣い範囲でブループリント化した場合、 必要なものの數が一目瞭然になるため、廣い範囲のブループリントを作ることにメリットがないわけではない。
一番賢いのは、廣い範囲でブループリントを作成して必要なものの數を調べた上で、 實際には小分けにしたブループリントを使ふことだらう。
準備段階での注意はそれぐらゐ。あとは、實行に際しての注意。
まづ、ブループリントを使ふ場合、注意すべきなのは、どれが半透明(未設置)なのかがわかりづらいこと。 いやー、もう、ほんとね、これにはさんざん困らされましたね。 置いたと思ってたベルトが置かれてなかったり、 置いたと思ってたインサータが置かれてなかったりで想定通りにパックが作られなかったりしたことが何度もあった。
それを防ぐ方法は、とにかくマメに生産統計(デフォルトのショートカットキーは P)をチェックすること。 これを見て、サイエンスパックが豫定通りに作られてゐなければ、何かしらの置き忘れなどがあるはず。
それにさへ氣をつければ、あとはいかに事前準備をきっちりこなしたかで決まる。
こんなところだらうか。この長大なメモを誰かの役に立ったなら嬉しい。
尚、この實績は友人と 2 人でやって取ったのだが、 友人はこれが初クリアでもあったため、 取得した實績の數がえらいことになってゐた。
「ずっと蒸氣」、「コンピュータの時代 1」、「コンピュータの時代 2」、「プロのやうに軌道に乘る」(ついでに取った)、 「物流ネットワーク禁止」、「鮭をスモークしてくれ、朝食までには戻る」、「雑談する暇はない」、「スプーンなんてない」、 「彈丸の雨」、「さやうなら、今まで魚をありがたう」としめて 10 個。 今囘のプレイの録畫もしてゐるので、そのうち編集してアップしてくれるのを樂しみに待つことにしたい。