When the Music's Over

音樂の話とゲームの話

A Robot Named Fight! #1

年末に 90% オフなんて投げやりなセールをやってゐたので買っておいたのだが、 このゲームむちゃくちゃおもしれえ。

おそらく、これに最も似たゲームは Dead Cells だと思ふ。 Dead Cells は自らを「ローグヴァニア」と呼んでゐるやうに、 Castlevania がローグライトだったらこんなだらう、 といふ感じのゲームだが、 A Robot Named Fight!Metroid (といふよりは Super Metroid)がローグライトだったらかうなる、 と云へるゲームだ(本家 PV にも metroguelike の文字が出てくる)。

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懐かしの bethesda ネタ

實際のゲーム畫面は上のやうな感じ。 メトロイドシリーズとの違ひは、敵がどれもこれもキモいことだらうか。 なんたって、ゲーム内での敵の呼稱は meat である。 その名の通り、どいつもこいつも妙に肉々しい。

敵が meat なのに對して、主人公やショップ店員、祠の神樣なんかはすべて機械。 これだけ見ると、機械 vs 生物みたいな感じに見えるが、 なんでさうなってるのかはエンディングで明かされる。

ちなみに、上の畫像にゐる tutorial smith くんは開始直後に一言しゃべって息絶えるのだが、内容はバラバラ。 科白によっては主人公である Fight がパワーアップしたりパワーダウンしたりもするし、 隱しステージに飛ばされることもあるとか(ラスボスを倒せば倒すほど、その確率が上がるらしい)。

上のは Doom 初期三部作の移植で發生した騒動のパロディだが、 あれが騷ぎになったのは去年の 7 月末だから、 2017 年發賣のこのゲームに最初から入ってゐたはずはない。 つまり、わざわざアップデートで追加したといふことだ(昨年末の新規エリア追加アプデのときだと思ふ)。

肝心のゲーム内容は、もうほとんど Super Metroid。 もちろん、ローグライトなので手に入るアイテムはランダムだし、 マップもランダム(とはいへ、ローグライトによくある、部屋の接続が異なるだけみたいなやつ)。 それらはシード値で管理されてゐて、ゲーム中、あるいはゲームオーバー時に見ることができる (ちなみに、シード値を用いたプレイでアイテムやステージをアンロックすることはできない)。

アイテムの種類も多彩だが、メトロイドヴァニアでお馴染みの、 「特定のアイテムを手に入れたあとでないと進めない」箇所の處理が凝ってゐて面白い。

例へば、床や壁に埋まってゐるスイッチを押さないと開かない隔壁。 普通なら、彈丸が壁を貫通するやうになるアイテムを取って進むわけだが(實際にそのアイテムもある)、 壁を貫通する攻撃ができさへすればいいので、 火炎放射器を持ってゐればそれを使ってもいいし、 電撃を放射する銃があればそれでも突破できる。

壁貫通アイテムはそれしか用途がないが、 火炎放射器や電撃放射銃は火炎や電撃にしか反應しない扉を開けるのにも使へるので、一石二鳥。 だが、壁貫通アイテムは火炎放射器や電撃放射銃と違って射程距離が無限なので、 普段のフィールドで敵を安全に處理できるメリットもある。

そして恐らく、火炎放射器が取れる周では、貫通アイテムが取れない。 同じタイプの扉を開けるアイテムは一周で一種類しか出ないやうに調整されてゐるやうで、 それが毎囘のプレイ感覺の違ひを増大させる。

また、メトロイドシリーズによくある、床や壁の一部が壞れて隱しアイテム(ステータスアップアイテムのみ)が出てくる演出もあるのだが、 隱しアイテムがあるフィールドは、ミニマップに×マークがつく。 だから、部屋に入るたびに床や壁を撃ちまくる必要はないが、 ×マークがついてゐても後半はかなり見つけにくく、 探索好きを失望させることもない、いいバランスになってゐると思ふ。

ただ、かういふゲームの恆として、慣れるまでは實に難しい。 なんたって初期ライフはたった 8。 まあ、ライフ囘復はそれほど大變ではないのだが (部屋を切り換へれば雑魚は無限に湧くし、ハートもそこそこ出る)、 大抵は最後まで最大ライフが低いので(14 ぐらゐにしかならないとかザラ)、ハマるとあっといふ間に死ぬ。

特に苦手なのは刺床のフィールドで、 このゲーム、ダメージを食らふと少し飛び上がるといふ仕樣のため、 「刺を食らふ→飛び上がる→ジャンプのタイミングがずれる→最初に戻る」 といふ無限ループに陥って何度死んだかわからない。 できなければ死ぬなんてことはないが、 壁ジャンプ(アイテムは不要で、ある實績を達成すると使ひかたが表示される)も慣れるまでは相當ムズい。

また、ボスも慣れれば簡單なのだが、 5 ステージある上、最終ステージ以外のボスはランダムなので、 4 ステージ目のボスなんて、そもそも對戰できる機會が少なく、 慣れて攻撃パターンを憶えるのはかなり時間がかかる。 この邊りは、Enter the Gungeon と同じ感覺だ。

まあ、實際にやってみると、4 ステージ目まで辿り着けるときなんて、 こちらがアイテムに惠まれてゐて無雙状態だったりするので (アイテム同士のシナジーもあるらしい)、 初見のボスでもあっさり倒せてしまったりもするのだが、 3 ステージ目のボスなんかはなかなかさうもいかず、 上達ぶりを知るいい機會になってゐる。 初見で笑ったボスは、初代ロックマンの最高にムカつくボス、イエローデビルと同じ擧動をするやつ。

1 プレイは長くて 1 時間半ほど。 部屋の切り替へ時に自動でセーブしてくれるので、どこでやめても平氣。 取得したことのあるアイテムは collections に登録されていくので蒐集熱も煽られる。

一應、PvP だったり、ローカルマルチでの協力プレイ (一人は Gradius のオプションみたいなのになる)もあるが、 それらが實績に影響しないのも嬉しい。 PvP はともかく、ローカルマルチのあれは 2P ほんとに面白いのか?って感じだし…。

ウィンドウモードにすると畫面がかなり小さくなる缺點はあるが、 ウィンドウ端を引っ張ると好きな大きさに變へられるので大した問題ではない (おれは sizer といふソフトで大きさ・位置ともに記憶させてゐる――なぜかこのゲーム、12:7 といふ變な比率)。

メトロイドヴァニアとローグライトを愛する人にはドンピシャなゲームだと思ふ。 セールで 90% オフになるってことはあまり賣れてないんだらうけど、 20 時間やってまだ實績 70% ぐらゐしか埋まってないし、まだまだ樂しめさう。 50% オフでも、なんなら定價でも舊取れるぐらゐ面白いので、氣になった人は是非どうぞ。

日本語での攻略情報は皆無に等しいので、ガイド書かうかなあ。