第一の難點は、そもそも CD でほしいと思ふものがほとんどないこと。
CD ってデータ買ふのとあんまり差ないし、なんならデータで買ったはうがハイレゾだったりするし、
コレクション目的以外でなんかメリットあんの?と思って普段はレコードばかり買ってゐるので、
ほしい CD がパッと思ひつかないのである。
ボックス買ふだけで我が家の CD 枚數は 14 枚も増えるのに、マルチバイでは 1 點扱ひ。
恐ろしいシステムである。
あと、最初の畫像にも書いた通り、
レコード 4 枚で 3 萬もする La Monte Young の新譜を買ってしまった上、
再發ものとかでほしいものが山積してゐるので、
bandcamp をチェックしてほしいもの増やしてる場合ぢゃない、といふのもある。
まあ、記事にまとめてないやつをブラウザのタブに保存しまくってゐて、
タブいくつ開いてんだ、みたいな状況だから早くまとめたくはあるんだけど…。
中には、唄ひながらあんなギター彈けない、と云ふ人もゐて、これには笑ってしまった。
だって、Jimi が唄ひながら彈いてゐるのは、大抵の場合リフか、自分で唄ってゐるメロディそのものである。
自分が彈いてゐるフレーズをその儘唄ふ人は Jimi 以外にもゐる。
ギタリストには詳しくないが、Glenn Gould や Keith Jarrett のやうにピアニストなら珍しくない。
まさかピアノでは簡單だがギターでは難しい、なんてこともあるまい。
Miles Davis が自身のバンドを電化した際、ギタリストに「ジミヘンのやうに彈け」と要求したのは有名だが、
なんですか、Miles Davis がまさか彈きながら唄ふことを望んでたとでも云ふんですか。
電化してすぐ Keith Jarrett をキーボードに迎へたのも、
共演した人物の中で Keith Jarrett を最も高く評價してゐるのも、
彼が唄ひながら彈ける人だったからだってんですか。んな莫迦な。
No Man's Sky に限らず、
クラフト系のゲームでは、素材を囘收するためのつるはしや斧、
敵を倒すための武器といったアイテムがある。
このゲームでは、さうした用途を一手に引き受けるアイテムがあり、
その名をマルチツールといふのだが(そのまんま!)、
これは、そのマルチツールの一番上等な S クラスのやつである
(最初に持ってるのは C クラス)。
ワープできるやうになったこの時點でのおれの所持金は、
上のスクショでもわかる通り、480 萬ユニットほどである。
で、この S クラスマルチツールのお値段はなんと 750 萬。
買へねえ!!!
貨物船の嚴選はマルチツールの嚴選と異なり、
行けば必ず S クラスといふわけではない。
星系で固定なのは見た目だけで、
クラスは C ~ S のどれが出るかわからない。
S クラスが出る確率は確か 2% ほどなので、
何度も何度もその星系へ足を運び、
貨物船に乘ってはクラスを確認する、といふ作業が必要になる。
ダブが苦手といふか、レゲもスカもロックステディも、とにかくジャマイカ音樂全般が理解できなくて、
今年 Lee Perry が亡くなってしまったけど、それで何かを感じることもないぐらゐ、
おれにとってダブってのはどうでもいいジャンルなんです。
Lee Perry だって、理解したいと思っていろいろ聽いたけど、どれもよさが理解できなかったんですよね。
でも、この音はサイケとしか云ひ樣がない。
サイケなギターと一口に云っても表現は樣々で、
かういふギターをサイケ扱ひするのは、サイケばかり聽いてる人間だけのやうな氣もするが、
サイケ好きとしては、これだってサイケなんだ!と聲を大にして云ひたい。
Matt Valentine だって、The Golden Road 名義のときとか、かういふギター彈くぢゃん。
Rosali: Chokeweed
No Medium はサイケ好き以外には「かういふのもサイケなんだ」と云はなければわからないやうな、
歌ものロック・アルバムとして普通に成立してゐたが、カセットでリリースされたこっちは説明するまでもなくどサイケ。
歌も入ってゐない、ギターのインスト作品集である。
正直、これには驚いた。
No Medium のサウンドがあまりによかったので、
もちろんこれまでにリリースされたものも聽いたんだけど、
フォーク・ロックの、シンガーソングライターなんだなって印象でしかなかったし、
No Medium ほどのサイケさはなかったから、
No Medium が特別サイケさ溢れるアルバムなんだと思ってたんです。
そこへこれ。
隅から隅までサイケ。誰に聽かせてもサイケと云はれるぐらゐ明確なサイケ。
最高ぢゃねえか。
No Medium のサイケさは、
フォーク・ロックな樂曲に合ふサウンドを選んだ結果だったのか。
しかし、こんなアルバム誰も知らんだろ、ぐらゐのつもりで書いたが、
The Wire の年間ベストに舉げられてるやんけ!
ちなみにこのリスト、
George Lewis の Minds in Flux の初演なんてのもしれっとリストに入れられてゐて
(リリースがあったわけではなく、BBC の Proms で演奏されただけ)、さすが侮れない。
大體は知ってて聽いたアルバムばっかりだったからほっとしましたけど。
大きな差としては、Infinite Fog 盤に多量の未發表曲およびデモが追加されてゐること。
Wax Trax! 盤は收録時間の都合上、オリジナルのアナログには收録されず、
CD にのみ收録されてゐたトラックがアナログにも收録されるやうになっただけで、追加トラックはない
(CD にのみの收録曲すら入ってゐない、つまりオリジナル・アナログと同じ曲數のものもある)。
細かい差としては、この 2 つの盤のマスタリングが異なること。
Infinite Fog 盤は Martin Bowes が、Wax Trax! 盤は Josh Bonati によるリマスタリングが施されてゐる。
中身自體は、もう何度となく聽いたものなので、
今さら新しい感想もないのだが、
やっぱりインダストリアルな Coil のアルバムをもっと再發してほしい、といふ思ひは強まった。
去年末にリイシューされた Musick to Play in the Dark や
來年再發豫定(もう豫約した)の Musick to Play in the Dark2 みたいなアンビエントものもいいが、
もっと初期の Scatology とか Horse Rotorvator とか
Gold is the Metal とかも聽きたいんですよ!!
これは International Anthem からメール來てすぐに試聽して、
1 曲目の懷かしいシカゴ音響派っぽさに惹かれてすぐレコード買っちゃったんだけど、
發賣日を過ぎても bandcamp daily で全く紹介されないから寂しく思ってゐたのだ。
いやー、album of the day で取り上げてもらへるなんて、よかったね。
12 月 16 日の album of the day で取り上げられてゐる
Ehiorobo の Joltjacket は
音樂そのものより賣り方に笑ってしまった。
USB、トラックスーツジャケット、T シャツ、トラックスーツパンツ、タンクトップ、バンダナの豪華バンドル、
トラックスーツジャケットとトラックスーツパンツに USB と T シャツつきのスポーツセット、
USB と T シャツだけの基本セット。もちろんアパレルは單品でも買へる!
11 月 8 日の album of the day は New Age Doom と今年 8 月に亡くなった Lee Perry とのアルバム Lee "Scratch" Perry's Guide to the Universe の紹介。
バンド名とタイトルが表す通り、宇宙音まみれのドゥームメタルなのだが、Lee Perry の無駄遣ひにしか思へない。
もしかして、これが Lee Perry の遺作になるんですか?
まあ、おれはジャマイカの音樂のよさがほぼ理解できず、Lee Perry も何度聽いてもよさがわからなかったから別にいいんだけどさ。
11 月 8 日の scene report は an introduction to Cascadia psych と題されたカスカディア・サイケの紹介。
いや、そもそもカスカディアってなんだよ。
どうも記事によるとサンフランシスコ以北、アラスカまでのあたりまででまとまって獨立しよう!って運動らしい。
全然知らなかったそんなの。
で、サイケのメッカたるサンフランシスコを微妙に外れたカスカディアでの音樂ですが…。
まあ、うん、サイケデリック・ロックですね、としか云ひやうがない。
ジミヘンの曲からバンド名をとったと思しき Sky Cries Mary は懷かしい感じの王道サイケ・ロック、
フリーク・フォーク系の Rose City Band、
クラウトっぽさを持った Abronia、
ラリった音が多い廃人系 The Lavender Flu などなど、
なかなかヴァリエーションに富んだサイケが紹介されてゐるが、わざわざ買ふほどではないかなあ。
11 月 10 日の features は「いかにして Robin Hatch は世界最大のアナログシンセをマスターしたか」 といふインタヴュー記事。
ここでいふ世界最大のアナログシンセとは、
Malcolm Cecil と Robert Margouleff が組み上げ、
Stevie Wonder が 70 年代に入って發表した 4 枚の大名盤、
Music of My Mind、Talking Book、
Innervisions、Fulfillingness’ First Finale を制作したときに使った、
TONTO (The Original New Timbral Orchestra) のことだ。
初めに紹介されてゐる Linda Fredriksson の Juniper は、
ちょっとだけ聽いて普通だな、とスルーするつもりだったのだが、
タイトル曲のベースがなかなか面白く、じっくり聽いてみることにした。
それで氣づいたのだが、これ、We Jazz Records からのリリースだ。
We Jazz Records といへば、先月ユニオンのアウトレットで見つけた Koma Saxo を出してるレーベル。
先日も、Self Koma といふ曲がリリースされたばかり。
このレーベルのことはまだフォローしてなかったから氣づかなかった。フォローしとかう。
肝心の Linda Fredriksson は買はないだらう。
惡くはないんだけど、クレジットに modular synth だの field recordings だの moog だのと書いてあるのに、
さういふ要素がちっとも前面に出てこないんだもん。
もっとお上品さを捨ててシンセまみれにしてくれ!
Gabriel Zucker の Leftover Beats from the Edges of Time は、ESP から出てます!と云へば事足りさうな、非常に ESP らしい奇妙なジャズ。
とはいへ、昔の ESP ほどの怪しさは全くなく、ブラッシュアップされたアヴァン・ジャズで、
綺麗にまとまってゐる。
多くのジャズ・マニアは在りし日の ESP をよく知ってゐるはずだから、この程度だとちょっと殘念に思ふかも。
まあ、ESP もモダンになったってことですね。
Lady Blackbird のデビュー作 Black Acid Soul は
そもそもアルバムタイトルがかっこいいし、ジャケはどう見ても Black Sabbath の Master of Reality だしで期待したが、
これまた期待はずれ。アシッドどこ? Black Sabbath 要素は? ただの上品なジャズ・ヴォーカルものぢゃん…。
まあ、Henry Grimes とか Sunny Murray とか Sun Ra とか、
最初のはうで紹介されてゐるのは、フリージャズ好きなら知らぬ人はゐないやうな有名人。
ただまあ、Sun Ra はともかく、Henry Grimes と Sunny Murray は、
Cecil Taylor や Albert Ayler のバンドにゐた(しかも最もよく知られてゐる時期に)のがすごいんであって、
本人たちのリーダー作は別に…。
コンセプトごとにジャケットが統一されてゐるので、
どれがどのシリーズなのかはすぐわかる。
人選もかなり幅廣く、Richard Youngs がゐたり、Sun Araw がゐたり、Angel Bat David がゐたりする。
11 月 22 日に紹介されてゐた Michael Vincent Waller の名前もあるし、GY!BE の Efrim Manuel Menuck もゐる。
日本人も何人かリリースしてゐるが、最新シリーズだと石橋英子の名前がある。
てか、この記事のお蔭で Longform Editions のリリースをいろいろ聽いてたんだけど、
Bitchin Bajas、Sun Ra のカヴァーアルバム出すんですね。
ジャケがウルトラかっこいいし、カセットでほしいところだが、送料がたけえ。
Drag City からのリリースだし、tobira records とかユニオンとかに入荷すれば買はう。
11 月 24 日の lists は、Black Friday 及びホリデーシーズンが近づいてきたってことで
(お蔭で bandcamp からちょいちょいクーポンのお知らせが來る)、
Jazz for the Holidays。
11 月最終週はろくな記事がなかったが、中でも San Francisco Ain't Dead にはがっかり。
サイケ發祥の地サン・フランシスコとあって、サイケ・ロックばかりが紹介されてゐるのだが、
どれもこれも、Galaxy 500 やりたいんだなとか、Yo La Tengo やりたいんだなとか、The Velvet Underground やりたいんだなとか、
My Bloody Valentine やりたいんだなとか、そんなのばっか。
これで ain't dead って云はれても困る。ゾンビだらけぢゃん。